記者クラブ崩壊: 新聞・テレビとの200日戦争 (小学館101新書 76)
- 小学館 (2010年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098250769
感想・レビュー・書評
-
2008年の『ジャーナリズム崩壊』で報道メディアの巨悪を暴いた上杉氏が、その本丸とも呼ぶべき「記者クラブ」の正体に迫る。記者クラブとは、政府や自治体・業界団体を取材するという名の元に、新聞社やテレビなど大手メディアに属する記者たちによって構成された組織。1890年の帝国議会開催において、記者たちが取材の権利を要求して結成した「議会立ち入り記者団」をルーツとし、公権力の監視役として発展したのだが、1978年の日本新聞協会による画策により、それまでの「親睦団体」から「官僚と結託した取材拠点」へと方向転換された結果、大手メディアによる談合組織と化し、海外メディアやフリージャーナリストの参加を認めないという排他的な利権団体へと成り下がった。本書は2009年に政権与党となった民主党のマニフェストの1つにも明記されていた「記者会見のオープン化」に向けて、著者が記者クラブと繰り広げたバトルを描いたもの。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SIGHT誌で、筆者を知り、さっそく購入。僕が買う本にしては、珍しく、書店ですぐに見つかる。
うーん、日本の新聞、テレビはまずいですねぇ。
ウェブの台頭でビジネスモデルが根底から覆るとは思っていたのですが、中身もやばい。
と言うか、むしろ有害。
困ったものです。
佐々木氏が言うように、2011年くらいには、やばいかも。
佐々木氏が出ていたNHKの番組でも、市民のマスコミへの嫌悪感はすごいものがありましたし。 -
上杉さんの本早速2冊目読みました。
何回か同じ内容が繰り返し出てきて、少し読みづらかったかな…?
書かれている内容は私にとっては新しい事ばかり、勉強になります。。 -
「以上、警視庁記者クラブからお送りいたしました」の「記者クラブ」がどういうクラブなのかを知らない人は、あたしも含めて多いのではないだろうか。
ぼんやり想像してみるに、「警視庁に常に詰めている記者の集団」、もしくは、「記者が詰めている部屋」を「記者クラブ」と呼んでいる…?
実際はもっと複雑である。
たとえば、Yahoo!ニュースを見たところで、そこにあるのは大手新聞社が配信したストレートニュースばかりで、時事通信社のそれと見分けがつかず、差別化を図ろうという気概は微塵も感じられない。
記事が配信されるタイミングは横並びで、スクープが存在しないかわりに漏れも存在しないから、大手新聞社からすれば、他社に遅れをとっていないという安心感はあるだろう。
ごく稀に個性を感じることもあるが、個性に見えたものに限って誤報だったり政治的意図からくるものだったりして、しかもそれが「我々は国民の知る権利のために動いてるんだ!」と豪語する人達のすることだからややこしい。
秘密を知れる立場にある人は、傲慢になりがちである。
「国民の知る権利を守る」という大義があれば尚更である。
でも、少なくともあたしは、新聞社やテレビ局に、自分がおさめた税金を使う権利は与えた覚えはない。 -
国内の話題だが影響はバタフライエフェクトの如く世界の中の日本の立場を危うくする方向へと進んでいる日本の報道事情。牽引するはキシャクラブ。上杉さんの封殺された正論の途中経過が記された意義ある1冊
-
最近、立て続けに読んでいる上杉隆。新聞の言うことは正しいという前提で教育を受けてきた世代にはショッキングな内容じゃないだろうか。
「記者クラブ」という名前は聞いたことがあるが、それそが官・メディアの癒着になっているという実態がこの1冊でよく分かる。時系列的なので、最終章の平野元官房長官の裏切りがドラマチックになっている(ネタバレm(_ _)m)。岡田元外相、亀井元金融相のエピソードもキャラが見えて面白い。あと、花岡信昭氏との対談によって、自己の主張に客観性を持たせているのも全てを鵜呑みにするなという著者のジャーナリストとしての姿勢がよく現れている。 -
ジャーナリズム崩壊に続いてよんだが、この本では民主党政権に交代してからの様子が主に書かれている。
これを読めば否応なしに新聞、テレビといったものを見る目が変わる。
どれだけの情報が隠され、国民に公開されて来なかったか
国民に別け隔てなく情報を公開するために存在するための記者クラブは今や独占市場を守ろうとするただのエゴ団体と化した日本の癌のような存在だと感じた。
これから自分はどこから情報を得るべきなのか、考えさせられた一冊。 -
ウィキリークスに関する書籍の後に、読んだので、モノ足りない。
-
正論であり、大手マスコミでこの問題が取り上げられるわけがない以上、こういった書籍や雑誌などは貴重な情報源といえる。