ザ・プロフェッサー (小学館文庫 ヘ 2-1)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094066159

作品紹介・あらすじ

法と正義、師弟愛を描く胸アツ法廷エンタメ

アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知りたい」という。ある確執から絶縁状態にあった教え子の新米弁護士リックを適任と感じた彼は、弁護の橋渡しをし自分は故郷に身を隠すが、被告である運送会社の隠蔽工作は裁判を予想外の方向へ導き……。
真実と悪、師弟愛、スポーツと友情……挫折を繰り返しながらも最後まで「正義」を諦めない登場人物たちの矜持に胸が熱くなる、痛快法廷エンタテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • 「裁判長、わたしはトーマス・ジャクソン・マクマートリーです」

    来たーーーーッ!!
    本作最高のクライマックスシーンです!(すっごいネタバレ)
    このセリフを読むためだけにこの本を読み始めてもいいくらいです
    めちゃくちゃかっこいいのよ!

    なんか最近みんみんが高評価の作品を読んで面白い!って思うと口惜しい気持ちになります(天邪鬼か!)

    自分は横溝正史が描くような複雑に絡み合った人間関係や一概に悪と断罪できない動機を持った殺人者たちが出てくるような人間の持つ二面性や葛藤を照らすような物語が大好きなんですが
    一方で本作のような分かりやすい善と悪の対決も大好きなんです

    はい、この線からこっちは良い人チームね、あっち側は悪い奴チームねっていう分かりやすい物語
    そうい意味で言うと本作『ザ・プロフェッサー』はもう大好物なわけです
    主人公トムのチーム(もちろん愛犬ムッソも含まれる)を応援しっぱなしなわけです
    「野郎ども、やっっっておしまい!」って感じですよ(完全に悪人側のセリフ)

    そしてピンチに陥ったトムを奮い立たせる存在
    この絆がすんごいかっこいい!かつ泣かすのよ!

    リーガルサスペンスのツボを抑えつつ、かっこいい男たちそして強い女たちを描ききった大傑作でした

    素直に乗っかってみるもんやな

    • みんみんさん
      でしょ!いいでしょ!
      待たせたなボーイ‼︎みたいな登場\(//∇//)\
      表紙地味で売る気あるんかい!
      ってとこも好き(〃ω〃)
      でしょ!いいでしょ!
      待たせたなボーイ‼︎みたいな登場\(//∇//)\
      表紙地味で売る気あるんかい!
      ってとこも好き(〃ω〃)
      2022/08/20
    • ひまわりめろんさん
      なにしろ小学館だからねって偏見がすごい
      なにしろ小学館だからねって偏見がすごい
      2022/08/20
  • ダメでした。。。_| ̄|○
    多くの人が高評価をつけているんですが、好みに合いませんでした。
    実感としては☆1.5くらいです。
    ん~、自分の感性を疑ってしまいそう(。-_-。)

    法廷物サスペンス。
    大学から不当に追い払われた老弁護士トムと、トムと因縁のある若手弁護士のリックが手を組んで、悪徳運送会社と闘う物語。

    ●ここから下はほぼ文句ばかりになりますので、この作品がお好きな人にはお勧めできません。ご覧にならない方がいいでしょう。



















    薄っぺらい話だと思った。都合が良すぎる。
    アメリカンな法廷物の域を出ない。もしかしたら先に映画化されていて、そのノベライズなのかと思ったほどでした。
    ストーリー展開はありきたりすぎていて簡単に先が読めるので、なんの驚きも感動もおきません。
    老弁護士トムの登場も分かり切っていたこと。
    リックと美女学生アシスタントのドーンとの恋愛も安易。
    ガッカリだったのは、満を持して登場したトムだったがそれほどの活躍も印象なく、勝利の決め手となったのは運でしかないこと。
    決定的な証拠が燃やされずに見つかって手に入ったこと。そしてその証拠を裏付ける証人が脅迫を跳ね返して証言してくれたこと。
    もしあの証人の子供がゲームしたさにスマホの電源を入れてなかったらどうだったろう。
    運が勝利の要素になってはならない、なんて言うつもりはないが、それが法廷物の決め手となってしまうのには落胆してしまう。どうせならトムとリックコンビの卓越した弁護術で勝利を導いて欲しかった。

