特攻服少女と1825日

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093891226

作品紹介・あらすじ

辻村深月さん他各界で「抗い難い魅力」の声 「この著者でしか語り得ない当時の日々と、登場する少女たちが非常に魅力的で、歪な作品であることは理解しつつ、無視できない熱量を感じた」(辻村深月氏)「一生懸命全力で怒り、楽して生きようとは露ほども思わず、落とし前は自分でつける彼女たちのまっとうさが愛おしくなった。これぞ、生きた歴史の証。多くの読者と共有したい作品だ」(星野博美氏)「出てくる少女たちがみんないい。編集長として立ち上げた雑誌が次第に筆者の思惑とは別に少女たちの集まる場所になっていく過程も面白かった」(白石和彌氏)「女暴走族とその専門誌」という異色なテーマながら、選考委員の心を強く揺さぶり、大賞受賞に至った意欲作。「一時代の一瞬の熱狂の生き証人。比嘉さんが書き残したことでレディースの女たちが、令和の今に生き生きと蘇ってきた」(ラランド ニシダ)「正しい場所ではなかったに違いない。でもそこで少女たちがグロテスクなほどに輝いていたという事実の重さから、僕は目を背けることができない」(麻布競馬場「“暴走族のルール”がここまで繊細に描かれていることに脱帽した」(瀧川鯉斗)など各界からも絶賛の声が寄せられている。 【編集担当からのおすすめ情報】 青年漫画や学園ドラマに登場する「ヤンキー少女」として、あるいはドキュメンタリーやニュース映像にモザイクつきで登場する「非行少女」として――これまで、「キャラクター」としてデフォルメされて描かれて来たレディースたちの姿をフラットでありのままにとらえた、懐かしいのに新しい、唯一無二のノンフィクション作品です。《喧嘩は数え切らないくらい、タイマンは100回以上やってる。負けたことはないね。自然と勝ち方を身につけた。まず相手の眉間とみぞおちを狙いますね。負けた相手は裸にしてその辺を走らせますよ、そんなの何度もありますね》《もう少しで卒業式、卒業式の日は派手にやってやるからな、先公見てやがれ》 《鑑別所出た後、試験観察で何日間か老人ホームで働いたの。老人のニコってする顔見たらレディースの次に賭けるものはこれだって決めたの》こんな風に本書には、レディースたちの生々しくもエネルギッシュな発言がちりばめられています。彼女たちの言葉やに惹きつけられて雑誌『ティーンズロード』を創刊し、雑誌編集者という立場で特攻服少女の背中を追い続けた著者の目線はどこまでも対等であり、そこには「正しい方に導いてやろう」という押しつけがましさもなければ「不良になる理由は家庭にある」などのレッテル貼りも同情もありません。原稿の中には、当時の喧噪だけでなく13才で地元のチームに入り1年足らずで総長に登り詰め、テレビや週刊誌でも特集が組まれるほどの知名度を得るもチームを破門させられたたすえこや歴史・規模とともに日本一を誇る『スケ連』を率いたのぶこほか、当時の誌面を飾

感想・レビュー・書評

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  • 『特攻服少女と1825日』特攻服少女が令和に蘇った! - HONZ(2023年8月30日)
    https://honz.jp/articles/-/53868

    ◆時代の空気 記録に残す[評]北尾トロ(フリーライター)
    <書評>『特攻服少女と1825日』比嘉健二 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/289424?rct=shohyo

    特攻服少女と1825日 | 書籍 | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09389122

  • 「小学館ノンフィクション大賞」受賞の話題作。

    レディース暴走族の専門誌『ティーンズロード』。その創刊から大ブーム、そして休刊に至る興亡史を、初代編集長が回顧したノンフィクションである。

    私は『ティーンズロード』を読んだことがないし、レディースの世界にも無知だが、それでも本作は面白く読めた。

    一時代を築いた雑誌の生々しい舞台裏が興味深いし、誌面を飾った人気「総長」たちの何人かに的を絞った人物ノンフィクション、青春の記録としても読み応えがある。

    作中に言及のある、レディース「紫優嬢」を篠山紀信が撮った『SPA!』のグラビア記事は、私も鮮明に覚えている。中森明夫氏との連載「ニュースな女たち」の1回であった。

    読みながら「映画『下妻物語』の世界だなァ」と思ったが、実際には『下妻物語』のほうが『ティーンズロード』の影響を受けているのだろう。

  • なんか知らんけど、目頭やら胸やら熱くなる。

  • ヤンキー的な考え方や生き方は全く理解出来ないし、側から見れば迷惑な存在としか思えないけれど、それでも今の迷惑系Youtuberとかトー横キッズとかに比べればまだ健全で人間味が感じられた。何より可愛げがある。怖い先輩の目を盗んでピースするとか最高。

  • 今と違い、スマホもメアドもなく、疎遠になる。
    多感な10代。居場所が必要。
    レディースって可愛い子が多かったな。年齢がバレる。
    人間力の大きさ、涙が出てきた。

  • すらすらと楽しく読んだ(褒めてます)

    人の運命とは、どこにどう転ぶかわからない
    もしかしたらティーンズロードが生まれなかったかもしれないし、結果今の少女達をサポートするNPO法人のいくつかも存在しなかったかもしれない

    偶然が必然となり誰かを支えているという事実に驚く

  • 東京リベンジャーズの影響で、ヤンキーの最盛期を知りたくなり、図書館で偶然見つけた本です。ティーンズロードという雑誌の編集者による、当時の雑誌編集にまつわるエピソード、取材したレディースの方々の物語…など、読み応えがありました。

  • 誰にも居場所が必要。

  • 第29回小学館ノンフィクション大賞受賞作
    ライターの鈴木智彦氏のひと声で書籍化が実現して受賞にまで至った(書籍化を断った出版社はいかに思うかw)という話を聞いて興味が湧いて読んでみました。
    『ティーンズロード』は読んだことはないけれど、レディースの存在は知る世代。そんなに嫌悪していた記憶はなく一つの流行くらいに見て異文化として興味を持っていた記憶があります。

    どんな時代にも、寄り添う人たちによって支えられる若者がいるわけです。
    彼ら若者とは生い立ちや環境の違いはあれど、そのバイタリティには頭が下がる思いです。
    共感できる点、教えられる事もあります。

    社会悪と言われる存在かもしれないけれど、彼らは確かに生きている。それを取り上げて全国に知らしめた雑誌『ティーンズロード』の功績は大きいながら、果たしてその責任はどうだったのか。
    今でもアンダーグラウンドの記事は、ある程度の需要が見込まれるし何なら人気がある雑誌もある(発行部数は比べようがないくらい少ないようですけど)のですが。
    その作り手の向けての〝何か〟を先輩雑誌編集者として示して欲しかったなぁ。
    最後まで読んでみて、ふと思いました。

    雑誌編集の面白さも(もちろん大変さも)よく書かれていて興味深かったです。
    比嘉さん自身の〝編集者への道〟もかなり面白かったのは声を大にして言っときます!!

  • ・「ティーンズロード」、実は読んだことがない。でも、本屋で結構目を引いていた記憶がある。表紙に凄いインパクトがあった。
    ・本文にも書いてあったが、ノンフィクションというより、回顧録に近い。確かにこの時代はあった。彼女達はいた。
    ・ただ、内容的にもっと激しい物を予想していたので、意外と牧歌的な印象だった。後半に出てくる90年代渋谷のチーマーとの出来事から著者の方が感じ取った「変遷」から、そうだよな〜と思った。

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