ビロウな話で恐縮です日記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167640

作品紹介・あらすじ

日記。それは自意識との戦いであり、記録に対する人間の執念であり、己の欲望の表明である──。弟に罵られ、母とケンカ、父の独り言を聞き流し、祖母とテレビ談議に花を咲かす。オタク仲間と萌え果たし、海賊になった夢を見る。山積みの仕事は捗らずとも、山盛りの趣味は無限に順調だ。妄想力の申し子にかかれば日常が一大スペクタクルへ! 豪華脚注と最新日記も収録した爆笑エッセイ誕生。

感想・レビュー・書評

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  • またまた登場、よしながふみ!
    今回の推しは 『フラワー・オブ・ライフ』 だ。
    ほかにも、三宅乱丈の『イムリ』、西田東の『天使のうた』、杉本亜未『ファンタジウム』など、日記が漫画の紹介にもなってる。
    三浦しをんさんのように怒涛の勢いで漫画を読みふけることはできないので、今回の推しはパスすることにする。

    「つきあいたい」好きと、「男だったら、こうなりたい」好きについてイロイロと考えていて、なるほどなあと思った。
    しをんさんのご指摘のとおり、男である私は「女だったら、こうなりたい」という視点では女性を見ていないことに気づいた。
    女優、歌手、スポーツ選手、芸術家、アナウンサー、と数多くの女性を(主にテレビで)目にしていて好きな人が沢山いる。
    めったにこんなことは考えないので、代表として二人ずつ選んでみた。
    ・「女だったら、こうなりたい」好きは、 綾瀬はるか 望月理恵 … 何でもうまくこなし、こうはなれそうにないと感じる。
    ・「つきあいたい」好きは、 狩野恵里 小泉今日子 … どこか不器用そうだけど一所懸命に生きていて、気持ちが素直に行動として現れる感じに魅かれる。
    考えている時に普段から「いい娘だな」と思っていて頭にすぐ浮かんだのは、 芦田愛菜 上白石萌音 田中瞳 (若すぎるのでこの2択からは外した)

    さて、最近ちゃんとしたレビューを書いていない気がするが、今回もこのエッセイのレビューになっていないな。
    「たくる」から始まる小田原の方言の話とか、
    「お昼」とは言うのに「お朝」「お夜」とは言わないことから、「お」や「ご」の付け方の法則を考えるとか、
    時々現れる「言葉」に関する考察は鋭いなーと感心する。

    今回なるほどと思った箴言(しんげん:教訓の意をもつ短い句。戒めとなる言葉。)を紹介しておこう。
    三浦しをんさんが母親と喧嘩をして確信したことらしい。
    「人間は相手に対して、心にもない『いい事』(つまりお世辞)を言うことはできるが、心にもない『悪い事』を言うことはほとんど不可能だ。
    悪口、ののしり等は、常日頃、心の中で思っているから口から出るのである」

    まあ、大部分はときどき自虐ネタを家族や友達との会話に絡ませて、日常の普通の出来事を面白おかしく書いているのだが、つまらん漫才よりもずっと出来がいいと思う。
    本書も十分に楽しめました。

  • 太田出版から出ていた単行本も読んでいたのですが、文庫になったということで3回目の再読です。
    しをんちゃん自身がつけている脚注がおもしろいのですが、文庫になって脚注も少し追加されているのが嬉しいです。

    本書はインターネット上で公開していた日記をまとめた1冊。
    あいかわらず好きなことへの情熱過多な日常生活をにまにましながら読みました。
    3回目にも関わらず、もれなく「しばしば白目になって、苦しい胸の内を独白する」という脚注に爆笑。(『ガラスの仮面』の登場人物・速水真澄についての脚注です)

    日常生活と対照的な「こんな夢を見た」というタイトルのしをんちゃんの見た夢シリーズがとても好み。
    おかしなシチュエーションだったり、現実の一部が大きく歪んでいるような夢の数々は、惹きつけられる不気味さがあります。
    このしをんちゃんの夢シリーズを集めた本が出ないかな…と思うくらい癖になってしまいました。
    特に、人間のしをんちゃんとハードボイルドな風味漂う猫のブチャイクとの恋は、映画のクライマックスのよう!

