ジゼル (小学館文庫 あ 17-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068221

作品紹介・あらすじ

嫉妬と愛憎渦巻くバレエ・ミステリー!

東京グランド・バレエ団の創立15周年記念公演の演目が「ジゼル」に決定し、如月花音は準主役のミルタに抜擢される。このバレエ団では15年前、ジゼル役のプリマ・姫宮真由美が代役の紅林嶺衣奈を襲った末に死亡する事件が起き、「ジゼル」はタブーとなっていた。
そんな矢先、目撃された真由美の亡霊。公演の準備を進める中、配役の変更で団員の間には不協和音が生じ、不可解な事件が相次いで……。
これはすべて真由美の“呪い”なのか?
「ジゼル」の封印を解いた時、悲劇的な死を遂げたプリマの想いが甦る――!!

嫉妬と愛憎渦巻く、小説版『ブラック・スワン』がここに誕生。
華麗なるバレエ・ミステリー開幕!

【編集担当からのおすすめ情報】
「私たちの目指すべき世界が描かれていて、鳥肌が立ちました!」とバレリーナの上野水香さんに絶賛され、『王様のブランチ』『ダ・ヴィンチ』をはじめ多数のメディアで話題になった小説の待望の文庫化です。
続編の単行本『眠れる美女』も、あわせてお楽しみください!

感想・レビュー・書評

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  • 15年の封印が解かれたジゼル、その後起こる事件は呪いなのか、というバレエミステリ。バレエ初心者やけどあっという間にのめり込み、演技の臨場感が凄くて思わず鳥肌が立つ場面も。華やかな舞台にドロドロする舞台裏、そのアンバランスが良かった。そして私は掌の上で踊るだけ。

    読めばバレエが見たくなる!
    ということで、早速見てみたんやけど……喋らんの!?いや、小説読んどいて何言い始めるんって感じなんやけど、演技中喋らんのに衝撃。読み返したら確かに喋ってない……なんて浅瀬にいるんだ自分。けど小説のお陰で大筋は分かるし見てて楽しい。生で見てみたいなぁ。

  • バレエ経験者として、あるあるだなぁ…と思うこともあり、楽しく読めた。バレエについて知らなくても読めるように工夫されているところも良いと思う。

    役の取り合い、事故、そして過去の真相。疑心暗鬼になり、分裂してしまう仲間たち。レッスンの空気感や自分自身のメンタル、追い込まれていく団員たち…一気読みしてしまった。

    2作目があるようで、そちらも楽しみ!
    猫やバレエ、ダンス、舞台モノはついつい手に取ってしまう。

  • 『ジゼル』もバレエの知識も全くないですが、没入出来ました。
    実際のジゼルとクロスして進んでいく物語が、よりバレエを身近に感じさせてくれました。

  • 『暗黒女子』に続いて2冊目の秋吉理香子さん。
    ここにも嫉妬や猜疑心が描かれるが
    『暗黒女子』とは違った雰囲気。
    『暗黒女子』のような特殊な設定が得意なのかと
    思っていたけど、今回の作品はバレエに限らず
    競争のある世界なら想像のつく嫉妬や猜疑心が
    描かれていた。
    ミステリーとしての面白さよりも
    「ジゼル」のストーリーをうまくオーバーラップさせた
    バレエ団内部の人間模様の面白さの方が際立った。

  • 15年前非業の死を遂げたプリマの祟り? これはサスペンス・ホラーなのか? と思いきや、ちゃんとミステリで、15年前の事件の真相も、「ジゼル」公演決定後の相次ぐ死の謎も解かれたのでした。花音が探偵役になった理由も、最後に明かされました。
    ミステリでありながら、大好きな「ジゼル」のストーリーが挿入されたり、配役で団員同士の関係が揺らいだり、それでも公演を成功させるためにみんなが日々の努力を欠かさなかったり、というバレエのリアルが語られているのが魅力です。
    ちなみに、アドルフ・アダンの音楽も素敵なのですが、バレエ抜きで演奏だけされることがないのは残念です…。

  • バレエに全く詳しくなくてもバレエの世界に惹き込まれてしまうような話だった。タイトルにもなっているジゼルになぞらえたような物語の展開もとても良かった。

  • 羽のような身体の軽さと、生身の人間の重さを同時に感じた。
    ミステリーも面白かったけど、なによりバレエの描写が非常に美しかった。バレリーナたちの小鳥のような足捌きや瑞々しい表情が浮かぶようだった。舞台を見たわけではないのにバレエが好きになってしまった。
    対して舞台の裏側の人間関係や嫉妬の渦は本当に禍々しく、華やかな世界って往々にしてこうだよねと頷けるような描写だった。
    ジゼルの物語になぞらえた展開もとてもテクニカルだと思った。
    誰かに「最近面白かった本はなに?」と聞かれたらこの本をお勧めしたい。

  • バレエなんてやったことがないし知識も皆無だけど、それでも面白くてグイグイ読めました。
    ええっ、この人が犯人なの?
    じゃあ、あの亡霊騒ぎは何だったの?
    と思わせるところから、どんでん返しと真相が。
    こういう話とても好きです。
    続編が出たそうなので、そちらを読むのも楽しみです。

  • 全く知識のないバレエの世界だったけど、丁寧に描かれているので知識のない私が読んでも、すっとバレエの世界に入れた。
    どんどんみんなが疑心暗鬼になっていく様は人間って怖いなぁと。
    まさかの蘭丸が犯人?からの展開には、なるほどーっと。
    面白かった。

  • 東京グランドバレエ団に所属するバレエダンサー
    が主人公の物語。
    バレエミステリーどんな感じかなとわくわくしながら
    読みました。
    エピローグのカーテンコールでそうきたか‼って感じです。
    少女漫画を読んでいる様な気がしました。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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