- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181431
作品紹介・あらすじ
地中海はインターネットでは絶対にわからない。陽光を浴び、風に吹かれ、大気を胸深く吸う必要がある──。単身ヨーロッパに渡り、思わぬきっかけで作家デビューを果たして半世紀。歴史的大ヒット作となった『ローマ人の物語』誕生秘話から、日々の暮らし・ライフスタイル、忘れがたき友人たちへの想い、遥かな地より祖国に宛てた手紙、仕事術まで。折々に綴った珠玉のエッセイ、その集大成。
感想・レビュー・書評
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タイトルがとてもぴったりで惚れ惚れしてしまいました。1970年代から2010年代まで、あちこちの雑誌に載りながらどの本にも収録されてこなかった作品を集めた、歴史小説家の塩野七生さんのエッセイ集。
部分的にでも、憧れの人の50年の軌跡を一冊で感じ取れるとは、なんとも幸せ。
あらかじめテーマに沿って書いたり集めたりしたものではなく、寄せ集めという「雑多性」のおかげで、却って、塩野さんという人となりがよくわかる、というか、彼女を形作る要素がたくさん載っている気がしました。
ヨーロッパを舞台にした歴史小説家で、映画が好きで、イタリアに長く住んで、身の回りの人たちとのどんな会話が印象に残っていたのか、かつてはどんな生活をしていたのか、シニカルな面を持っていて、色々と譲れないこだわりや好きなものをたくさん持っていて…。
個人的には、黒澤明、ルキノ・ヴィスコンティ、フェデリコ・フェリーニなど、彼女が好きな数々の映画監督について語っていた文章群がとても楽しく読めました。特に、ヴィスコンティとは買い物に同行する中だったようで…。美学を持つもの同士の居心地の良さみたいなものがみたいなものがきっとあるんだなあ、となんか妙に感心。
本当に幅広い時期の文章が収められており、初出の年も載っているので、ファンなら例えば、『「ローマ人の物語」を書いているときはあんなこと考えてたんだな』みたいな裏側もわかってとても楽しくお得な一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常に含蓄のある本です。
私は気に入りました❗