それでも運命にイエスという。 (小学館文庫 は 10-2)

著者 :
  • 小学館
4.12
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本棚登録 : 149
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086577

作品紹介・あらすじ

「僕セカ」原作者が書くエイズドキュメント

向井理主演で話題の映画『僕たちは世界を変えることができない。But,we wanna build a school in Cambodia.』(2011年9月23日より全国ロードショー)原作者が書いたカンボジアのエイズの実態に迫ったドキュメント・ストーリー。――毎年1万人以上の人間がエイズで死亡しているカンボジア。HIV母子感染によって15歳まで生きられない子どもたち。親のHIV治療費を稼ぐため毎晩1回5ドルで好きでもない男とセックスする少女。政府により強制移住させられたHIV村、末期のエイズ患者が集まるホスピスなど……。前作『僕セカ』でも描かれたエイズ病棟での患者との出会いと別れをきっかけに、カンボジアのエイズに関するドキュメンタリー映画『それでも運命にイエスという。』を製作した著者が、その活動の一部始終を綴った魂の記録。日本で全国上映会を行うまでの様子も写真入りで収録。熱い衝動に突き動かされて始めたものの、何度も「無理なんじゃないか?」と不安になり、逃げ出しそうにもなった。しかしさまざまな思いが交錯し、見て見ぬふりだけはしたくなかったという心の葛藤などもがありのままに綴られている。読んだ人の“心が動く”を超えて“体が動く”きっかけに、という願いが込められた真実の物語。

感想・レビュー・書評

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  • やっていることも、それを表現する文章も、とにかく愚直。でも、考えるだけではなく行動をちゃんと起こせているのが立派。

  • 前著から2年後、再び彼はカンボジアに飛んだ。
    やったこともないドキュメンタリー映画を作り、全国を行脚する。
    この原動力は何処から来るのだろう。
    思いだけではなく、実行出来ることは凄い。

  • 失礼だが、確かに著者は特別才能があるわけではない。どちらかといえば行動も非効率的でうまく立ち回れないらしいことも文章から伝わってくる。
    映画の「僕たちは世界を変えられない」は見ていないが、このタイトルにすべてのメッセージが集約されていると思う。何もできない、それでもするしかないのだと。
    ボランティアそのもの、あるいは社会人としての生き方、わざわざ違う土地の違う言語を話す人間に思いを馳せることの意味、そして日本人としての自分の人生。この世界の理不尽さや人生をどう解釈するべきか葛藤する等身大の若者の姿をありのまま書き出した良い本だ。

  • 尊敬する葉田さんの本。ドキュメンタリー。

    大きなことができなくても、なにか行動することが大事。

    普通に生活してるくらいなら、現地の人たちに関わっていたいなあ。

  • 図書館で。ちょっと興味があったので読んでみました。
    読み始めて貧困や困難な生活に暮らす人に触れて何かしなくてはと思い立ち、やる気だけでドキュメンタリーを作りました、と言う自己満足あふれる本だったらイヤだなあと思ったのですがそうではなかったのでほっとしました。でもちょっと事前準備とリサーチが少なくないかなあとは思いました。が。
    批評だけなら誰でも出来るんですよね。何かしなくてはと思い、実際に行動する事の大変さを思うと本当に頭が下がります。大きな歯車を最初に動かそうとした時の労力(とお金)を考えると誰も出来ない理由をいくつも浮かべて実行に移さない。一つの物事をやり遂げた事は大したものだと思うのです。
    ただ、彼が憤っていたネットでいい加減な事を書くような人間は残念ながらこういう作品を見ないんだろうなあ。心ある、理解しようと思う人たちが作品を見たり読んだりするのでしょう。そう思うと誰に、どのようにメッセージを届けるかと言う点に関してはマーケティングが重要なんだろうなあなどと思いました。

  • 僕セカ作者の見たHIVの現状がありのまま、素直に描かれている感じがしました。患者さんたちの人生は完全に不幸だったのか?偏見がどれほど人を傷つけるのか、いろいろ考えさせられました。
    読み終わって、小さなことでもいいから人に優しくなろうと思える本です。

  • 「僕たちは世界を変えることができない」
    の作者である葉田甲太さんの作品。

    前作でも思っていたけれど、
    実際に"行動"するということは
    きっかけと偶然の重なりだと。

    葉田さん自身が作ったドキュメンタリー映画の
    作成の過程と全国に上映し回った場所でのことが
    書かれています。
    エイズについてだけでなく、
    生きていく上で本当に大切なことを教えてくれる。

  • 世界には一人の力でどうにもならないことがある。
    だけど、行動を起こすことで少しでも状況が変わるなら、何もしないより絶対良いはず。
    シンプルな考え方で、正しいことをするってすごく気持ち良い。

  • 葉田さんの文章には何か共感することが書かれているような気がします。この本を読むことで少しでもエイズに対する意識が変わると思う。そして、人に対してきっと今より優しくなれるんじゃないかな。伝える難しさ、行動していく力、葉田さんからは何かパワーがもらえます。新たなドキュメンタリーを作っているそうなので、またそれも楽しみです!!

  • 僕と同年代の人がここまでやっているのか、と、
    いい意味で、非常にショックでした。

    作者はスーパー超人でも無ければ、天才でもない。(と感じ取れました)

    動きだすのは自分の意志。
    目的は後で考えればいい。

    そう思わせる本でした。

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著者プロフィール

医師、NPO法人あおぞら代表。1984年兵庫県生まれ。国境なき医師団に憧れ、日本医科大学へ進学。大学在学中に150万円でカンボジアに小学校を建てられることを知り、仲間と実現した経緯をつづった著書「僕たちは世界を変えることができない。」を2011年に出版し、同年に向井理主演(葉田さん本人役)で東映より映画化される。2014年にカンボジアで新生児を亡くしたお母さんと出会い、2018年2月にカンボジア僻地に保健センターを建設。2019年3月よりタンザニア病院建設プロジェクト開始。「僕たちは世界を変えることができない。」(小学館)は累計10万部。

「2019年 『僕たちはヒーローになれなかった。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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