堀部安兵衛(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156804

感想・レビュー・書評

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  • 2019年10月16日、読み始め。

    実在した登場人物である、細井広沢を調べておく。

    細井 広沢 (ほそい こうたく、万治元年10月8日(1658年11月3日) - 享保20年12月23日(1736年2月4日))は、江戸時代中期の儒学者・書家・篆刻家。

  • 彼にお気に入りの一冊を貸してと言ったらこれだった。彼そのものといった内容と主人公だった。
    恋愛に左右されながら武士として剣術を極める主人公安兵衛。女を取り合って斬り合うなんて。中学生の頃の女子の喧嘩はほとんどが男子絡みだと呆れていたけど、いまの中学生に負けず劣らず恋愛に左右される武士たち。
    恋愛観だけではなくて、潔い諦めの良さや男らしさや礼儀も、まさに彼らしいと思った。

    好きな本を聞くのが、相手を知る一番の近道だと実感。

  • 初池波さん。あまりにも一途過ぎる生き方が不器用にも見えるし羨ましくもある。この人が仮に吉良家に仕えていたらどう動いただろう。

  • 名前は知っていたが、なにやった人かわからずにいた。
    あー高田馬場の人だったのか。

    巨匠池波作品なので、面白くないわけがない。
    あっちゅうまに読み終わった。
    時代劇ファンにはおすすめ。

  • #読了 高田馬場の決闘や忠臣蔵で有名な堀部安兵衛。正直人となりというか、生い立ちなどは全然知らなくて、越後新発田の人というのも知らなかった。
    父の不審な死、出奔、一人の女を巡っての因縁。
    その間にあらゆる人と出会って、中山安兵衛が堀部安兵衛に着々と近づいていくのがわかる。
    忠臣蔵の小説じゃないから当然なんだけど、上巻では忠臣蔵どころか"堀部"安兵衛も高田馬場の決闘も登場しないのが面白い。

  • 厳格な父の突然の死により、波乱万丈の人生が動き出した。命の恩人に命を狙われたりなど、様々な人々とのやり取りがハラハラ、ドキドキ。人生は人との出会いか。

  • 上巻では、まだ本来の姓である中山を名乗る安兵衛。越後・新発田で、戦国時代の威風辺りを払う父を失い、気持ちの赴くままに国を捨て、様々な苦労を重ねた安兵衛。男装の麗人・伊佐子の登場は『剣客商売』の佐々木三冬を彷彿とさせ、思わずニヤリ。大石内蔵助との出会いもさり気なく描かれている。故国出奔を許されて後の安兵衛の成長していく過程も楽しめた。

  • <上下巻を通してのレビュー>

    十四歳の春、越後・新発田藩の家来中山弥次右衛門の一人息子、安兵衛は、行きずりの山伏に「いまの世に剣をとって進むとき、おそらく安兵衛は短命であとう」と断言される。
    泰平の世に厳しい剣術の鍛錬を強いる父を憎んですらいた彼は、もとより力による争いごとより学問を好んでいた。
    が、濡れ衣による父の非業の自死を見届けた瞬間から、「短命」への歯車は、静かに回りはじめた。


    堀部安兵衛といえば真っ先に浮かぶのが「忠臣蔵」でしょう。
    年末になると必ずといっていいほど、毎年のように放映されていましたが、
    一番思いいれのある堀部安兵衛が出てきたのは、1996年の忠臣蔵(堀部安兵衛…世良公則)です。

    世は元禄、武士が本来の武士ではなくなりつつある泰平の世。
    その時代に「主君の仇討ち」で有名だったのが元禄赤穂事件です。
    様々な魅力的な人との出会いがあり、赤穂浅野家の家臣となった堀部安兵衛。
    赤穂事件の前にも、養父の仇討ちである高田の馬場での決闘もあり、その名は世に轟いていました。
    各藩がこぞって、安兵衛を家臣に召抱えたいというなかで、赤穂浅野家の家臣となり堀部家に養子に入ったのも、まさに赤穂事件のためであるとしか思えません。

    読めば読むほど肩入れしてしまう。堀部安兵衛という人物に惚れてしまう、そんな一冊です。

  • 越後・新発田藩の家来中山弥次右衛門の一人息子に生まれた安兵衛、非業の死を遂げた父の姿を見届けた瞬間から彼の人生の歯車が死に向かいゆっくり回り始めた。

  • 下巻にて。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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