カエルの楽園2020 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201931

作品紹介・あらすじ

二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢の翌朝、二匹はなぜか再び平和な地にいた。今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたが、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。しかし、やがて楽園でも病気が広がり始め……。国難を前に迷走する政治やメディアの愚かさを浮き彫りにし、三通りの結末を提示する、警告と希望の書。

感想・レビュー・書評

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  • 会社の上司が
    「まきちゃん、これ読む?」
    と貸してくれた一冊。

    何でもブックオフで手に入れたらしい。

    前作を何年か前に読んでいたので、喜んでお借りすることにした。
    会社に置きっぱなしで、朝の始業前と、昼休みだけで、たった2日で読み終わる薄さだったが、笑えたwww

    この本は前作同様、人間をカエルに例えた日本が舞台の寓話。

    この本はコロナ後の日本が描かれている。

    何ともユーモアで読んでて顔がニヤける場面が多い。

    おっ、これは安倍さんだな?
    おー、これは桜を見る会だな?
    こっちが中国人か!と。

    またカエルの名前も面白い。

    イエストール
    イエス!高須クリニックかよ!!(笑)
    ツーステップ
    二階幹事長かよ!

    サクサクっと読み終わってしまった(笑)

    現実の日本とはちょっと違うが、日本を客観視したら、本当にこんな感じなんだろなーと、色々考えさせられる作品だった。

  • 現在の新型コロナの状況を描いた寓話。

    百田氏の意見が満載だが、至極まっとう。

  • 百田尚樹『カエルの楽園2020』新潮文庫。

    『カエルの楽園』の続編。ネット公開作品に加筆修正を施した完全版。

    相変わらず日本の国政への激しい批判が描かれる。新型コロナウイルス対策への国政の無能ぶりと対策の遅延が露呈したことで、今回はその辺をチクチクとえぐられる。

    国政の水際対策の遅さと杜撰さ、中国の国慶節狙いのインバウンドを優先させたばかりに新型コロナウイルスを流入させた日本。さらには中国から欧州に広がった新型コロナウイルスは凶悪なウイルスに変異し、日本に流入する。馬鹿な政治家はコロナなんぞは風邪やインフルエンザと変わらないなどとほざき、最後まで東京オリンピックは予定通り開催するのだと強情を張ったアホも居た。国政は意味もなく長期間、学校を休みにし、アベノマスクと僅かばかりの給付金をバラまき、ステイホームなどと掛け声をかけて国民に自粛のお願いをするばかり。国政は緊急事態宣言を発動するも、実際の対策は地方自治体に丸投げ。国民は国政よりも地方自治体の首長の方が能力のあることに気付かされる。

    あの悪夢の出来事から一夜明けると、難民アマガエルのソクラテスとロベルトは過去の平和なナパージュに居た。そんな中、ウシガエルの国で原因不明の病気が流行り始め、ナパージュにも病気が広がる。

    終章は3つのパターンが提示される。現実的に日本の新型コロナウイルスは果たしてどのような決着を見るのだろうか。

    ナパージュは日本、ヌマガエルは在日韓国人で、スチームボートがアメリカ人、ウシガエルは中国人なのだろう。そして、ハンドレッドは百田尚樹自身で、プロメテウスは安倍晋三か。水仙の花がマスクらしい。

    本体価格520円
    ★★★★

  • 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。」
    と、誰の目にも留まるように、見開き2ページにこの1行だけ書かれている。
    この文言は、本ではあまり見かけない。
    暗にノンフィクションですよ!と主張しているようにしか読めない。

    この寓話が5月に書かれてから半年経ち現在11月だが、これからが最も要注意の冬に突入する。
    1年間を経験しないとこの病にどう対処するのがベターなのか判断しずらいだろう。

    よく聞く言葉「危機的な状況の時こそ、指導者の本当の能力がわかる。」が本書にも出てきた。
    既に、プロメテウスは自ら退いたが、危機的な状況がぶり返してきた今、ツーステップに背中を押された後任の指導者も何ら打つ手を繰り出せないでいる。

    西の国のカエルたちや、ナパージュと時期を同じくしてトップ交代のスチームボートも再び大きな危機を迎えている。
    この時期がチャンスと元気なウシガエルは好き勝手な行動に出ている。

