- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094067903
作品紹介・あらすじ
北の後継者暗殺の裏側を描いた衝撃作!
読書メーターなど、ネット・レビューでも「名作」と賞される大藪春彦賞受賞作『スリー・アゲーツ』に続く、待望のシリーズ最新作!
日本と北朝鮮、二つの国に二人の子を遺して男は死んだ。
米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属する葉山隆(はやまたかし)の元に、男から52本もの古いカセット・テープが届く。
録音されていたのは男の告白。北の情報機関〈三号庁舎〉の一員として知るかぎりのすべてを語った内容だった。
その中で、北の完璧なるスパイ“石英(ソギョン)”の存在が明かされる。そして大がかりな情報網を統べるというもう一人の大物スパイ“カタツムリ”。
北が作った精巧な偽ドル紙幣“スーパーK”の流通を阻止しようと米韓合同で行われたソウルでの摘発作戦は、米韓に多数の死者を出すというさんざんな結果に終わったが(前作)、その原因は、米韓の情報網に開いた巨大な穴からの情報漏洩だったという。
葉山はその巨大な穴に、石英とカタツムリが関与していると見て、調査を始める。
一方、米日の経済制裁に反発して、北朝鮮は突然、国境近くの経済特別区・開城(ケソン)工業団地を封鎖した。
巨額の投資をしていた京星(キョンソン)グループの代表・重貞高平(しげさだたかひら)は、一千億ウォンに及ぶ損失を取り返すべく、米日にある取引を持ちかける。
その内容とは、北の後継者の一人だった“ヨハン”亡命の手引きだった。
ヨハンは、北朝鮮が国を挙げてアメリカを標的とする大量殺戮兵器を開発しているという確実な証拠を握っていた――。
「他の血を残しておけば、それは必ずや新たな災いを呼び起こす。誰かがその血を利用しようとするからだ」
日本人の想像を絶する北朝鮮という国の実態。
米韓の隙を突いてマレーシアの空港で起こる“ヨハン”暗殺事件。そして切り札をなくした取引の行方は?
感想・レビュー・書評
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強烈な騙し合い。
本当ならば怖い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020年最も幸福だったことは、この本が出版されて、それを読めたこと。
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名作 スリー・アゲーツに続編があったとは。
北朝鮮の有名な暗殺事件をモチーフにして、各国の情報機関が暗躍する姿を描いている。
日本の作家による国際スパイ小説としては唯一無二の圧倒的存在感です。
あとがきによるとこれらのシリーズは全く売れず、かなり前から原稿が眠っていたらしいのですが、発売してくれた小学館に感謝したい。 -
Amazonオンデマンド出版の文庫化でした。が、日本のメジャーな出版社から文庫化されたのが嬉しいです。続巻刊行してくれるかもな期待が持てるので。
改めて文庫版を読みましたが、有名な汚職事件、有名な暗殺事件、有名な財閥企業を取り混ぜたストーリーで本当に面白かったです。
あと、冒頭に出てきた開城。連絡事務所爆破で有名になってしまいましたね。。