風間教場 (小学館文庫 な 17-5)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068528

作品紹介・あらすじ

80万部突破の警察学校小説最新作!

第百二期短期課程の仮入校を控える警察学校で、新任の久光校長が風間公親教官に命じたのは「退校者ゼロ」の教場作りだった。一人でも落伍者が出た場合は、責任者の風間に辞めてもらうと言い渡す。
刑事指導官時代に現場を共にした平優羽子を助教に、第九十八期の卒業生・宮坂定を現役警察官兼生徒の「世話係」に迎え、新学期が始まった。備品の紛失、生徒の妊娠発覚など、教場では問題が続く。生徒を厳しく指導して篩にかけ、警官の資質がないと判断するや即はじき出してきた鬼教官が、新たなミッションに挑む!
初の長編作品となるシリーズ第四弾。



【編集担当からのおすすめ情報】
木村拓哉主演で2021年新春、
スペシャルドラマ第2弾の放送が決定!
シリーズ80万部突破!

感想・レビュー・書評

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  • 「教場」シリーズの4冊目。で、にして初の長編。
    とは言え、37名の学生の内、名前が振られているのは5名だけで、話の作りはあまり変化なし。

    第102期短期過程の学生を迎える中、新任校長の久光から風間が命じられたのは「退校者ゼロ」の教場を作ることで、一人でも落伍者が出れば責任者の風間もクビだという。
    これまで警察官として見込みのない者を容赦なく篩にかけてきた風間だが、さあ、どうなる?というお話。

    洞察力に優れ数歩先を見据えて学生たちを導いていく姿はこれまで同様。授業や面談の場で次々と小ネタが披露され、それぞれが結構面白いのでサクサクと読める。
    が、あまり深みはなく、実は私が一番印象に残ったのは、風間が話してきたことよりも、卒業式前のミニ講演会で卒業生の宮坂が話した内容だったのでした。
    色々問題はあったけれど、今期の学生は全員が資質のある生徒たちばかりで良かったよ。

    これから風間がどうなっていくのか、気になるエピローグ。
    本としては、この後に「教場X」はあるけれど、これは「教場0」に続く捜査一課時代の話のようなので、警察学校の教場での話はもうないのかしらん。
    最初の頃の非情さや得体の知れなさは薄れてかなり丸くもなっているからなあ。

  • 第一声
    「風間教官!何か丸なったんちゃう???」
    構成が、1、2とは違うな。
    前は、一人一人の生徒を短編でやってたけど、今回はそんな感じにはなってない。長編です!

    校長先生は、いけずな奴…全員卒業させよ!あかん場合は、風間教官も辞めよ!と。

    そんなん引き受けんでも良いのに…
    毎年、何人も辞めてんのに…
    この学校が向き不向きを判断する最後の場所やのに…
    不向きな人が警察官やると死に直結するのに…

    縦社会の警察組織がそうさせるのか、風間教官が、丸くなったのか…一応、校長先生の意向を呑んだ感じなんかな?
    ゼロミッションが、成功しようとしまいと、あまり賛同はせんな。

    とは言え、生徒、教官の深い絆が垣間見えるのは、良い感じ。
    今後、続けられるのか?諸事情で分からんけど、良い警察官を育てて下さい!

  • 今春、警察学校に異動してきた、校長の久光。
    彼が風間に命じたのは、落伍者ゼロの教場運営だった。

    教場シリーズ第4作。

    2021年新春ドラマスペシャル「教場Ⅱ」の原作長編。
    ドラマのキャラクターを思い出しながら読む。

    ドラマやシリーズの他の作品では、風間は孤高の近寄りがたい教官で、心中はうかがえない。
    今回は風間視点なので、その心中がえがかれていて、印象が異なった。

    苛烈で容赦がないようで、いろいろ考えていて人間味がある。
    全体的に、言動が丸くなった。

  • とても読みやすく、わかりやすく、イメージしやすい。
    淡々とお話は進みますが、そのテンポが好み。
    初の長編となっていますが、これからも長編で良いと思います。
    私は好きです、長編。
    まだまだ続いてほしい作品です。

  • 長岡弘樹『風間教場』小学館文庫。

    シリーズ初の長編となる第4弾。

    今回は長編ということもあり、全編に亘り一言一句足りとも見逃せないほどの緻密に伏線が張り巡らされている。疑問が氷解し、あの一言はそういうことだったのかと得心する。

    警察学校の教官・風間公親に課せられた大きな課題。いつもは風間が生徒たちをふるいにかける側なのだが、今回は風間自身がふるいにかけられるという、いつもと違う違う展開。風間は切れ味鋭い推理力で様々な問題を抱える生徒たちを巧く指導するのだが、果たして、課題をクリアすることができるのか……

    第百二期短期課程の仮入校を控える警察学校で、新任の久光校長は風間公親に退校者ゼロの教場作りを命ずる。もし、一人でも退校者が出た場合、風間は教官を辞めることになる。風間は助教の平優羽子と共に次々と生徒たちが巻き起こす問題に向き合い、警察官としての正しい道を示していくが……

    本体価格700円
    ★★★★★

  • シリーズ第4作目。
    まず素朴な疑問としてタイトルが「教場3」ではなく何故「風間教場」なのかと思った。
    次に「一人も退学者を出さない」という無理ゲーのお題。いくら小説とはいえ現実では20~30%の退学者が出るという中で、無理があるのではないかという設定の違和感。
    だがこれらの疑問や違和感は最後まで読むと納得する。
    この後のシリーズ第5作、第6作がこの「風間教場」の続きではないのも理解できる。

    シリーズ作品なのである意味面白さに慣れてしまっているが、結局はこの作品も安定の面白さ。また次の作品を読もうと思わせてくれたのがありがたい。

  • 教場シリーズ第4弾は、初の長編。
    やる気のない、能力のない警察学校生を容赦なく退校させてきた風間。
    今回、校長から指示されたのは、ひとりも退校生を出さぬこと。もし、一人でも落伍者が出たら、責任者の風間はクビ!
    警察官になるより記者希望の者。
    妊娠が発覚した者。
    退校予備軍を抱え、さらに次々に起こる事件。
    厳しい試練に、その鋭い観察眼で風間はどう切り抜けるのか、興味は尽きない。
    そして、風間に起こる思わぬ出来事。これには、様々な場面で伏線があった。
    ハンディを負った今後の風間の活躍も見てみたい。

  • '22年12月15日、Amazon Audibleで、聴き終えました。シリーズ、4作目。

    少しだけ、このシリーズを舐めていたかも、と、聴き終えて反省してしまいました。とても面白く聴き、ラストに感動しました。良かったです。

    振り返ると、ちょっとどうかな?と感じたのは「2」だけで…あとの三作はとても良かった!
    その「2」への不満も、僕の集中力の欠如が原因かも…体調がイマイチの時に途切れ途切れで聴き終えたので、そう感じたのかな?と、今となっては思えてしまいます。
    audibleではあまりやりませんでしたが…「2」、再チャレンジ、してみようかな。

  • 風間教官のラスト

    校長のキャラやストーリーなど、
    いい意味で裏切られて、
    楽しめました。

    教場シリーズを読んだことがある人は、
    是非読んでください。

  • 面白かった!
    一日で一気に読んでしまった。
    キムタクとイメージを重ねて読んでいる。
    教場0は捜査現場での指導だったが、被害者がクズ過ぎて、犯人が捕まることに感情移入出来ず、3話の途中で読むのを辞めてしまった。
    やっぱり、このパターンが面白い。
    傑作です♪

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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