投げない怪物: 佐々木朗希と高校野球の新時代

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 43
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093887199

作品紹介・あらすじ

江川や松坂のような怪物は、もう生まれない

江川卓(作新学院)や松坂大輔(横浜)、吉田輝星(金足農業)のようにひとりで甲子園のマウンドを守り抜く怪物や、荒木大輔(早稲田実業)、桑田真澄(PL学園)のように、1年生から名門校のエースを張るスターは、もう生まれない--

高校3年生にして球速163kmを記録し、プロ野球選手としての将来を嘱望される「令和の怪物」こと佐々木朗希(大船渡高校)。甲子園出場が懸かった岩手大会決勝では、連投による故障を避けるため、監督が「登板回避」の決断を下す。“投げない怪物”がベンチから見守るなか、チームは大差で敗れた。

19年夏の岩手大会に密着した著者は、佐々木の登板回避の裏側に迫るとともに、直後の令和最初の甲子園で異変が起きていることに気付く。高校野球は、これまでと全く違った姿のものに変わろうとしていた。強豪校の監督、選手、OB、昭和・平成の怪物を見出した伝説のスカウトらに取材を重ね、その異変の正体に迫る。

高校野球の現場で、いま何が起きているのか?

【編集担当からのおすすめ情報】
転換期を迎えた高校野球の現場を歩いた著者は、知られざる実態を書いていきます。とりわけ、大阪桐蔭をはじめとする超強豪校が、U-15侍ジャパンのトライアウト現場などで、有望な中学生球児のスカウトに奔走し、そこに明確な「勝ち組」と「負け組」が存在することなどが、初めて克明に描かれます。本書に書かれた真実から、新時代の高校野球の姿が見えてきます。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて高校野球の流れを感じました。
    野球も時代の変化に流されて行くんですね。
    怪我の無いような選手起用も過保護とも捉えかね無い
    難しいですね。
    本当の意味での正解は無いのかな。

  • 関西の大阪桐蔭、関東の横浜、東海大相模を頂点とする中学生へのスカウティングと甲子園後の野球人生を見据えた進路選択。
    この本は、佐々木朗希がなぜ地方予選の決勝の登板回避したかということを端緒として、中学野球・小学野球の実態をレポートしていく。野球ファンにとっては、垂涎もの本である。多少マニアックな面もあるが、知っているトピックがあると妙に自己満足に浸れる。高校野球親爺は読むべし!

  • 高校最速163km、甲子園目前に登板回避のあたりの話は意外に少なく、現在の高校球界の方向性が語られる。
    この辺が好きな人にはたまらない本なのだろうが、万人がこれといって得られるものがある作品でもない。
    中で目についた話としては、中学生のトライアウト、相対ではなく多くの選手の中から一本釣りがメインだとか、SNSでライバルのプレイを見ることで、スカウトと選手の情報の非対称性がなくなってきているとかいう話は初耳だが、この「業界」も世の中の流れに無縁ではいられないと言うことだろう。

    「#投げない怪物」小学館、柳川悠二著
    Day37

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  • 全国的な注目を浴びた160km右腕が、予選決勝で登板を回避するという「事件」を象徴に、選手の健康管理法や勝利へのアプローチの変化といった、高校野球の新しい潮流を追う。それは「怪物」の育て方や、勝つチームの作り方、またはプロに進む為のステップとも直結していて、本書では大船渡の一件のほか、大阪桐蔭など高校球界をリードする名門の強化法や、進路やその先のキャリアを見据える今日の選手側の事情までカバーしたルポとなっている。少なくとも甲子園を狙う人達において、部活動とか教育の一貫といった文言は半分過去のもので、野球(またはスポーツ)で名を成す為の熾烈な有様が、より露わになってきている時代という印象を受けた。(絶対的エースが)投げない、というタイトルは、これまでの高校野球へのアンチテーゼとして用いたもので、(采配への批判は明確になされているものの)特定個人を批判する主旨でない点は留意したい。

  • 一人の英雄物語もしくは名将物語から、学校+監督の戦略、リクルーティング、指導、そしてチーム総力戦へ変化した現場を詳しく取材した一冊。高校野球はトレーニングから指導から教育から全てに於いて次のステージへの移行期だと言うことがわかる

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