小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの (小学館文庫 も 25-1)
- 小学館 (2019年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094067163
作品紹介・あらすじ
ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い
2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。
「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。
著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。
第22回小学館ノンフィクション大賞で、賞の歴史上初めて選考委員全員が満点をつけて大賞を受賞。
2017年には、第48回大宅壮一ノンフィクション賞、ビジネス書大賞2017審査員特別賞に選ばれたトリプル受賞作。待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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宅急便を創り出した小倉昌男の評伝。
小倉のビジネスに関する本はたくさんあるが、本書の問いはそれとは異なる。なぜ晩年の小倉は、私財を投じて障碍者福祉に取り組んだのか、そしてなぜ渡米して亡くなったのか。これらの素朴な問いから本書が明らかにした事実は、予想だにしなかったこと。私も最後まで、一気に読んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
運送の2024年問題の報道の時に取り上げられたエピソードから興味をもって読んでみた。いつもお世話になっているクロネコさんの軌跡にこんなお話があったとは。寡聞にしてこの経営者のことも知らなかった。経営の話というよりは人間としての小倉氏を描いている。その苦悩はすさまじい。もちろん評伝だから多少の美化はあるだろうとは構えて読んだが、よくご親族がインタビューに応じてくれたと思う。他人の人生の真実は外からはわからない。立派な業績は社会に大きな恩恵を与えたが犠牲も大きかった。信仰の力は偉大だ!見事な人生だ!と感動。
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2017年12月14日
小倉昌男はずっと前から注目していて彼が書いた本などは読んできたが、第三者が取材して書かれた本はこれまでなかったのではないだろうか。
家庭についても綿密に取材できていて、小倉氏のプライベートな部分、苦悩がとてもよく分かった。
これは、小倉昌男関連本の集大成と言ってもいいだろう。 -
読んで良かったという本ではないかもしれないがどこの家にもいろいろあって、それなりに考えさせられる内容ではあった。
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上品ぶった週間文春、悪趣味だな。何のためにこれを書いたのか。
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宅急便を作り出した`小倉昌男`のもう一つの物語。事業の成功、家庭の敗北、という奥の深い物語に、色々考えさせられる本であります。