  • ゆるゆると読めてフフフと笑える日記。漫画やドラマを存分に楽しんでおられて、羨ましい!仕事に追われて悲鳴を上げている日も多数あるけれど、好きなことに囲まれて生きているって、いちばんの活力だよね、と常に本に囲まれている(というか、自ら囲んでいる)私は、強く共感しながら読んだ。
    言葉に対する考察も作家ならではの感じがあって、面白い。

  • ネット連載時に読んでいたのだが、あれから10年以上がたっているのか…怖ろしや。

    初期の頃のエッセイと比べると、多少落ち着いた感があるような気がするが、やっぱりBLにまみれた日々。
    お馴染みの友人たちとのオタクトークも楽しい。

    ストーリーを考える人の夢は、なんだか一味違うなぁ。
    などと感心してみたり。

    爆笑しつつも、ときに文学的なオチが付いたりして
    やはるりこの人は凄いなぁ。

  • 単純に面白い、だけでなく、ふと考えさせられる内容と、この比喩とか表現秀逸すぎる、ってきう発見が多くて、改めて三浦しをんのエッセイは私にとってバイブルであり辞書にもなる、と思った次第。

    作家が書く異性はドリーム、っていうネタ
    荷物の山をバーナムの森と例えるセンス。ここでシェイクスピアだす?
    あとはブラッケスト•マーライオン。お見事です。

    2023.6.27
    105

  • 著者が2007~8年頃(?)にインターネット上に綴った日記を収録したもの。

    相変わらずオタッキーぶり全開の日記の数々。中でも、「こんな夢を見た」シリーズが凄い。小説にしてほしいくらい不思議で魅力的なエピソードの数々。それにしても、ディテールを鮮明によく覚えているよなあ。凄いぞ、三浦しをん!(著者のエッセー風に)

    夢といえば、本を読んでいてそのまま寝てしまった時、夢の中で続きを読んでいることがある。もちろん、内容は目覚めた瞬間にほとんど忘れてしまうのだが…。自分にとっての不思議体験、思い出したのでついでに書いてみた。

  • しをんさん大好きだ!やはり…お友だちになりたい…。
    身近にいたら、ふとしたタイミングで連絡とりたい。毎日じゃなくていいから。
    お風呂に入らなくてもいいけど、それ書いちゃうあたりが大好きです(笑)

  • 日記。それは自意識との戦いであり、記録に対する人間の執念であり、己の欲望の表明である―。弟に罵られ、母とケンカ、父の独り言を聞き流し、祖母とテレビ談議に花を咲かす。オタク仲間と萌え果たし、海賊になった夢を見る。山積みの仕事は捗らずとも、山盛りの趣味は無限に順調だ。妄想力の申し子にかかれば日常が一大スペクタクルへ!豪華脚注と最新日記も収録した爆笑エッセイ誕生。

    「こんな夢を見た」、こんなシュールな夢、見たことない。さすがです。

  • もっと書かれてすぐの時期に読んでしたら良かった。
    後悔後悔。
    テンポが、良くて、内容がそれなりにわかるネタが多くて、楽しめました。
    あー、お風呂そんなマメに入らなくてもいいのか、などと考えたら悪影響を疑うわ。
    とりあえずおもしろかった。

  • 三浦しをんの日記。三浦しをんのエッセイが昔から大好きすぎるので迷わず購入、そして読了。
    相変わらず面白いです。特に今回は日記なので、日常のあれやこれやについて、時にはさらっと、時には熱く語ってくれている。私は特におばあさまとの話が好き。
    楽しい笑えるものを読むたいときにすご〜くおすすめ。所々三浦しをんの作家としての凄さも垣間見える。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

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