- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098252282
作品紹介・あらすじ
「つながるバカ」につける薬とはなにか?
「自分にとって不要な人間関係ならば、容赦なく縁を切るべし!」──そう断言するネットニュース界の第一人者が、自らの「諦観」の根源を初めてさらけ出した問題作。ネットでもリアルでも、「つながる」ことは本当に幸せなのか? ネット上の豊富な事件簿や自身の壮絶な体験を赤裸々に振り返りつつ、本当に重要な人間関係とはなにかをあらためて問う。SNSを中心にはびこる「絆至上主義」に一石を投じる渾身の社会批評。
感想・レビュー・書評
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衝撃的表題は中川さんらしさ。私たちは「皆と仲良く」と幼い頃から育ち、他からの受容や評価は自己評価よりも意味を持つ社会。他からよく思われたい一方で、皆とは上手くいかない時、「じゃあどうするの?」は教えられる機会がない。本著は「縁の切り方」というより「自分を大切にする術」をネット社会や実生活の例を挙げながら説いてくれる。他人との距離や関わりは自分が都度選んでいい。出会うべき人間を見極める力も必要。他人はコントロールできない。「あなたの人生はすべてあなたが握っている」は名言。意識高い系やポエム言葉は私も嫌だな。
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メディア
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"著者はひねくれすぎな面もあるが、とかく世知辛い世の中を生き抜く処世術を提言している。
無理して、自分と会わない人と付き合うことがいいことなのかを問いかける。
ゼロサムの分岐点を著者なりに見極めている。爽快な瞬間でもある。
多くの人は、自分なりの良心の尺度で、人間関係を構築している。時には思い切って縁を切ってもいいんだよ。今、目の前にいる人が、自分にとってどれだけ大切な人物なのかを環境変化に応じて見極める必要があり、縁を切ると決めた場合は、それなりの行動に出ることなる。
それなりの行動がとれる人もいれば、できない人もいる。
著者の性格的な部分も大きいが、人との付き合い方を考えるきっかけを与えてくれた本。" -
縁の切り方についてもさることながら、自分の自身を見つめるヒントになることが満載。婚約者との死別体験はあまりにもきょうれつであった。
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なかなか刺激的なタイトルだが、中身はこれまでの中川の著作の延長線上にある。
すなわち、『ウェブはバカと暇人のもの』からつづく「ネットのおバカ事件ウォッチング・エッセイ」としての側面と、『夢、死ね!』で開花した社会批評的側面を、併せ持った本なのである。
著者は、3・11以来の「絆」至上主義、ツイッターやLINEなどのSNSを中心とした「人のつながり」重視の風潮に、思いっきり冷水を浴びせてみせる。
絆や「つながり」って、そんなにも大切で麗しいものなのか? むしろ、人生の不幸の多くは、ろくでもない人間との「つながり」から生まれてくるのではないか? ならば、不要な人間関係はどんどん切っていこうではないか、と……。
「渾身の社会批評」(本の惹句)というほどのものではないし、むしろ著者の主張はある意味あたりまえのことばかりだと思った。たとえば、次のような主張――。
《自分にとってムダだと思う人間関係はバッサバッサ切っていいし、敵意を持っている人間を味方にする必要もない。無視するのが吉だ。なぜなら人生はあまりにも短く、人間はあまりにも多いからである。》
ただ、本書には、著者がそのような諦観にたどりつくまでの個人的経験が赤裸々に明かされており、その部分はすごい迫力だ。
少年時代の滞米生活(父親の海外赴任についていった)での、苛烈な被差別体験。学生時代の親友に、社会に出てから冷たくされた体験。そして何より、20代のころ、婚約者に自殺されてしまった体験……。
隠していた傷跡をすべてさらけ出すように綴られたそれらの体験は、読者の目を釘付けにせずにはおかない。
一般化できる内容ではないし、上手な「縁の切り方」を教える実用書(だと思って手に取る人は多いだろう)でもないが、一読の価値はある本。 -
2018年02月11日に紹介されました!
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別に誰かと縁を切りたいわけではないんですが
読み始めに共感が多そうなので読んでみた。
例えば、SNS上の結束とか、共通の敵を見つけた時の人間の執拗なバッシングとか。
あれ、何の本読んでるんだっけ?って途中何度か思いますが
少し屈折した考え方を持つ著者の伝記本に感じました。
読了感としては小説でいうと何者を読んだ時と似てる。
人間ってこんなもんなんだよな、ていう。
そして最後にビートたけしの成る程という言葉があったので下記抜粋。
「2万人が災害で死んだ時、人の命は2万分の1ではなく、1人が死んだ事件が2万件あったってことなんだ。そして一個人にとっては他人が何万人死ぬことよりも、自分の子供や身内が1人死ぬことの方がずっと辛い。自分の大事な人が生きていれば、10万人死んでもいいと思ってしまうのが人間なんだ。」