- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101200460
作品紹介・あらすじ
目指すゴールは160キロ先! 己の極限に挑む世界最高峰レースがいま始まる。不眠不休は当たり前。モンブラン山群に立ち向かう地獄の苦しみが、いつしか最高の喜びへと変わる。学生時代は箱根駅伝を目指すも故障で挫折。その後、28歳でトレイルランと出会い、45歳を過ぎても走り続ける国内第一人者のランナーが明かす究極のマラソン。『アルプスを越えろ! 激走100マイル』改題。
感想・レビュー・書評
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トレランを始めて1年。自分の能力を超えた下りのエクストリーム感。その魅力に痺れてハマってしまった。鏑木さんもトレランに魅入られたきっかけの一つとしてスキーやスノーボード、サーフィンに似た下りの陶酔感を挙げていた。なんだかとても嬉しくて一気に読了。恐ろしいまでのストイックさは到底真似できないけど笑
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鏑木毅(1968年~)氏は、日本のトレイルランニング競技の第一人者。早大教育学部在学中は競走部に在籍し、箱根駅伝出場を目指したが果たせずに、群馬県庁に就職。1997年(28歳)の山田昇記念杯登山競争大会で初出場・初優勝をしたことを機に、トレイルランニングに本格的に取り組み、山田昇記念杯登山競争大会で7連覇(1997~2003年)、北丹沢12時間山岳耐久レースで2連覇(2002~03年)/4度の優勝、富士登山競走で2連覇(2002~03年)/3度の優勝。2007年から世界最高峰の100マイルレースであるウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)に参加し、2007年12位、2008年4位、2009年3位(日本人過去最高位。この年からプロのトレイルランナーとなり、本大会はNHKのドキュメンタリー番組「激走モンブラン!—166㎞山岳レース」として放送された)、2011年7位、2012年10位。また、2012年に、日本初の100マイルレースとなるウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)を、UTMBの姉妹レースとして、実行委員長の立場で開催した。
本書は、上記のような鏑木氏の半生を振り返り、『アルプスを越えろ!激走100マイル』として2013年に出版された自著で、2015年に改題し文庫化された。
私は、(おそらく)上記のNHKの番組を見ていて、また、トレイルランをやっている会社の同僚が過去にいた(今思い出すと、富士山の周りを走ると言っていたので、UTMFに参加していたのだろう)し、最近、鏑木氏が日経新聞に連載しているコラムも読んでいるので、トレイルランについてある程度は知っていたが、本書には、トレイルランの過酷さを再認識させられ、更に、それに対する鏑木氏の情熱に引き込まれて、一気に読んでしまった。特に、日本にも世界に認められる100マイルレースを作ろうとして、UTMFの開催に向けて奔走した件は、とても興味深く読んだ。
一方で、私は、一流アスリートのことを、ややもすれば偉人のように扱い、生き方の手本のようにする日本の風潮は好きではないので(欧米では、一流アスリートについて、選手としての優秀さは認めても、生き方が優れていると考えることはない)、本書についても、鏑木氏のトレイルランに対する情熱を最大限リスペクトするのは言うまでもないが、あくまでも、ひとつのドキュメンタリー/ノンフィクションとして楽しんだ。
本書を読んで、自分もトレイルランニングをやってみようとはなかなか思えないが、こんなスポーツ、こんな楽しみ、そして何より、こんな世界があることを教えてくれる一冊とは言えるだろう。
(2022年10月了) -
ある年齢を超えて、
競技スポーツを続けている人のメンタルを知りたくなって、
購入しました。
突然ですが、誰もが、老いを経験します。
それは、見た目からなのか、気持ちなのか、ひとそれぞれですが、
老いとは、避けられないものです。
その点、40代で、トレイルランの第一線で活躍していた著者の経験談は、
老いを、トップアスリートは、どう受けとめて、どう付き合ったかを、
考える上で、非常に参考になりました。
結論から言えば、好きだったからでしょう。
トレイルランが、ただ好きだったという、素朴なソリューションです。
どんな競技をやっても、必ず、能力の限界にぶち当たり、成績は落ちます。
これは、トップアスリートだろうが、アマチュアだろうが、例外なくそうです。
そこで、もがき苦しみ、どうにかして、老いからくる衰えを越えようとしますが、
そう簡単には克服することはできません。
そして、もがき苦しんでいくうえで、タイムや成績だけではない何かに価値を置くようになります。
著者も、そのように語ってると思います。
それは、一つのスポーツ種目にも、様々な視点があることを教えてくれます。
私は水泳が好きで、20年近く続けていますが、タイムが伸びることは、もうないだろう思っています。
よくて、現状維持です。
その状態を感じた時、老いをリアルに感じ、ショックでした。
しかし、フォームの美しさの追及であったり、自分の今の状態を知ることであったり、
はたまた、プールが人間観察や社交の場であったり、練習メニューを工夫して、トレーニング内容自体を、
自分の想像力で組み立てたり、人に教えたり、ストレス解消であったり、考えごとをしたり、
何も考えない状態をつくってくれたり、無限のやることを水泳は、教えてくれます。
これは、人間が避けられない老いに関しても、様々な見方ができるようになることを教えてくれます。
一日一日を、以前よりもまして、充実して生きようとか、
あった人、あった人に、縁を感じるようになったり、
泳ぐ時の1時間が、かけがえのないものに感じたりと、
若い時には、絶対に思えないだろう見方を獲得できるようになってきました。
著者も、競技者から、極限トレイルの運営側、魅力を伝える側に、
劇的にチェンジしていますが、その原動力は、トレイルで、培った、多くの見方だと思います。
何事も続けると、良いことがあるとは、一概に言えませんが、
多くの価値ある見方を教えてくれるのは、間違いありません。
それが、老いを受け入れるベターな方法かもしれません。 -
うん面白かった。と言っても100マイル走りたいとかちっとも思わないんだけど。山走るのって最高に楽しいよね。思い立ったら10分でトレイル走れる環境にいるのが幸せだなーって思った。鏑木氏は桐生の人みたいで、俺も桐生生まれだからなんか好感持ちました。でもさ、体脂肪からエネルギーを取り出す体ってどうすればいいんですか?
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2016 7 18
18冊 -
変態(笑)でも面白かった。
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みどちんさんからのオススメ❗
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凄いわ、100マイルは難しいけど30kmを次は目指そう。
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よく読むと、勝ちにこだわるランナーの自慢話オンパレードのような気もするのだが、少なくとも写真に写る著者は、すごくカッコイイ。