遠野物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101047065

作品紹介・あらすじ

日本民俗学のメッカ遠野郷は現在の岩手県遠野市周辺にあたる。その遠野地方に、今なお語り伝えられている民間信仰や異聞怪談の数々。山の神、山女、雪女、天狗、川童、オシラサマ、オクナイサマ、ザシキワラシ……。これらを採集整理し、流麗な文体で綴った本書は、柳田国男の愛と情熱が行間にあふれる民俗洞察の名著である。山本健吉、吉本隆明、三島由紀夫の三氏による解説を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 柳田国男による岩手県遠野地方の説話集。
    「平地人を戦慄せしめよ」という序文を全く覚えていなかったので、通読は初めてと思います。
    民間信仰・異聞怪談を、遠野出身の佐々木氏より聞いた上で、自らのその地を訪れている。各説話の主人公になる人や場所をできる限り特定している。そこが具体的になっているので、神や死、怪談等が日常生活に身近なものとして現在も存在していると思わせる。最近では、民話の故郷として町おこしに活用されたりしているようです。そうなると、昔話といった感覚になっていくように思います。
    明治三陸大津波で亡くなった妻と再会する夫の話が、印象的でした。出会った妻は、結婚する前好きだった別の男と一緒にいました。これからは、この人とと言って去っていきます。これについては、テキストでは、妻の死を受け止めて、心の復興に結びつけるというような解説でした。子供も捨てて別の男の所へ行くのは死んでいるからだという事でしょうか。
    他、山村の村に目の色が違う人、山の民とまるで螺旋プロジェクトのような話や赤ずきんちゃんのような話、生霊、神隠しと盛りだくさん。

    • hiromida2さん
      おびのりさん、分かります(o≧︎∀︎≦︎o)ノ
      私も盆と正月って〜(´・з・`)嫌いだった。
      手抜き!平常が一番ですよ。ダラリ(´-ωก`...
      おびのりさん、分かります(o≧︎∀︎≦︎o)ノ
      私も盆と正月って〜(´・з・`)嫌いだった。
      手抜き!平常が一番ですよ。ダラリ(´-ωก`)
      芥川の河童のヒント‼︎おおっ(*‘ω’ *)
      いつも色々勉強になります•̑‧̮•̑!
      今年もサクサク読む予定って…
      もうサクサクしてるじゃないですか⍢⃝︎
      ホントに尊敬します⭐︎私はおびのりさんのレビューを
      今年もサクサク読む予定です♪
      2023/01/04
    • おびのりさん
      こんばんは。hiromida 2さん、もう1週間以上前から、買い物と掃除。平穏な時間を過ごせるか緊張してくるんですよ。緊張すると、失敗するし...
      こんばんは。hiromida 2さん、もう1週間以上前から、買い物と掃除。平穏な時間を過ごせるか緊張してくるんですよ。緊張すると、失敗するし。料理得意でないのに、いつもの量と違う人数分作ると、味わかんなくなっちゃうし。それでも、今年からやらないって決めたので、少し気が楽になってきたけど。
      お正月の団欒状況で、幸せ度とか測れそう。

      少しは、痛み引いてきたかなあ。せめて、痛みの少ない一年になりますように。
      2023/01/05
    • hiromida2さん
      おびのりさん、こんばんは。
      年明けは平穏な時間を過ごせましたか?
      掃除、買物、料理…と家事は大変(!?*0*)
      人数多いと確かに量や味分から...
      おびのりさん、こんばんは。
      年明けは平穏な時間を過ごせましたか?
      掃除、買物、料理…と家事は大変(!?*0*)
      人数多いと確かに量や味分からなくなってしまう。
      必死にやっても意外と有り難がられない(・・;)
      私は主人と二人なので、超適当!好きなものを食べる
      お餅好きの主人の為にお雑煮は毎日作ってましたが…
      お正月の団欒っていつのことだろう(⌓︎⍢︎⌓︎〣)
      上げ膳据え膳の子どもの時くらいか?
      そろそろ、痛みも引く頃かと思ってたら、
      酷くなる一方( ・᷄-・᷅ )やれやれ。
      掃除も料理も全くの手抜きでダラダラ…
      これぞ寝正月!と言いたいところだけど(-。-;
      お互い無理せずに穏やかな年になりますように•*¨*•.¸¸♬︎
      2023/01/07
  • 遠野市に行く機会があったので購入。本編は文語体だが読む前に想像していたよりも読みやすい。また、後々への影響の大きさからは想像できないほど、本編の内容は意外にも単純であっさりしている。本書の本編より解説や後書きの方がダラダラと長い構成はちょっと残念。