    読後感も自分にはモヤモヤしか残らなかった。かなり悪い。
    たしかに裁判自体には勝利したものの、それは悪役が犯した罪のほんの一部にしか過ぎない。
    脅迫と証人買収の容疑でも逮捕はされているが、たったそれだけである。
    放火も、殺人も、殺人未遂も、暴行も、レイプも不問になっている。
    悪役の手足として動いていた男も逮捕されたというのは書かれていない。逃げおおせたのだろうか。
    なぜその辺のところをエピローグとして言及しないのだろう。
    トムの飼い犬が勇敢に山猫と闘ってトムを守った話もいいだろう。新たな法律事務所を開いた話もいいだろう。しかしそんなことより、やりたい放題だった犯罪者どものすべてを明らかにしてガッツリと法の裁きを受けさせてほしかった。
    スカッと勝利したといっても、それは受け持った事故の裁判に限ってだけなので、かなり欲求不満でした。
    口封じに殺されてしまった男とその家族の無念さや、夫が事故を起こして死亡したために売春で子供を養い、嘘の証言を強要され、とうとう自殺にまで追い込まれてしまった女性のことが頭から離れずにモヤモヤモヤモヤしてしまいました。

    まったくスッキリしないので、もうこのシリーズは遠慮しようかな。

    • ひまわりめろんさん
      このコメント欄天邪鬼だらけやからな
      わしなんか素直すぎてキャラ薄めで申し訳ない
      このコメント欄天邪鬼だらけやからな
      わしなんか素直すぎてキャラ薄めで申し訳ない
      2023/03/18
    • 1Q84O1さん
      土瓶師匠が高評価レビューをすると逆に不安です!w
      やっぱり低評価レビュアー土瓶でないと師匠じゃないです!w

      けど、せっかくだから土瓶師匠に...
      土瓶師匠が高評価レビューをすると逆に不安です!w
      やっぱり低評価レビュアー土瓶でないと師匠じゃないです!w

      けど、せっかくだから土瓶師匠に「ケツの穴全開で行く」ところまでは読んで欲しかったです!
      ね、みんみんさん!w

      そして、しれっと登場、ひまわり師匠久しぶりです!
      早速、いいコメント残してるし!
      2023/03/18
    • みんみんさん
      わたしは同年代の作家がやっぱ好きなようです
      もう今時の話はムリ…今更気づいた( ̄▽ ̄)
      わたしは同年代の作家がやっぱ好きなようです
      もう今時の話はムリ…今更気づいた( ̄▽ ̄)
      2023/03/18
  • 老教授が同僚に窮地に立たされ、引退するが…
    教え子と共に、逆転の法廷劇へ。

    トム・マクマートリーは、アラバマ大学ロースクールの教授。
    学生時代は全米チャンピオンとなったフットボール・チームの一員で、卒業後は母校で40年教えてきた名物教授。
    ところが、同僚の裏切りで、汚名を着せられて追放の身になってしまう。
    愛する妻を亡くして3年、自らも病身のトムは田舎で隠遁生活をすることに。
    かつての恋人ルースが娘夫妻と孫をトラック事故で失い、大手運送会社を訴え、真相を突き止めたいと願う。トムはこの仕事を、教え子だが確執のある新米弁護士リックが適任と認めて、任せるが。

    運送会社の隠蔽工作が激しくなり、トムも弁護に乗り出す。
    相手方の弁護士は、トムを追いやった同僚タイラーで、これも実は元教え子。
    アラバマ大のフットボール・チームというのは実際に有名らしく、そのあたりの事情は知らないけれども、読んでいる間はその仲間たちの絆と誇りを追体験し、教え子や助手との信頼関係も胸が熱くなります。
    いいですよ~68歳の大逆転劇!

