新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論〔小学館文庫〕 (小学館文庫 R L- 15)
- 小学館 (2008年11月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094060157
作品紹介・あらすじ
二〇〇〇年、台湾で国民党による長き一党支配が終わり、独立派政権が誕生した。徹底取材でこの「国産み神話」誕生の瞬間を記した本書は日台でベストセラーになったが、潜在していたタブーも炙り出すことになり、中国統一派によるバッシングや入境禁止処分などの騒動を巻き起こした。だが〇八年、再び国民党政権に戻った台湾。目先の経済的利益を優先した彼らが直面したのはアイデンティティの崩壊と、急速な中華化である。今こそ、中華を拒絶した「台湾人の台湾」を忘れてはなるまい!台湾を見守り続け、国家の在り方を問い続ける著者の衝撃作を加筆して文庫化。
感想・レビュー・書評
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漫画ではあるが活字本なみの内容があり、同じ頁数の活字よりも読み進めるのに時間がかかった。
内容自体は李登輝や蔡焜祭の著作を読んでいたために抵抗感なく理解できたが、台湾人ではない日本人の著者の立場で書かれた本書のみを読んだ人間の中には、本書に批判的になる人間が多くなることも予想される。
しかし台湾人である李登輝や蔡焜祭の目線ではなく、日本人の視点で書かれているからこそ分かる日本人のメンタルや立場、問題点を理解できた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは台湾の国造りの物語へとアプローチした一冊。
元は10年以上前に描かれていますが、古びることなく読めました。
マンガという形態ではあるものの、一つ一つの内容が濃く、
読む解いていくのに、非常に時間かかりました。
中でも印象的であったのは、李登輝氏が登場するシーン。
その著書『「武士道」解題』での人柄そのままに、見えました。
戦前に日本人として生まれて、戦後に台湾の民主化を成し遂げた人物で、
国父ともいえる方ですが、ベースにあるのは現地の人が"日本精神"と呼ぶモノ。
海に囲まれた国はどこか、類似性があるのでしょうか。
大らかで多様性に富み、戦前の日本の植民地時代の功罪も冷静に分析されています。
- 歴史的にも地理的にも人の情けの面においても
日本に一番近い島、台湾!
著者の小林氏の想いも強すぎて、引きずられたくないとの意味での違和感も残りますが、
李登輝氏や佐藤優氏の書を読み解くにあたっての、導入書としてもよさそうです。
しかし、戦前の日本統治下で、台湾の人々が朝鮮人よりも、
国内の地位的に下であったのは意外でした、、結果論ですが、判断誤ってたなぁ、なんて。 -
「台湾人と日本精神」を読んで、その繋がりで読んでみました。台湾の成り立ちはもとより、現代の台湾事情まで網羅した内容はとても勉強になりました。
ずいぶん以前から八田與一、後藤新平、飛虎将軍廟など台湾の発展に尽力した日本人の足跡を辿る旅行をして見たいと考えて来ましたが、本書を読んで行きたい気持ちが強くなりました。出来るだけ近い未来で台湾へ訪問したいと思います。
日本人も日本政府も大東亜戦争当時の日本人がどんなだったか?刮目して見なければいけですね。 -
2015/10/21読了。
台湾や香港に関して時代背景やそれらの歴史を全く知らなかったが、やっと理解することができた。
ただ、戦争論や靖国論の方がきれてるかな。 -
時代背景をしっかりつかむことができた。台湾に行きたい、ものすごく。
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本棚に埋もれていたので読了。
少し古いね。
最近、甲陽軍艦みてておもうけど
現代人は本当に昔の日本人の精神文化を
忘れてしまったんじゃないかな。
古典は読んだ方がいいね。 -
台湾独立
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親日である台湾の背景を知りたくて手に取った。しかし台湾を知ることは、自分の中にある近代日本の歴史を書き換えることになるとは。教科書にある日本の歴史に欺瞞があることは、朧気ながらに気づいてはいたが、すっかりと霧が晴れるようで、またなぜ日本人はこうまで卑屈なのか、戦後の米国指導がこうまで骨抜きにしてしまったのかとも考えてみる。
この本が書かれた頃から台湾も変化してきているが、台湾の中の日本に学ぶべきところがたくさんあることに気付かされた。 -
台湾について考えるきっかけを与えてくれた素晴らしい本。台湾を愛しく感じる。