    ハンドレッドが言っているとおり、この物語はまだ序章なのでしょうが、序章で終わり、続きは現実が引き継ぎます。
    根拠なき思いつきの言動も困りますが、信頼感に乏しい指導者の元、ナパージュはなるようにしかならないのでしょうか。

  • 前回のカエルの楽園とは少し環境が違う、コロナの時代のカエルたちの話。
    過剰な表現ではないかと思う自分は、ナパージュに住む平和ボケしたカエルの一匹なんだろうな。
    極端な言い方ではあるとは思うけど、納得する部分も多くある。
    ちゃんと自分の意見を持つこと、テレビ等の宣伝に対して裏付けを取らずに盲信しないこと、周囲に流されずに主張をすること。
    難しいけどそうしないと、少なくとも良い方にはいかないなと思う。

  • 「カエルの楽園」は未読。あの帯を見てこのコロナ禍であれば手にとらずにはいられませんよね。登場人物(あっ、カエル笑)の名前にも全て意味があるんでしょうね。最初はそれを意識しながら読み進めてたんだけど、なかなか進まないから後回しに笑 再度じっくり考えてみたいところ。今もまさに感染者は増え続けてるけど、どの立場にたつかで全て間違ってないともいえる状況なのかなとも思える。それを客観的見れるかどうか、中・長期的に考えるべきだけど、目の前のことも無視できない。本当に難しいんだけど、決断は随所に必要だよね。

  • 2016年の作品「カエルの楽園」の続編。
    新型コロナウイルス禍の中で、国の指導者は、国民は、どう考えどう行動をするのか。
    寓話の形だとこんなにイメージしやすく、愚かさや皮肉がすんなり受け入れられてしまう不思議。
    最適解を求める一助になるかもしれない、一冊。

  • 今まさに。。。。
    新型コロナウイルスでの政府等の対応を含めた話がカエルに置き換えられて描かれていますね。
    この先見える未来は今ははっきりわかるものではないですが,このレビューが後々見た時にこんな思いや出来事あったなーなつかしい!といい意味での未来になるように期待したいです。

  • カエルの楽園の続編
    前作同様、寓話という形のハンドレッド(百田さん)の主張
    本作では、コロナに対する政府、メディア、国民に対する警告となっています。

    ナパージュのパラレルワールドとして設定
    二匹のアマガエルがたどり着いたナパージュは悲劇的な結末にはなっておらず、平和な地になっていました。
    さらにウシガエルとも共存する世界。
    しかし、ウシガエルの国で発生した「あたらしい病気」
    この病気の対応を巡り、ナパージュのカエルたちの混乱ぶりが語られています。

    プロメテウス(安倍首相)の対応
    それに対するデイブレイク(朝日新聞)やマイク(マスコミ)の反応
    ウシガエル(中国)からのハエ(お金)を頼りにしている経済構造
    エコノミン(経済学者)たちの声
    ディーアール(Dr、医者)たちの声
    などなど

    面白いネーミングでは
    イエストール 高須先生 
    ツーステップ 二階幹事長 
    バードテイク 石破(なんでだろ)

    ある意味、昨年の政府の対応を振り返ることもできます。

    ポストコロナの世界がどうなるか
    この事態が早く収束することを祈るばかりです!

  • コロナ禍の現状、現実に起きていることを寓話にした本。なぜ現代、現実を寓話にしたのか?
    作者あとがきにあるとおり、現代社会をカエルの世界に置き換えることにより、見えてくるものがあるのではないかとの考えから、寓話にしたとのこと。

    確かに寓話にすることにより、物事がシンプルになり分かりやすくなる。
    自分がこの本の登場人物なら、ただ騒いで右往左往するたんなるカエルだが、きちんと情報を取捨選択して判断できるカエルになりたいと思った。

    エンディングがバットエンディング、リアルエンディング、グッドエンディングと書かれているが、バットエンディングにだけはならないで欲しい。

    この本、今読んでも面白いという本ではないかもしれないが、将来10年後20年後に読んでみたら面白いかもしれない。

    追記
    面白い本ではないというのは笑えない本という意味です。虚構ではなく現実ですのでね。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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