  • ジョン・ベイリーは、初めて読む米国の作家。
    アラバマ大学の法学教授、60代後半のトムは、元大学フットボールの全米王者。順風満帆に過ごしてきたが、妻を癌で亡くし、濡れ衣により教授職を追われ、自身も癌に冒される。娘一家を交通事故で亡くした昔の恋人から、法的な助言を求められるが、教え子に弁護を頼み、自身は身を引く。昔の恋人は、交通事故の相手の運送会社を相手取り訴訟を起こす。全く勝ち目がなさそうな闘いであるが、教え子とトムは、力を合わせて裁判を戦うことに。
    それが合っているかどうかは分からないが、自分自身のイメージとしては、アメリカ人が好きなタイプのストーリーではないかと思った。
    ■勧善懲悪、最後は悪は滅びる
    ■勝ち目は薄いが正義のために、自分が大切にしていることのために、決してあきらめずに戦う
    ■伝説的人物(レジェンド)への敬愛
    そのような要素が一杯に詰まった法廷を舞台にした小説。プロットも単純であり、私のこの説明だけを聞くと、つまらなそうであるが、何とこれがとても面白い小説だった。特に後半部分は、ノンストップで読んだ。「アメリカ人が好きなタイプ」と書いたが、こういう設定が好きなのは万国共通なのだろう。
    この話はシリーズになっているとのこと。面白いシリーズを知ることが出来てハッピーだ。シリーズを続けて読んでみようと思う。

  • やっとリックは声がしたほうに顔を向けた。そこにいる人物を見たとき、両膝が崩れそうになった。これはいったい……?そしてジェイムソン・タイラーを見たとき、尊大なろくでなしの顔にこれまで見たことのない感情が浮かんでいるのを見た。怖れを。「裁判長、私はトーマス・ジャクソン・マクマートリーです」

  • これは面白い!ホント面白い‼︎
    愛する妻、罠に嵌り地位名誉全てを失った老教授トムの法曹界での復活劇\(//∇//)\
    最高に気持ちいいストーリー!

    敵はもう限りなく悪です。
    もう極悪非道。
    元教え子との確執、スキャンダル…
    一つの交通事故の真相を暴く為に教え子と共に裁判に挑みます。

    途中までトムちょっと情けないくらいウダウダしますどん底( ̄▽ ̄)

    復活からのトムが凄い!カッコいい!
    故に裁判シーンが最高なんです‼︎

    これがデビュー作とはビックリ!
    あー次が早く読みたい…

  • 骨のある小説かどうかは、どういうわけか最初のページからわかってしまう。その期待はたいてい裏切られない。ストーリーではなく、作家が書こうとしているものが、文体の後ろからにじみ出てくるような、そう、気配のようなもの、小説の持つ気品のようなものだ。

     そうなるとストーリー展開も楽しくなる。なかなかタフな物語になることは、書き出しで摑めているからだ。

     南部出身の法律家出身の作家は誰? 大抵の読書子ならば、ジョン・グリシャムと答えると思う。この新手の作家ロバート・ベイリーも実は南部出身の法律家なのである。先人グリシャムの権威を傷つけないばかりか、やはり米南部生まれのリーガル・サスペンスには骨がある、との好印象を深めたのが、この作品だ。

     主人公は、元アラバマ大のフットボーラー、法律家として一年間、法廷経験を積んだと思った途端、母校の法律の教授として招かれたため、以後、多くの法律家を世に送り出す役目を果たすことになり、現職を続けている68歳。しかし彼に四十年ぶりの法廷という転機が訪れる。

     彼が育てた法律家の、悪い種子のような若手弁護士が彼を大学から追い出した上に、醜聞の熨斗まで付けて世界から追い払おうと試みたのだ。妻に先立たれた上に、膀胱癌まで患ってしまう人生最悪のタイミングの状況下で、一件の訴訟が持ち込まれる。一家が全員巻き込まれてしまった惨たらしい交通事故、その原因となった過重労働を常態化させていた悪徳運送会社を訴訟する遺族は、教授の学生時代の恋人だったのだ。

