- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093888240
作品紹介・あらすじ
厄介な隣国の知られざる実像に迫る!
人口は世界一、GDPでは世界第2位となった中国。
しかし、その対外戦略や、デジタル大国の実像は意外に知られていません。中国の素顔を池上彰が徹底解説します!
・台湾からのパイナップル輸入を差し止めるなど、食料の輸入制限を武器にする中国。輸入制限を恐れて、ノーベル平和賞受賞者が変更された可能性があること、知っていましたか?
・中国のワクチン外交は有名ですが、ワクチン外交でウイグル人を追いつめています。どういう方法を用いているか、知っていますか?
・民主化運動が弾圧されている香港。イギリスは当初、香港を英国領にとどめるつもりでした。その方針を変えさせた中国首脳の一言とは、どんなものだったでしょう?
・一定以上の規模の企業や教育機関には必ず共産党員がいる中国。企業の実質的な指導者が共産党員で、重要な決定は共産党の指示を仰いでいること、ご存じでしたか?
新型コロナ対応から対外政策、共産党の結党からデジタル大国になるまでの歴史など、中国のことが手に取るようにわかる1冊です!
東京工業大学附属科学技術高等学校で行った授業をもとに大幅加筆。受験生、就活生、学び直しの社会人にもお勧めです。
【編集担当からのおすすめ情報】
世界の国と地域を学ぶ大人気シリーズの第12弾!
これまでも、「わかりやすい!」「さすが池上さん!」「難しい国際関係がよく分かった!」など、このシリーズには読者の方から高い評価をいただいてきました。
今回も、わかりやすいのはもちろんですが、知られなかった話がたくさん盛り込まれています。
例えば、中国は政府が10か年の経済政策を作成するのですが、それを教えたのは日本の大平総理(当時)だったとか、家電分野で世界シェアナンバー1の中国企業の飛躍のきっかけが日本企業の事業買収だったことなど。
誰かにしゃべりたくなるような話ばかりですので、まずお手に取ってご覧ください。
感想・レビュー・書評
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主に21世紀以降ニュースによく出てきた。下記のような話題の解説が中心だ。
・尖閣諸島や南沙諸島の領海問題
・新疆ウイグル自治区やチベットの人権問題
・「一帯一路」構想にまつわる中国の外交戦略
・グローバルサウスへの融資と「債務の罠」
・香港の民主化運動(周庭マジで今どうしてるのか…)、ついでにマカオで民主化運動が起きなかった理由
・コロナ時のワクチン外交
・B・A・T(百度・阿里巴巴・腾讯)・ゴマ信用・深セン開発・自動運転車などのIT戦略
・ANTAスニーカー等のファッション、ハイアール等の家電ブランド化戦略
・ライブコマース、インフルエンサーなど若者の社会行動
・一人っ子政策の代償としての少子化
これら中国の強気の姿勢の原因には、中国の内在論理と、憲法すら下に置いてしまう共産党の仕組みがあると解説している。
(中国や日本の)共産党の成り立ちについてはソ連のコミンテルン支部からはじまって、毛沢東が農村の支持を取り付けてのし上がっていくところまでわかりやすく解説されている。
九千五百万人を超える共産党員のピラミッド構造や入党試験、青年団へのスカウトを断ると襠案という身上調書に書かれてしまうからほぼ強制加入という話も興味ぶかかった。
中国近代史にまんべんなく触れていく教科書的な読み物を予想すると、ちょっと違うと思う。
たとえば大躍進政策には触れているが文化大革命の話はほぼ無かったり、習近平や毛沢東や鄧小平のことは触れられているが、胡錦濤や周恩来や江沢民には全く触れられていなかったりする。
しかし全体として読み応えはあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズ大好きで、導入編と第一弾アメリカ以外は全部読みました。
来春には「東欧・旧ソ連の国々」その後には「中南米」などを予定しているそうで、とても楽しみ♪
(今回は東京工業大学付属科学技術高等学校の生徒さんたちに協力していただきました)
中国はこのシリーズの第二弾に5年前登場。
ずいぶん変わったのではないでしょうか。
日本に住むものにとって中国のイメージは
年代によって大きく異なるそうです。
池上さんより上の世代にとっては、
さまざまな文化を日本に伝えた先進国家。
池上さん等70代の皆さんにとっては
人民服を着て自転車で移動する人たちが多い国と。
もう少し若くなると、なんでも模倣し、
粗悪品を乱造するイメージ。
ところが今の10代にとっては、
「安くて、それなりに品質のいい商品」をつくる国
というイメージに変わりつつあるそうです!
