アルティストは花を踏まない (ビッグコミックススペシャル)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098602698

作品紹介・あらすじ

第二次大戦前夜、少年たちは「差別」を知る

世界大戦が終わって、少年たちは生まれた。
まだ誰も、そのあと「第二次」が起こるとは知らなかった頃――

ここは第二次大戦前のフランス。
ドイツとの国境に近い町。

いつも明るい少年モモが、
あきらめと悲しみにまみれた人々を少しずつ変えてゆく。
彼の笑顔と勇気は町の子供たちを動かし、
大人たちの丸まった背中にも、そっと寄り添うのだった。

しかしモモには、ある秘密があって……

差別と分断、見て見ぬふり、忍び寄る不安。
「やがて悲劇を迎える時代」に生まれた少年少女の、
切なくも温かい友情と成長の物語。

――誰かの「花」を、踏みにじることなかれ。


描き下ろしカラーイラスト4p収録!

【編集担当からのおすすめ情報】
『アルティストは花を踏まない』は、
新鋭・小日向まるこ氏の紙媒体デビュー作です。

あたたかで繊細なタッチと、キャラクターの豊かな表情、
色彩が浮かぶような陰影――
懸命に生きる少年少女の姿や
美しいフランスの町並みを、
描き下ろしカラーイラストとともにお楽しみください。

経済が冷え込み、世論は偏りを見せ、
人々の間には差別や分断が目立つようになった、
1930年ごろのヨーロッパ。

……そこには、現代の日本を垣間見ることができるかもしれません。

感想・レビュー・書評

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  • 画風が好き。

  • 優しくて力強いお話だった。
    「アランのごはん」でめっちゃ泣いた。

  • 小日向まるこさんの作品『アルティストは花を踏まない(2019)』を読了。 傑作。

  • 時代はナチズムが跋扈した、第二次世界大戦期のことだ。そこでユダヤ人がどんな生き方をしていたかを描く。

    アルティストは、芸術家の意味だが、本書ではもう少し広い意味で、人間らしい生き方といったニュアンスだ。

    生きづらい世の中で、人と人がどう付き合い、関わり合っていくのか。争いごと、揉め事はすべきではないし、相手を敵視して攻撃するべきでもない。

    美しい花を踏まない。どんなに悔しいこと、憤慨するようなことがあっても、人としての一線がある。昨今の悲惨な事件や国家間の争いを思うと、本書で描かれていることを心の片隅に置いておくべきと感じた。

  • 行間を読む作品。実に趣深いです。第二次世界大戦前、これから何が起きるか私たちは知っているからこそ、彼らの笑顔が刺さります。私もアルティストにならなければ、としみじみ思いました。

  • 二次大戦の少し前のヨーロッパを舞台にした小品集であり、画は上手く、細かい部分までよく取材して描いているようだが、なぜかヨーロッパ的な雰囲気をあまり受けないのはなぜだろうか。シナリオや演出が日本のメロドラマ的であるか、あるいは生活面や倫理的な表現が日本的なのかもしれない。なので、たとえば、江戸時代を舞台にした時代劇に移してみるとしっくりはまりそうにも思う。

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