諦める力 (小学館文庫 プレジデントセレクト た 2-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094700237

作品紹介・あらすじ

「走る思想家」による人生戦略

「がんばれば夢はかなう」と信じて努力し続ける人を世間は賞賛する。しかし、夢がいつまでたってもかなわないこともある。それでも費やした時間を無駄にしたくないから、応援してくれる人の期待を裏切りたくないから、そして何より「逃げた」といわれたくないから、がんばり続ける……。その苦しさを誰よりも知っているトップアスリートの著者は、「やめる」を「選ぶ」と再定義して楽になったという。叶わぬ夢の呪縛から自由になるためには、世間の価値観ではなく自分の価値観で生きよ、と説いて大きな反響を呼んだベストセラー。新たに「暗黙のルール」「人が盲信するとき」「やめる練習」の3本のエッセイも入って待望の文庫化。

【編集担当からのおすすめ情報】
日本最速の侍ハードラーとして現役時代から陸上選手のなかでも突出した人気を誇る著者。10冊以上ある著作のなかでもっとも支持され、5万部(電子書籍含む)のベストセラーとなった。2018年8月現在、著者のツイッターフォロワーは46万人を超え、2020年の東京五輪に対する提言や、アスリート界でのさまざまな社会問題に対するコメントが注目されている。「子供に読ませたい」という親御さん、「生徒に読ませたい」という学校関係者からも反響の大きかった一冊。

感想・レビュー・書評

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  •  アスリートの言葉だからか本当にシンプルで洗練されていて、スイスイ読めちゃいました。

     人生は楽しむものだけど、戦略も大切。

     「諦め」に着目して、人生はトレードオフであると言い切ります。
    何かを選ぶことは、何かを諦めることであると。

     良い気づきになりました。

  • 何者かになろうとしていたり、評価や周りの目ばかり気にしている自分。最近こういう本を読んで少しずつ諦める事や力を抜く事の大切さを身にしみている。
    肩肘張らず、もっとリラックスして人生を過ごしたい。
    たかが仕事、たかが人生なのだ。

  • 諦めることを肯定するという1つの側面から話を展開してくださっているので、誰にでも当てはまる本では無いと思うんですけど

    為末さんは元々100メートルの選手だったんですけど、18歳で世界レベルを見て自分の力の無さに絶望して、このまま100を続けても先がないと思い400メートルに転向しました。

    周りには諦めるのはまだ早い、何か出来るはずだなどと言われ罪悪感や後ろめたさを感じながら競技を続けていたそうです。

    ただ、何故400に転向したか、それは
    勝ちたかったから

    多くの人は手段を諦めることを諦めと捉えるけど、自分が決めた目標さえ変えなければ手段を諦めることはむしろいいと為末さんは考えてます。

    皆さんのためになるかはわかりませんが
    何かを決断する際などに読んでみると案外スッキリするかもしれません、ぜひどうぞ

  • 自分のことをすごく俯瞰して分析しながら競技生活を送った方だったんだと知った。
    諦めない姿が美談だともてはやされる職業。
    でも応援してる人たちがその後の人生まで保証してくれるわけじゃない。
    とてもドライにも感じたけど、何か狭い選択肢の中で挑戦し続けてやめられない人(会社内での出世とか)や、努力こそ正義で頑張り続けないといけないと思ってる人は、読んでみたら視野がグッと広がる気がします。

    手段を諦めることとと目的を諦めることは違う。
    最終的に目的を達成するためにその手段を選ぶことは、何かを諦めることであり、何も諦めないということは立ち止まっていることに等しい。

    自分の幸福の基準は何か?
    どこまで俯瞰して勝ち負けを考えるか?
    他人の基準に縛られて自分の選択肢が狭まっていないか?