     教授生活で課題を残してしまった青年弁護士リックに託して、世間から隠遁した教授だが、彼の再生は如何に? 悪徳企業が次々と打ってくる卑劣で残酷な包囲網に対し、チームはどう闘ってゆくのか。

     人生の再生を賭ける人間たちを骨太に描いて、疾走するストーリー展開が読者を巻き込んでゆくパワフルな小説。こういう小説が読みたかった。しかもこの作家は知っている。どうすれば読者が、悪党どもに怒りを感じるかを。どうすれば読者が犠牲者たちに悲しみの情を抱くかを。どうすれば、悔しさに歯噛みする想いを抱くかを。そういう悪党どもに、どのように闘ってほしいかを。

     そしてどうすれば、60代後半の癌治療中の世捨て人が、難関に立ち向かおうという気持ちを再び持つほかを。どうすれば読者が心からのエールを送りたくなるかを。

     本書は、翻訳者が出版社に原作本を持ち込んで出版の運びとなった作品だそうである。翻訳者の吉野弘人のグッド・ジョブに深い感謝を。さらに未訳は現時点で三作。すぐにでも次作を読みたい作家がまた一人ぼくのリストに加わった。

     最後になるが、世捨人がもう一度頑張ってみることにした、その気になる転換点なのだが、最後の最後に明かされる。粋な構成である。

     さらに実在のアラバマ大フットボール・チーム、クリムゾン・タイドの伝説のコーチの登場に始まり、実在のチームメンバーたちも共演する。なるほど。作者のフットボール愛の熱さが、確実に作品の熱さに繋がっていたのだ。

  • スラスラ読めるリーガルもの。裁判、弁護士、法廷に関して全く知識もない私でしたが、評価が高かったので試しに読んでみたら当たりでした。
    あまり知識がなくてもそれなりに理解はできるし、内容自体はわかりやすかったのですが、いかんせん登場人物たちの名前を覚えるのが大変…(笑)
    あとやっぱり男って(一部除いて)クズだなと。ちょっと女性目線からだと辛くなる表現もあったし、人が死にすぎて相手(トラック運送会社)のやり方の汚さに絶望しかけました。
    だけどそういう見ていてムカムカする部分も含めて、最後スッキリする終わり方をしてくれたので読み応えがありました。

  • ちょっとちょっと、これ最&高なんですけど!!??

    リーガルものを小説で読むことないのだけれど(海外ドラマで見るのは好き!)これは読んでよかった。映画を見るようだった。

    正義は勝つ、というシンプルなものではあるが、ラストは胸にこみ上げるものがある。

    68歳のリタイアしたおじいちゃんが主人公というのもいいよね。
    続編もあるのかしらあるのかしら。

    わたしはボーが好きだよ。

    それにしてもあのリックのピンチのところで、トムがバーンと法廷に現れたときの胸熱感は、キューティブロンドのエル・ウッズが全身ピンクで現れた時に等しいな。待ってたよおおおおおお!と叫びたくなったよ。

  • 面白かった!!!
    リーガル物って、洋画と海外ドラマしか見たこと無いんだけど、本を読んでてもハラハラドキドキして、更に被告側が本っ当に嫌な奴すぎて、苛々したー(>д<)
    久々に夜中まで読んでしまった。
    おかげで寝不足。


    この作品も映像化したら絶対面白いだろうなぁと思った。
    いつも勝手に脳内キャスティングしてるんだけど、リックは絶対若い時のマット・デイモンのイメージ!って思ってたら、ジョン・グリシャムの作品で既に弁護士役やってるんだね。
    やっぱり若手弁護士のイメージにピッタリで、私の見立てに狂いは無かったと別作品ながら満足した 笑

    調べたら翻訳版は4巻まで出てるらしいので、また続き読みたいな。

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