僕の死に方 エンディングダイアリー500日 (小学館文庫 か 33-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060201

作品紹介・あらすじ

「命の始末」を綴ったベストセラーを文庫で

「時間を忘れて一気に読んでしまった」「こんなに涙が止まらなかったことは初めてです」「これからも何度も読み返すと思う」「悲しいけれどあたたかい気持ちになりました」・・・
世代、性別を越えて、異例ともいえる数の感想が今も寄せられ続けています。

突然の余命宣告。
絶望の中で、やがて彼は自らの「命の始末」と向き合い始める。その臨終までの道程は、とことん前向きで限りなく切なく愛しいものでした。
これは、41歳で急逝した流通ジャーナリストの見事な死の記録です。

【編集担当からのおすすめ情報】
死の宣告を受けた金子哲雄さんが、最後に渾身の力を振り絞って書き上げたのが本書です。死と生に向かい合う、誰もが心を揺さぶられるメッセージを、一人でも多くの方に読んでいただければと思います。

感想・レビュー・書評

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  • 流通ジャーナリストとしてテレビなどで活躍されていながら、肺カルチノイドという病で惜しくも41歳の若さで亡くなられた金子哲雄さん。

    「カルチノイド」は「がんもどき」という意味で基本的には良性…というか比較的おとなしい特性だが遠隔転移の症例もあるとのことなのでがんの一種と言ったほうが良いのだろう。

    病気を知った時「まだこれからなのに」って葛藤はとてつもなかったと思う。
    しかし、金子さんは、最後の最後まで働くことにこだわって、死後も自分の仕切り通りに、まわりの人にお礼とお詫びを伝えるための準備をして、きれいにこの世を去った。

    「終活」ができない人が増えており、いずれそれは大きな社会問題になると思う。
    いや、もうすでになりかけているのかもしれない…

    本音を言えば自分が死ぬことなんて考えたくないけど、金子さんを見習わないとな。

    ♫Ill-Beatnik/流(1999)

  • 金子氏の「与えられている環境の中で、全力で生きる」生き方に感銘を受けた。
    誰しもが急に訪れる可能性のある余命宣告。
    残された家族や仲間のため、死後の準備をしつつ、死の直前まで仕事を続けた気力、体力。
    言葉は悪いが、カッコいい死に方。
    自分に置き換えて同じようにできるか‥。
    死への恐怖や痛みで精神崩壊するのではないか。
    全力で受け止め、人生を全うできる人になりたい、そう思える本であった。

  • 流通ジャーナリストとして乗りに乗っていて勢い付いているときに突然の余命宣告とは不本意すぎます。

    金子さんは生きていることも死ぬことも表裏一体であることを生きている私たちに身を以て教えてくれました。

    私は死んでしまうことは敗北と決めつけていたけど読み終えてから考え込んでしまいました。

    金子さんはあの世にいっても今までどおりに我武者羅に働いているのではないでしょうかね。

    ご冥福をお祈りいたします。

  • 実際に読んだのは発売当初なのでかなり前のことです。アマゾン・楽天の購入履歴にはのこっていなかったので羽田の地下(京急・モノレールの駅があるところ)の書店で購入したと思われます。
    当時は結構頻繁に出張にいっていて、飛行機も使っていたので携帯が使えないときのために結構本を読んでいました。
    本書は終活本の括りには入るのでしょうが、現役を終え人生の終盤が見え始めてから行う一般的な話ではなく、病気によって強制的に人生の終わりが迫ってきた筆者が奥様に面倒をかけないようにと様々な準備をしていく内容です。もちろんその部分の内容もとても面白いのですが、特筆すべきは臨終を迎える最期の部分です。
    もちろん筆者は書けないので奥様が書かれているのですが、涙なしには読めないです。幸い出張先で読んでいたので一人ビジホで泣いていただけなのですが、家で読んでいたら家族に心配されたことでしょう。(当時は子供が小さかったので、家で読書する余裕などなかったのですが)
    良い本だったので出張から帰った後、妻に良い本だから読んだらと渡しました。しかし今も読んだ形跡は見られません。(もっともその年の夏から転勤して6年ほど家族で家を空けていたので読む機会もなかったのではあるが)

  • 当時まだ小学生3年であった私は正直、生前の金子哲雄さんを薄っすら記憶してるようなしてないようなぐらいに朧げであった。
    いざ本を1ページ1ページ読み進めていくと、金子哲雄さんの生き様もそうだし、それ以上に奥さんである雅子さんとの関係性に思わず感服させられた。

    哲雄さん
    ゛妻はいちばん近くにいる他人だ゛

    雅子さん
    ゛金子と私の関係は、「凧」と「凧を揚げる人」のようなものでした。゛

    こう言い合える関係性って素敵だ。
    最後の最後まで生きた金子哲雄さんは立派でした。

  • ホンマでっかテレビを見ていて、ふと思い出して図書館で借りて読んだ。家で一人で読んで良かった。涙が止まらなかった。悲しい話なのに読んで元気が出る不思議な本だった。本当に今もあの舌っ足らずな楽しい感じでテレビで話している姿を見たかった。最後まで素晴らしい本をありがとう。とても熱い気持ちが伝わりました。

  • 病気であっても自分の終わりを自分で決める気力と行動力に感心した。

  • 辛い、、、が決して目を背けちゃいけない。
    読むのが苦しいなんて初めて。
    病気に立ち向かう姿がかっこよく、最後まで仕事に生きるなんて自分には出来ないと思う。そして、それを近くで支えてた奥さん。とても辛かったでしょうね。
    世の中には知らないだけで、突然の死の宣告は沢山あるんだろう。
    自分ならその時どうするのだろうか。
    今あるいのちを大切に生きよう。
    とても勉強になりました。ありがとうございました。

  • 奥さんの後書きで泣いた

  • すごすぎる。死を宣告されてなお仕事を通して人を喜ばせることに全力を注ぐ姿勢には感服しかない。超月並みだけど、生きていることに感謝して日々を大切にしなければと思わされる。奥様の綴られたあとがきが涙なしには読めなかった。生々しい死の記録。

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著者プロフィール

1971年4月30日千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社ジャパンエナジーに入社。独立後は独自の取材と切り口で、流通ジャーナリスト兼プライスアナリストとして、TVや雑誌などの各メディアで活躍。2012年10月没。

「2013年 『学校では教えてくれないお金の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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