出版禁止 死刑囚の歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101207438

作品紹介・あらすじ

千葉県柏市で6歳と4歳の姉弟が誘拐され、無惨な姿で発見された。犯人は死刑判決を受け、やがて刑は執行されたが、最後まで動機は不明だった。事件から22年後。東京都向島で凄惨な一家三人殺傷事件が発生する。殺害されたのはなんと柏の事件の……。共通する手口、戦慄の短歌、消えたM子。本当の鬼畜は誰なのか。虚実が複雑に絡みあい、逆転また逆転そして絶句。あなたは今度も騙される!

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズは一年に一冊は読みたいので、読んでみた。
    ルポタージュ形式で少しずつ少しずつ進んでいくため、探究心がくすぐられてすぐ読み終わりました。
    今回も分からないことが多くずっとずっと不気味な雰囲気が続いていますし、何より背筋が凍るような事件が怖かったです。
    事件の動機、各人物の正体、話の真相がとにかく気になって仕方なかったです。
    ↓以下ネタバレ含みます。






    すみな(誘拐事件で殺された姉)がまさか生きていて、死刑囚の和歌を広めたりしていると知った時には、あぁ成程、成程…と今までの伏線、違和感が繋がって理解できました。
    自力では全然回収しきれないので、考察を見てみると、死刑囚望月の10の和歌に隠された真のメッセージ(全て忘れて、すみな、生きろ)には、切なさと暖かさを感じました。こんな気持ちになるとは読む前には思ってなかったです。
    他にも気づいてなかった真相が沢山あり、読み終わった後も楽しめる作品です。

  • 出版禁止、3冊目を読みました。

    今回のお話は読書途中で、これは伏線って気づくことができました。
    (深読みしすぎる癖をなくしていきたい。。。笑)

  • ルポルタージュ 形式で週刊誌の記事を読むよぅに 読み進め事か出来る。
    バラバラの事件が徐々に一つに繋がってる行く、思いがけず 和歌の知識(入門)も得られる。

    「負の連鎖を絶ち切る」悲しい物語でした…

  • それぞれの取材記事、視点から入ってくる情報から真実は一体何なのかを考えていくところは面白いです。
    少し淡々としているので後半の伏線回収までは長かったかもしれません。

  • とても良く練り込んだ作品という印象。
    虐待の家に一行だけでてきた『妹』にずっと違和感を持って読み進めていたが、なるほどと腑に落ちた。
    この作者の作品はどれも巧妙に組み上げられていて読み応えがあります。

  • すっかりはまった長江作品。
    おもしろかった!
    和歌が全然わからないので、自分で読み取ることはできなかったけれど、色々考察しながら読んだ。

  • 2022.4.12
    前半から、ん?って思うこと多かったのが最後に一気に回収されて気持ちいい。
    この方の他の作品も読んでみたい

  • 正統派ミステリーという感じで長江俊和さんにしては裏があるわけでもなく、気持ち悪さもなく、すらすら読める内容に長江さんファンとしては若干の拍子抜け。
    いちミステリーとしては素晴らしいです。
    最後もしっかり解説してくれて親切。
    読み終わって1日経つと色々と考え始めて、思い返して噛めば噛むほど美味しい本。

    メインの謎は本書で解決ではなく、解明してほしかった。
    でも大きな部分を細かに明かさないっていうのも長江さんらしくていいのかも…。

  • 小説としてのディテールよりもトリックの面白さ優先という印象。自分には合わなかった。
    メインの短歌にしても、いかにもトリックのセットアップという感じがしてノれず、中身も縦読みレベルのギミックで正直期待外れ。
    (他の作者と比べるのは失礼だけど…貴志祐介氏の『梅雨物語』はその点うまく出来てたなと)

    …長江氏のバックグラウンドを考えるに、エンタメ性のあるモキュメンタリーをあらゆる媒体で作ってみたいという意識が強いと思うので、そもそも小説としての完成度を求めるのはお門違いなのかも。

  • 謎が多い、最後まで動機が不明の望月の犯行。
    その事件を追う者、当時のことを知る者。取材記事はすべて真実に近づいているのか、事件を追い続けると対象者の中に嘘、悪意がまた存在する。事件を追う者も、知らず知らずそういった人たちに歪められ、正確な情報を掴めていなかったり…。
    影で動いていた人物は何となくわかったけれど。





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著者プロフィール

1966年大阪府生まれ。映像作家、小説家。深夜番組「放送禁止」を制作、熱狂的なファンを生む。監督として映画化し、上映。2014年、小説『出版禁止』がヒット。著作に『ゴーストシステム』『出版禁止』『掲載禁止』『東京二十三区女』『検索禁止』などがある。

「2023年 『恋愛禁止』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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