くるりのこと (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101013718

作品紹介・あらすじ

くるり――音楽シーンに大きな足跡を残し、現在も音楽の可能性を追求し続ける、唯一無二のロック・バンド。音楽ジャーナリスト・宇野維正のロング・インタヴューに応え、彼らがこれまでの軌跡を語り尽くした。岸田繁と佐藤征史の出会い、メジャー・デビューの経緯、バンド活動の変遷などを含めたさまざまな出来事とその真相。これまで発表してきた全アルバムの制作秘話も収録。1996年に京都の立命館大学のサークル「ロック・コミューン」にて結成、デビュー直後から名曲を連発して音楽ファンのハートをつかみ、20年を越える歳月に鍛えられたくるりの、栄光、苦悩、未来――そのすべてがここにある。岸田、佐藤、ファンファンへの新たな取材を加えた、決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなバンド。これまでバンドとして様々な変化が起きていて、その変化の理由を知ることができる。どの理由も想像とは違った現実的で、かつ人間らしい。カッコいいものはあまり多くないが、それこそがくるりらしく、苦悩のもとで活動を続けて曲を産み出している点から、より彼らの作品や人間への共感を強めることになった。この本をもってその当時の作品を改めて聞き返すとまた味わい深い。

  • くるりのこれまでを岸田さん、佐藤さん、ファンファンさんが語る。

    立命館高校での出会いや、バンドを始めた頃の話、アルバム制作で苦悩した思い出話は大変興味深い。
    岸田さんと佐藤さんが喧嘩して口も聞かなかった『TEAM ROCK』のツアー中に、向井秀徳氏が何度もやってきてワンダーフォーゲルをキーを上げて歌っていたエピソードが最高に面白かった。

    自分がくるりを知ったのは中学生のときだ。スーパーの2階のTSUTAYAで『ワールズエンド・スーパーノヴァ』のシングルCDを買った。黄色いジャケットにオウムみたいな鳥の絵が描いてあった。そのTSUTAYAはもうなくなった。

    よくわからないけど、くるりはかっこよかった。その後、高校3年の冬に始めた居酒屋のバイトで、先輩にくるり、スーパーカー、ナンバーガールのかっこよさを具体的に教えてもらった。その居酒屋ももうなくなった。

    大きなフェスでくるりのステージを観たこともある。小さなライブハウスで彼らの演奏を観たこともある。Tシャツにサインをもらったこともある。一緒にライブを観ていた友人にも最近会っていない。元気でやっていればいいな。

    月日は色んなことを変えていく。TSUTAYAも居酒屋もなくなるし、遊んでいた友人とも会わなくなる。くるりはアルバムごとに雰囲気が変わる。
    どのアルバムのくるりもかっこよくて、変わることはわるいことじゃないんだなって思う。

    2014年4月の日本武道館、私立恵比寿中学のライブが始まる直前、くるりの『ワールズエンド・スーパーノヴァ』が流れた。

    ”いつまでもこのままでいい それは噓 間違ってる”

    それは私立恵比寿中学から転校(脱退)する3人のメンバーを送り出すライブだった。このままじゃいられないし、みんな変わっていくんだな、と思ったことを覚えている。

    くるり『 ワールズエンド・スーパーノヴァ』
    https://www.youtube.com/watch?v=iDWcnS2ojRw

  • くるり をはじめて聞いたのはたしか2004年、高校3年性の時。(時効だと思って書くが)当時隆盛極めたP2Pソフトでたまたま誤配されてきた「リボルバー」を聴いたのが最初。

    そこから5th「アンテナ」を買って「ロックンロール」を聴き「これは座右の一曲だ!」とリフをひたすら練習してコピーバンド「ぴゅるり」を結成(すぐ解散)。連鎖的に過去のアルバムを買いあさり、今でもリリースと同時にアルバムは買っている。

    「なんで好きやねん」と聞かれると、もはやよく分からなくなってきているが、なんとなーくあのいけてない風態に親近感を覚えつつ、音楽も変わっているけど別にインテリっぽくもなく、どこか郷愁を誘うメロディと歌詞……最終的にはやっぱり京都だからひいきしてしまうのだろう。

    本書であらためてバンドの歴史を追ってみると、大学生気分を引きずったイケてないおじさんの躁鬱音楽人生に、いろんな人が出たり入ったりして、とても人間くさい。

    最近の曲はポップに聞こえて、岸田繁曰く音楽的/音響的に相当作り込まれているようで、確かにどうも安易にコピーできる感じもない。近作だと「忘れないように」がお気に入り。

     YouTube|くるり - 忘れないように
     https://www.youtube.com/watch?v=wt912meIWxY

    今でもギターを手にとれば「東京」や「ロックンロール」のリフを弾いてしまうし、ちょっと嫌なことがあったり、人生に迷うことがあるとよく「宿はなし」や「ハイウェイ」を歌う。

    くるりがこれからどうなっていくつもりなのかさっぱり分からないが、大事なバンドであり続けると思う。いつも勇気をくれるのは、あのうまいんだか下手なのか分からないけれど自由な歌声と、後ろでそれ支えるメロディックなベースライン。

    ありがとう、くるり 。いい本でした。またライブに行きたい

  • 単行本刊行時には産休中だったファンファンが戻ってきて文庫本には3人のインタビュー収録。くるりのこれまでがよくわかりこれからが楽しみになる一冊。

  • 宇野さんの「小沢健二の帰還」や「1998年の宇多田ヒカル」で描かれた対象と違って、くるりはメジャーデビュー後は(ディープファンとは言えないけど)ずっと好きで追いかけてたので、バイオグラフィー的な内容に新しい発見みたいなものはあまりないんだけど(「魂のゆくえ」で岸田くんがレコーディング離脱してたってのはビビった笑)、それぞれのアルバムを聴いていた当時を思い出しながら、(震災当日の磔磔、現場にいたなぁ。。)居ても立っても居られず、「もしもし」から全部聞き直してる。また2人になっちゃったくるりだけど、もうすぐ出る新しいアルバムが楽しみ。

  • この数年くるりから離れていても、デビューからずっと見てきたから、やっぱり大好きだから、するする話の内容が入ってきた。あらためて聴く「魂のゆくえ」の良さにオトナになって気づいた。

  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)っていうのに近かった 京都市北区 京都市伏見区にあった立命館中学校 京都市の西に位置する亀岡 騒音寺 じっとく捨得 違う次元の土俵 たくたく磔磔 キセルの辻村くん 宙ブラリ 古くからあるライブハウスはみんな住宅地にあるから 社交性もあってちょっとお洒落なオタクがギーク 内向的なガリ勉タイプのオタクがナード ザ・フォーク・クルセダーズ 村八分 吉祥寺の曼荼羅 佐久間正英は四人囃子の人 いしわたり淳治 中村弘二 矢野顕子あきこ 図鑑 ジム・オルーク 原子心母 イギリスの電圧220〜240Vで鳴らした音で だいたろう臺 ジョゼと虎と魚たち リアリズムの宿 ザ・ディスメンバメント・プラン 天然コケッコー パシフィコ横浜の夜 シュールストレミング(スウェーデン名物の鰊の缶詰) 色即ぜねれいしょん 自治体とかの折衝せっしょう まほろ駅前多田便利軒 奇跡

  • 今年読んだ本でいちばん。どエモ。

  • ハイネケン飲みながら読み始めたら、もう止まらない。
    くるりの歴史を知ろうと思ったら、いつの間にか自分の過去や現在そしてこれからを考えてしまっていた。

    ゆるく読める、でも心に残る。それがなにやら「くるり」らしくて、最高だった。

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くるりの作品

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