ランナウェイ: RUN AWAY (小学館文庫 コ 3-2)

  • 小学館
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (621ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094066821

作品紹介・あらすじ

瞠目の伏線回収。極上のサスペンス

《一読して、「これは最先端の物語だ」と感じさせる。それが本作の、そしてまたハーラン・コーベン作品の素晴らしい強みだ》
《あらゆる問題が更新され続けるこの世界(中略)。そうした世界に注がれるハーラン・コーベンの眼差しは、ひとことで言うなら、限りなく「公正(フェア)」だ。あらゆる価値観が錯綜する現代において、最も挑戦的な態度の一つといっていい。》(作家・冲方丁氏の解説より)
薬物に溺れ失踪した娘を探す父。次々と標的を襲う殺し屋と同行する女。姿を消した資産家の息子を探す私立探偵。娘に薬物を与えた男。バラバラなピースがつながったとき、驚くべき忌まわしい事実が姿を現す。
フェアな目線と巧みな構成に唸り、怒濤の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 上手い。
    でも、殺し屋2人の話だけ違和感がある。
    その人を形造る居場所、信仰と家族について対比するために配置したのか?

    誰を主役視点で読むかで話の印象が違う。

  • 偽りの銃弾といい、母親ほど強くて恐ろしいものはないねえええとしみじみ。

  •  家族、親子、夫婦、ドラッグ、暴力、ネット、メディア、拡散、殺人、失踪、新興宗教、携帯、遺伝子、etc. etc。現代のミステリーは、犯罪の内容も、手段も、情報も、捜査方法も、過去のそれとは大きく異なってきている。そのことを嫌というほど感じさせる作品。

     ハーラン・コーベンを読むのは実は初めてなのだが、本書を読む限り、本物の香りを芬々とさせる、濃厚なテイストの、誠実で間違いのない作家、と言うに尽きる。

     グリーン家という家族で構成されるユニットを、さらに父、母、兄弟、姉妹、という具合に、それぞれの関係を多角的に描きつつ、あくまでも主人公は長女を探す父サイモン、という設定で貫く。副主人公とも言える女探偵エレナ・ラミレスもまた、亡くなった恋人の想い出が深く心の中で生き続けているという誠実この上ない人物で、大変に魅力的である。

     個性的なキャラクターもいっぱい。魅力的で頼りがいのあるお婆ちゃん弁護士ヘクター。謎多い兵士上がりの助っ人コーネリアス。胡散臭い売人のロッコとルーカス。<心理の聖域>なる宗教団体。それぞれの個性や集団がストーリーによく絡み合う。

     極めつけは、次々と狙う獲物のリストがミステリアスな、十代男女の殺し屋コンビ、アッシュとディーディー。彼らの不気味な殺人ツアーの有様は、とりわけ物語にどう繋がってゆくのかわからない伏線として作中に挿入される。その他の警察、病院、シェルター等々での多様な伏線も、たっぷりと物語を盛り上げながら、危険の匂いをそこかしこにまき散らしつつ、読者の視点はサイモン・グリーンの内と外を行き来しながら、大都会の裏と表、延々たる荒野とを彷徨させられる。

     最後に、重ねられた謎が一つ一つ順序立てて明らかにされてゆくのだが、その時のカタルシスは、ある意味快感ですらある。家族という難しくも永遠の課題。愛憎と秘密に絡み取られた魅力的な果実を、苦みとともに噛み締める勇気が試される骨太の傑作長編である。

  • サイモンは大学生の長女ペイジの行方を捜していた。娘は恋人に薬漬けにされたあげく、学生寮から姿を消したのだ。ある日刑事から殺人事件の報せを受けたサイモンは、妻イングリッドと共にペイジと男の塒へ踏み込みが…。著者のフェアな目線と巧みな構成に唸り、奴涛の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス!

    圧倒的。今まで読んだコーベンの作品ではベスト。  
    またまた、あの弁護士が登場。

  • 仕事中もこの話の続きが読みたくて読みたくてたまらなかった。はじめの方は通勤電車でちまちま読んでいたものの、後半から終わりにかけてページを捲る手がとまらない。今のご時世を反映するようなジェンダー感がときおりしつこく思えるかもしれないが、自分はそれが気持ちよく読めた。序幕の、サイモンの娘ペイジが薬物に犯される姿はとても苦しく、その苦しさは本編を通してずっと続いた。結末が徐々に明らかになってくると、苦しさの中に切実さのようなものも湧いてきた。どうにかしてサイモンに幸せになって欲しいと願わずにはいられなかった。主人公視点とは別の、アッシュ・ディーディーサイドの幸せも願っていた。今年読んだ中でも最も面白い作品の一つになった。ちなみに、サイモンとその弁護士がハーラン・コーベンの他作品にも出てくる人物と同じだとわかったときは、これか〜!と言い出さずにはいられなかった。本当に良作。作者の他の作品も読みたい。

  • レベル高すぎ

  • KL 2022.6.2-2022.6.6
    麻薬中毒になって行方不明になった大学生の娘を捜す父親。娘を麻薬中毒にしたろくでなしのボーイフレンドが殺されて、夫婦で捜しに行った先で母親は撃たれて昏睡状態へ。そこから話はどんどん複雑になって、私立探偵や殺し屋がからみ、どうなっていくのかと思ったけど、最後にはちゃんと繋がって伏線回収。ただ、意外な結末で、個人的にはあまり好きな展開ではないな。私立探偵のエレナが殺されてしまったのは残念。

  • 長すぎるし、設定が飛びすぎている。カルトの殺人の2人組のストーリー展開が全く気に入らなかった。

  • 久しぶりに引き込まれました。読むのをやめられなかった。

  • 素晴らしい。
    サスペンスフル。
    スピーディ。
    ノワール。
    そして哲学的な要素もある。

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