    「諦める」ではなく、「選び直す」「修正する」でいい。

  • “せっかくここまでやってきたのだから”“努力すればできる(努力しないからできない)”という執着や思い込みを捨てて、軽やかに転身することも大事。夢が叶う人は一握り。
    自分にとって大事ではないことは後回しに。そのためには常に自問自答が必要。ドライにルールを決める。
    能力は生まれつき、勘は経験によって磨かれる。だから、多様な経験、考えてもどうにもならない極限の経験をしている人が、ここぞで強い。
    理屈ではどうにもならないものはあるが、極限まで努力してみてこそわかる。
    自分の人生と向き合わないで、社会の問題なんて解決できるわけがない。自分と向き合う勇気がないから、社会批判に走る。

  • トップアスリート為末の『諦める力』は、「何もしないで諦めろ」じゃなくて、「色々な努力や経験をした上で、勝てるフィールドで戦うために何かを諦めろ」ということ。「諦められるようにしておく力」なんだと感じた。

    諦められるように、自分も学び、挑戦していきたい。

  • アスリート目線から不安、価値観、人生観、幸福などを書いた本

    体育会系の方だから熱いことが書かれているのかと思ったが、
    全くの真逆でどこか冷めた視点から物事を見ている印象。
    非常に現実的で実践的な考え方をされている。

    「多くの人は手段を諦めることが、諦めだと思っている。だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいい。」

    「戦略とはトレードオフである。諦めとセットで考えるものだ。無理なものは無理と認めたうえで、自分の勝てるところで勝負する」

    アスリート目線から語られているがさまざまなな場面で応用ができる。
    何かを成し遂げたいときに使いたい本

  •  前半は『諦める』についての記載はあるけれど、全体としては『勝つためには』という内容。勝つための手段として諦めるがあるという印象。後半は筆者がただ言いたいことを述べているだけという印象であり、諦めるへの繋がりは自分は掴めなかった。
     また、トップアスリートとしての自身の経験が書かれていた点はすらすらと読み進められたが、読者向けの一般論?(他の本でも書いてあるようなこと)が織り込まれると、筆者のスタンスや内容に違和感が出て途端に読み難くなった。
     例えば、筆者は終始オリンピックで勝つことへ執着しているけれど、俺的ランキングで勝てば良いとも言っている。既存のランキングへの執着のリスクを伝えている割に、既存のランキングでの勝ち方についての内容が多くあるので筆者のスタンスがどちらなのか分からず内容が入ってき難かった。
     作中では筆者の目的は『勝利』と言っていた。しかし、途中にあった『世の中にインパクトを与えたい、世間の人をびっくりさせたい』と言うのが目的であり、『オリンピックで1番になる』は目標又は手段と感じた。筆者の『手段は諦めても、目的は諦めない』と言う主張があるにも関わらず、目的、目標、手段の分類が合っているのか?と疑問があがり、話しが入ってきにくかった。
     などなど、単独で切り取ると良いことを言っていると思うけれど、通読していると矛盾しているような違和感が出てきてしまい、そちらが気になり内容が入ってきにくかった。

  • いまの歳になれば理解できる現実。でも、それをどこかに感じつつも夢を見させてくれるのが、トップアスリートたち。間違ったことは言ってないけど、も少し前向きに生きたい!

  • 限界までの努力をし、結果を出し、それでも届かないものがあって諦めたことのある人間にしか見えない景色がある。
    それを経験した著者の考えが色々と参考になる本だと思います。

    個人的には、幸福の基準を自分の内に持たないと、幸福感が低くなりがりである、という一文に共感しました。
    本著で述べられていた「社会・人生において万人に共通な勝利条件はないのだから自分で基準は決めるしかない」ということをこれから意識していこうと思いました。

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著者プロフィール

1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2021年12月現在)。現在は執筆活動、会社経営を行なう。Deportare Partners代表。新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長。YouTube為末大学(Tamesue Academy)を運営。国連ユニタール親善大使。主な著作に『Winning Alone』(プレジデント社)、『走る哲学』(扶桑社新書)、『諦める力』(プレジデント社、小学館文庫プレジデントセレクト)など。

「2022年 『Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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