- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101210315
感想・レビュー・書評
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千住家の子供達は素晴らしい芸術家になった。
だからと言ってそこに特別な教育があった訳ではなかった。
あったのは「ほんまもん」の家族の愛情だけである。
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三人もの芸術家を育てたということで、どんな教育だったのかと関心が沸き手に取った。
分かったのは、芸術家を育てようと育てたわけではなく、子どもたちの興味関心の先に芸術家という将来像があったということだ。
それでも三人とも一流として活躍しているのには、以下の3つのポイントがあると感じた。
・一流に触れる環境
・父親の人格
・母親の献身
まずバイオリンを始めるにあたり著名な先生に師事している。
やはりプロになるには良い先生につくことは何より大事なのだと思う。
次に、父親の人格。
決めたことは猪突猛進して貫く、子どもを信じて好きなようにやらせる、こうした父親の姿は一流になるにあたり大いに影響したと思う。
最後に母親の献身。
特に真理子さんとは二人三脚でこれまでやってこられたことが伺える。
そして専業主婦であり、家事育児は全て担っていたようだ。
自分自身の時間などなかったのではないか。
これらが組み合わさり、三人の一流が生まれたのだなと大変興味深かった。
親の押し付けではなく、子どもの関心を起点としながら、深い愛情と人格を持って子どもに接することの大切さを学ぶことができた。 -
日本画家千住博画伯が好きなのでその根源と言うか生い立ちを楽しみに読み始めましたが、どれだけすごい教育をされたのかと言う事前の想像を良い意味で大きく裏切られ、芸術三兄弟の父母の人間性の素晴らしさに驚きました。家族それぞれ全ての努力の凄まじさにただただ感心するばかりでした。
著者(三兄弟の母)の父母がドイツ留学でドイツに向かう船上で、ヴァイオリンを弾くアインシュタインと遭遇したエピソードもすごい。芸術家の道へ繋がっていく目に見えぬ何かをも感じてしまいました。
『むずかしい教育は、やさしい愛情より劣るのではないか。ーすべての鍵は愛である』とあとがきで締めくくられている事にとても納得しました。このご家族の事、この先知らずに過ごす事とならずによかったと思います。 -
こうじさんに薦められた一冊。
親は子どもに期待をかけてはいけない。それは親のエゴでしかない。
いちばん好きなことをやらせるのが一番伸びる。興味をもって集中させること以外に子どもを伸ばす方法はない。
だから、親がやることは、見守るということ。
森のようちえんと同じだ
結局子育ては、私自身の問題。これにはガツン
山口さんの講演、捉え方次第
わたしは挫折、苦労がないことにコンプレックスを抱いてる。たぶん
ほんまもんだと思う人の多くは、ショッキングな出来事や挫折経験を踏み台にしている。己の使命として働き、生きてる。わたしにはそれがない、と。
でも、マイナス経験を求めたところでどうしようもできないことで、いま私にできることは今目の前にあること、見えてる景色、こころの揺れ動きを敏感にさせておくことにほかならない
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全ての人に教育とは?を問いかける本。
子どもたちの好きなこと、今、夢中なことに集中できる環境をつくる、シンプルにそれが人の才能を伸ばしていくことに繋がる。そこに、千住家の方々はいつも夢中に一生懸命だったことが伝わってきます。
みんな才能をもって生まれてきている。それを教育者は、ただ信じるのみ。この本は親子の話だったけど、師弟関係にも当てはまると思います。
千住鎮雄氏の暖かく厚みのある言葉が、たくさん並んでます。
「遊び半分の気持ちならやめろ。何事も真剣にやることが大切なのだから。その結果など問題ではない。」
子育て、教育に興味のある方にお勧めします。 -
苦労話が続くのでさぞや大変だったのかと思ったら慶應幼稚舎の生まれながらのエリート兄弟でした。参考にはならない(笑)一つ学んだのは、親が尊敬出来る教師がいる学校があるということ。今も慶應幼稚舎クラスの学校には、そういう先生いるんだろうか。
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壮絶な戦いの軌跡だった。ここまでしなければならないのか、ここまでしたから千住真理子の今が\あるのか。
千住の父親の考え方に敬服し憧れるとともに、自分にここまでできるのだろうかと思う。それでも、後をを追ってみたい。そんな気にさせる本であった。 -
千住家の教育白書。千住文子先生の著書。子供の教育に悩む全ての保護者や学校関係者にとって役に立つ内容の良書です。全ての子供が千住家の皆さまのようになれるわけではないけれど、千住家の教育から学べることはたくさんある。
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教育白書というより、素敵な家族のドラマチックな愛情の物語。
もちろん子育てをする上で大切な教えが幾つもあったけど。
「心を痛めていたことがある。子供たちの大切な時間を、家のことのために使わせてしまったことだ。」
母親がなくなり夫が病気で入院中で、家族中が猛烈に忙しいという時に、著者が感じていたというこの点が子供を思いやる親として象徴的で一番印象に残った。