ごんぎつね (小学館文庫 R C- 1 新撰クラシックス)

著者 :
  • 小学館
4.08
  • (5)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 27
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094041019

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  小学生何年生の時以来の邂逅である「ごんぎつね」。嗚呼こんな話しであったと懐かしく思うと同時に、当時の記憶が結構残っているものだと驚きをもたらされた。
     何故かと考えたところ、この優しく明瞭な、子供にも分かりやすい文体にあり、それが子供ながらも何処か日本の原風景に結びつき、心の琴線に触れるからではなかろうか。
     しかしユーモラスなごんぎつねというキャラクターと反比例するが如くに分かり合えないもの同士の悲哀が込められている。ただごんぎつねの死をもって最後には分かり合えることに繋がるところに何処か作者本人の希望のようなところがあるのかもしれない。
     そのほかには「おじいさんのランプ」「うた時計」「おしどり」「花のき村と盗人たち」「十三の詩」を収録。
     新美南吉は29歳で夭折したとは知らなかったが、本当に残念であり、児童文学といって馬鹿にするものではないと再認識した。

  • 収録作品 

    ◎●おじいさんのランプ
    感想:あたたかな光をともすランプの映像が頭の中に浮かぶ浮かぶ。巳之助がランプの商売を辞めるシーンも。すごい。頭の中に美しく、切なく、情景が浮かぶ。それが読んでいて嬉しかった。巳之助がランプを照らしながら自分の村に帰るシーンがとても好き。好き、美しい、もっと読んでいたい、読解力も何もない感想だけども、そんな体験が出来たから読んでよかった。

    ●うた時計
    ●おしどり
    ●花のき村と盗人たち
    ●ごんぎつね
    ●十三の詩

  • 新美南吉は子どもの頃から好きだったけど、大きくなってから読むとなぜ好きだったのか、どういうところが好きなのか、それが分かって切ない。優しさ、寂しさ、孤独感、喪失感、絶望感・・・。すべて南吉が感じていたものだと思う。描写のやわらかさ、美しさも秀逸。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2019年 『子どものすきな神さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新美南吉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×