  • 学生の時、学校で読んだ「遠野物語」が忘れられなくて買いました。やっぱり自分の手元に1冊でも持っておくべき作品だと思います。

  •  鬼やら天狗やら妖怪やら伝承に興味があったので、読みました。読みましたが、素人の自分にはそこから先の深い考察が出来ないどころか、旧仮名遣い等も上手く読めず、水木しげるさんのマンガも活用しながら読み進めました。
     説話集としては面白いと同時に、読んでいると悦に浸れるといいますか、そんな感じでした。遠野物語の解説をしてくれる本を買って、読み解きながら読んで行く方がいいかもしれません。

  • NHKカルチャーラジオを聴いて興味を持ち読んだ。柳田國男に関しての研究が多く、またこの文庫に掲出の解説ではその文体をも賞賛しているのだが、果たしてそのすばらしさが伝わってこない。まだまだ未熟者である。2021.1.16

  • この本を開くたび、遠野の風景が浮かぶ。
    田舎の風習、盆地に生きる人々の姿、そして明治に入っても残る山男や座敷童子の存在、自然の脅威を知るが故に当たり前のようにそれらを信じる日本人の思考。
    行ったことのない地の名に懐かしさを覚え、懐かしさ故に切なさすらも覚える。
    それが『遠野物語』である。

  • テレビの番組であったり、何かの文章の中で度々目にし耳にしてきた「遠野物語」をやっと読む。
    全ページの半分近くが「遠野物語」そのもので、残りは山本健吉、吉本隆明、三島由紀夫の解説が占める。ドキッとする印象的な場面もあったが、淡々と伝承が続くばかりで少々退屈した。三人による解説で肉付けされて、やっと伝承の意味、その中の小説、柳田国男の文章力に気づかされた。1910年 35歳の時に書かれた「遠野物語」が今も読み継がれている理由が少しわかった。

  • 独特の世界観で 慣れるのに少し時間がかかった。解説を読んで そんなに考察を深められるのかと 自分の浅い読み方を痛感。

  • 正直よくわからなかったというのが率直な感想だ。
    しかし、巻末に豊富に設けられた解説を読む事で、この小説の意図している事は理解出来た。
    内容はおよそ事実とは思えないような幻想的な内容であるのに、まるで筆者が体験したかのように事実体で書かれているというのが面白いと思った。

  • 言わずと知れた日本民俗学の開拓者である柳田国男さんの、遠野地方に伝わる伝承をまとめたもの。
    明治42年より収集し始め、翌年に『遠野物語』として出版されているようだが、119のごく短い物語とは言え、当時の言葉で書かれているので、なかなか理解するのにはてこずる。
    しかし当時の文化や生活感が感じられ、親しみを覚えた。

    『遠野物語』には山の神、里の神、家の神、山人、山女、雪女、河童、猿・犬の妖怪などについての怪異な話が豊富で、勿論現実のものとは思えないが、どこどこの誰某が経験したと言う具体性もあり、興味をひく。

    経験談や親から聞いたと言うのであれば、江戸末期から明治初期にかけてのことだと思うが、その時代背景はどうだったんだろう。
    江戸(東京)から離れ、アイヌの文化も残っていただろうし、冬は寒く食べ物にも困る環境で、仲間意識の醸成が大切で、はみ出ることをした時の戒めも、このような伝承に残っているのかもしれない。

    今では時代も移り違う風景になっているとは思うが、懐かしみを感じるし、是非訪れたい気持ちにさせてくれた。

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著者プロフィール

1875年生。民俗学者。『遠野物語』『海上の道』などの著作により民俗学の確立に尽力した。1962年没。

「2022年 『沖縄文化論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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