自閉症という謎に迫る 研究最前線報告 (小学館新書)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251834

作品紹介・あらすじ

かくも不可解な「自閉症」に学際的に迫る!

自閉症は100人に1~2人はいると言われるが、謎は多い。
・自閉症の徴候はだれにもあるのに、なぜ障害とみなされるのか?
・自閉症の発現率が急増しているのは、なぜか?
・自閉症は遺伝か環境か?
・自閉症は、人が本来もっている人格の一部であって、治癒させる必要があるのか?
などの謎に、精神科学、医工学、心理学、遺伝学、社会学などから、学際的に最前線の成果をわかりやすく報告する。

感想・レビュー・書評

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  • 文字通り自閉症について様々な角度から描いた一冊。

    アスペルガー症候群については色々と知る機会があったが、自閉症についてはあまりなかったので勉強になった。

  • 自閉症関連の最先端の論を多面的な方向から解説。テーマは、社会学、文化人類学、分子遺伝学、脳科学、行動科学など。まず、社会学面は、自閉症患者の社会的包摂の可否や条件の開陳、文化人類学は、地域あるいは世界の文化的差異により疾病内容や非難の度合い内容に差が生じる。分子遺伝学は自閉症の遺伝性疾患の側面を最新情報でアップデート。脳科学はイメージング技術の向上結果、自閉症の顕著な多様性判明。健常児に多い情報のトップダウンでなく、ボトムアップ傾向を指摘。行動科学はTEECH療法やABAは行動変容への確定方法とは言えず。
    脳内物質による行動変容に関して、動物実験等を展開している点を指摘する。全体の印象だが、なるほど新書媒体かつ多面的解説であるため、個々の情報が薄くなるのは仕方がないが、参考文献提示が全くないのは、正直困る。

  • 今まで自閉症について、心理学、脳科学、医学、教育などの分野において学んだり考えたりしてきたが、第5章の社会学からのアプローチが興味深く、新鮮だった。当事者研究については知っていたけれど、「ループ効果」や「病人役割」という考え方を初めて知った。

    また、第4章は心理学からのアプローチだが、「自閉症を取り巻く文化的側面」がテーマになっていて、とても勉強になった。

  • すっかり業務用です。自閉症研究は今、こんなところです、というのを一般向けに解説した本で、新書という媒体は適切だったと思う。ただ、結局誰が書いても同じ内容になるであろう本の一冊ということでしかないかな。

  • 研究者から見た自閉症.ちょっと行き過ぎた記述もあるにはあるが,全体的には抑えたトーン.特に第4章,第5章は興味深く読んだ.

  • これはおもしろいですです。
    いくつかの学問から自閉症にアプローチしてて、科学で、逆の発想で、
    わたし的には「自閉症という役割」をしょってるうんぬんのくだり、最後の章がとても興味深かった。

    専門的な内容だけど、全然むずかしくない、むしろ読みやすいがゆえに、さらに自閉症というものはよくわからなくなる、という、
    最初のところでもことわってあるけどほんとそのとおりで、
    だからこそ、考える自分を知るヒントになってるかなあと思う。

    データの裏付けがあって考察して、
    だから「わからない」と率直なのがとても魅力的です。

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