令和日本・再生計画: 前内閣官房参与の救国の提言 (小学館新書 ふ 11-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098253500

作品紹介・あらすじ

前内閣官房参与が明かす官邸の内幕

新元号「令和」が始まったが、いざ日本の将来はというと決して明るいものとは言えない。
1997年の消費増税が実施されてから、20年以上も日本の実質賃金は下がる一方だ。アベノミクスで大胆な金融緩和を続け、「第1の矢」である金融政策は成功したかに見えたが、それも2014年の消費増税でブレーキがかかり、デフレ脱却の糸口は見えないまま。本来ならばデフレ脱却することを最優先しなければならないはずなのに、これまでやってきたことといえば、前述の消費増税に規制緩和、そして財務省主導の「緊縮財政」だ。
これらはいずれもインフレ対策で、デフレから脱却できないのは当然だ。さらに2019年10月に予定されている消費増税は確実に日本を破壊する。
一方、国会で法案が通過した法案は、「移民政策」や「カジノ法案」「水の民営化」「TPP」など・・・・・・と日本の富を海外に売り渡すようなものばかりである。このままでは日本は数10年後にはアジアの貧国の一つとなってしまうのは確実だ。世界3位の先進国どころか史上初の「衰退途上国」に落ちぶれる。安倍内閣で6年間、内閣官房参与を務めた筆者が日本再生の秘策を提言する。

【編集担当からのおすすめ情報】
著者は京都大学大学院教授で専門は公共政策論。国土強靱化計画を作成した立役者です。内閣官房参与でしかわかり得ない法案成立までのプロセスや、安倍内閣に仕えていても是々非々で現内閣の経済政策のダメな点を厳しく評価しています。そして、日本の将来よりも自分の懐を潤すことばかり考える「役所」や「売国奴」たちも舌鋒鋭く批判する憂国の書です。これまでの常識ががらりと変わること間違いなしです。

感想・レビュー・書評

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  • 政府のアドバイザーを長年努められた、藤井先生による著作です。政策決定のプロセスが、その内情も含めて詳述されています。特にz省との対立の構図やその主張原理がとてもよく理解でき、日本の悲しき現実が明らかになっています。その上で我々日本人が取るべき行動や考え方を八策として提案され、まさに同意できる内容でした。日本一人負けの中で、今後日本人一人一人が、考えるべきと行動に一石を投じる良書でした。また現在の政商の存在の件も、先生のご指摘という面で興味を惹きつけられました。

  • ●著者の専門は公共政策論。2012〜18、内閣官房参与を。
    ●アベノミクス推進(デフレ脱却)のために消費増税はしてはいけない。
    ●第二の矢「財政政策」これは政府から市場に注入したカネの総量である。これは全く放たれていない。緊縮財政。
    ●2014の消費増税がアベノミクスを台無しに。
    ●海外の好景気のためにGDPが見かけ上成長したように見える。
    ●政府の支援や補助なしでは農業は儲からないビジネスであることが常識。にもかかわらず種子法廃止、農業法改革に伴う農業の衰退。
    ●「世界的なグローバリズムの潮流乗り遅れてはならない」と言うイメージのもと、周回遅れのグローバリズムを推進。
    ●プライマリーバランス目標値に完全に拘束された安倍内閣。日本では財務省による支配がもう出来上がっているのだ。
    ●日本は、首都直下型地震や南海トラフ地震といった、数100超円から1千超円以上の経済被害をもたらすリスクを抱えている。2050年までならば、いずれか一方が生じる確率が95%、双方とも起こる確率が5割予想されている。それを加味すればさらに経済は衰退し凋落する。
    ●未来投資10項目。①ソサエティー5.0 (地方中心都市)②技術立国復活③観光立国実現④巨大災害に対する強靭化⑤地方創生回廊(新幹線)。⑥都市・地域モビリティー確保⑦インフラ長寿命化⑧次世代型の新資源・エネルギー⑨食料自給率⑩国民安全保障

  • 安倍政権が構造改革・緊縮財政・プライマリーバランス黒字化に向かう理由を前内閣官房参与として内側から見た視点で描く。
    さらにそれが如何に悪手なのかをエビデンスベースでしっかり論じている。

  • ・安倍内閣は公共事業を拡大した内閣ではない。
    ではなぜ公共事業を拡大したというイメージがあるかというと、「統計の取り方」にある。それまで公共事業いはカウントされていなかった「社会資本整備事業特別会計」が公共事業費にカウントされるようになったから。その真実をしっかり認識する必要がある。

    この著者は橋下徹とは不倶戴天の敵のようだ。
    理由はなぜなんだろうか。
    まともな経済政策のようだが。

  • 間違ってはない。が、「オリジナル・アベノミクス」とか言ってしまうところに逃げを感じる。
    反グローバリズムで投資継続させ、経済発展させていく。うん、すばらしい。が、なぜ、それができると思うのか?英国ですら60〜70年台には深刻な経済停滞と、反動での新自由主義・金融原理主義に走った。日本は冷戦終結の後、離米独立の道を模索すべきだった、というのはタラレバにすぎない。
    日本の経済の先行きを語るなら、高齢化率増と生産人口減をどう解くか、語らねば落第だろう。が、経済成長すれば自ずと出生率が回復するとでも思っているようだ。いや、ないから。
    令和八策というネーミングも嫌い。坂本龍馬がグラバーの走狗説、を鵜呑みにするつもりもないが、明治維新を美化し富国強兵路線をイメージさせる点で筋が悪いと言わざるを得ない。果たして、日本は何を基軸に世界と渡り合っていくのか?真剣に考えたほうがいい。科学技術投資額、ではないと思う。

  • 日本国民一人ひとりに読んで欲しい良書である、これからは、日本は衰退途上国となっていく。抜本的な国策が必要な転換期に来ており、国民にも本書の内容を正しく理解して欲しい。恐ろしい日本が来る前に、何とかして欲しい。

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著者プロフィール

京都大学大学院工学研究科教授、1968年生。

京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授等を経て現職。

2012年から2018年まで安倍内閣・内閣官房参与としてアベノミクス、国土強靱化等の政策アドヴァイスを担当。

2018年より保守思想誌・『表現者クライテリオン』編集長。


「2024年 『「西部邁」を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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