この本を読んで思ったのは、中国は人口が多いぶん(日本の約10倍)日本人より頭の良い人が多い、ということ。
そのエリートたちが「共産党(という名の集団)」で牛耳っている。
独裁的に強制的に進めることができる。
日本みたいに、たまたま国会議員の息子に生まれちゃったから国会議員になるとか、何かを決めるときにあちこちお伺いをたてるとか、そんなのがないから、どんどん成長していったんだなあと思いました。
中国は共産党にさえ逆らわなければ自由。
問題がおきると修正する。
何か問題がおきるたびに規制が厳しくなる。
そんなやり方で上手くやっていったのですね。
さて、このシリーズでまた5年後に中国が出てくるかな?
どうなっているでしょうね。
また楽しみが増えました。 -
T図書館
シリーズ12 2021年
高校生の授業を元にした本
新疆ウイグル自治区と鄧小平の話が前の本と重複していたが、時事的内容が多く両方読むとよい
1章 食料を武器にした中国と対中包囲網
2章 新型 コロナ 対応から見る中国 台湾
3章 一国二制度崩壊から見る 香港 中国
4章 中国共産党 100年から見る中国
5章 世界の工場から見る中国
6章 デジタル大国から見る中国
香港の民主活動家 アグネス チョウさんが掲載されていた
池上氏は一緒に食事をしたことがあるそうだ
調べたら彼女は今、出所したもののパスポートを没収されている
どう思っているのだろうな -
本はおおまかに分けると二つあると思う。
心を豊かにしてくれる本と、知識をくれる本。
池上さんの本は間違いなく後者で、いま私が一番知りたい国は中国。
なんであんなに嫌なことばかりするのか、わからないことだらけだから。
第三国の立場で読んでみようと思ったけど、やっぱりそうはいかなかったかな。
なぜならもう中国の影響力って大きすぎるから。
「中国による食料の復讐」「中国の債務の罠」「社会主義市場経済」…国際社会からは傍若無人に見える振る舞いも、彼らの内在的理論によれば正当化されてしまうのだ。
今やどの国も中国抜きでは経済が成り立たないほど、依存しきってしまっている。
だから戦争しないでも相手を言いなりにできる。
まさに思う壺なんだ。
なんで新疆ウイグル自治区の人たちがあんなに弾圧されているのかもよくわかった。
ところで我々は何で勝負するのか、いや共存なのか。国際入札ではどうやったら勝てるんだろうか。
読み終わって空恐ろしくなった。
池上さんの本は読んでも感動しないけど、知らないことをたくさん教えてもらった満足感がある。
それでいいんだと思う。
次は何を教えてもらおうかな。
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ざっくり知るには本当によくまとめ上げてくれる池上さん。頼りにしてます。北京冬季五輪を観ながら読んだから様々な思いがよぎる。中国共産党恐るべし。国家と民族、そして党。習近平が目指すは漢民族国家だった明というところが民族弾圧に結びつき合点がいった。納得はできないけど。
中国の人々の率直な気持ちを知りたいな。 -
中国が脅威の存在となっていることが非常によくわかった。共産党一党独裁政治により、コロナ対策や経済政策等を非常にスムーズに進められるという、民主主義国家にはないメリットもあることを知った。香港問題についてもわかりやすく理解できた。香港と違いマカオでは民主化運動が起こらない理由については納得させられた。毛沢東時代を含めた近現代史については、中国・香港・台湾編に詳細に記載されている。
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中国、台湾、香港の歴史
各地域がどのような経緯で現在のような状況にあるのか
中国の政策や思想の背景が概観できる -
まあ面白かったが、期待したような深い話がなかった。
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How To See the World
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388824 -
3.8。高校の授業が元なだけに、わかりやすく面白かった。危機感も募る。60歳以上の人に読んでもらいたい。特に精神論好きな人。