池上彰の世界の見方 東南アジア: ASEANの国々

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093886871

作品紹介・あらすじ

「明るい北朝鮮」と呼ばれる国はどこか?

アメリカと中国という超大国の間で生き抜くために、日本にとって東南アジア諸国の重要性は高まっている。しかし、東南アジア諸国や、これらの国のほとんどが加盟するASEAN(東南アジア諸国連合)についての知識が、日本人に広まっているとは言えない。以下の問いにすべて答えられる人はいるだろうか?
●「東南アジア」という概念は、どこの国の軍事侵攻の結果、生まれたか? ●ASEANはなぜ生まれたのか? ●ASEANの結束が高まった、日本が関わる貿易摩擦とは? ●「明るい北朝鮮」と呼ばれる国はどこか? ●「タイ式政権交代」とは何か? ●なぜインドネシアの中華街には漢字が見当たらないのか?
わからなくても大丈夫。池上彰がわかりやすく徹底解説。東南アジア諸国の現代史や日本との関わりがすべてわかる! 東京学芸大学附属高校での白熱講義に、大幅加筆をして書籍化。人気シリーズ、待望の最新刊!

【編集担当からのおすすめ情報】
東南アジアは、日本から比較的近く、また戦争も含めて歴史的なつながりがあるため、いろいろなところで日本の影響が見られます。例えば、ある国は自国の軍隊の曲として、日本の「軍艦マーチ」を採用しています。また、ある国は、日本の学校の、「前へならえ!」のような整列方法を採用しています。さらに、別の国では、「ユニクロ」がおしゃれなデートスポットになっていたり。それらの国がどこなのか、ぜひ、本書でご確認ください。

感想・レビュー・書評

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  • 東南アジアの現代史に関して、大まかに理解できた。

    特にミャンマーが気になった。戦後はどの国もこういった混乱があったんだろうけど、私はリアルタイムでみれた世代ではないので、これからミャンマーでの民主化がどのように進んでいくのか、とても興味が湧いた。

  • S図書館
    シリーズ8 2019年
    高校の授業

    1章 日本との歴史
    2章 ASEAN とベトナム
    3章 シンガポールとマレーシア
    4章 インドネシア
    5章 タイとフィリピン
    6章 ポルポトとアウンサンスーチ

    《感想》
    この本を読む前と後で、国を見る目が変わってしまったくらいショックなことが多かった
    植民地時代を経て、独裁政治で民衆を巻き込む虐殺が当たり前だった過去
    カンボジアやベトナムの歴史は特に凄惨だった
    外部からの虐殺は悪くて、国内の虐殺は良いなんてことはあり得ない
    良し悪しなんかは言えない
    なぜ平然とこのようなことが行われたのか不思議でならない

    現在は何もなかったかのように観光地となっている国々が多い
    歴史は忘れてはならない
    不満が爆発すると治安が悪くなったり、暴動、テロ等が起こることもあり得るのだと覚えておく必要がある

    《内容》
    東南アジアは ASEAN 10カ国 + 東ティモール
    ・カンボジア
    フランス植民地を経た後、ポル・ポトは毛沢東思想で大虐殺
    現在もまだ地雷は埋まっている
    ゲリラに襲われ日本人ジャーナリストは死亡

    ・ベトナム
    代理戦争
    1954年ベトナムが南北に分断
    アメリカは軍にクーデターを起こすようにそそのかす
    目まぐるしい 政権交代が起こった

    ・シンガポール
    マレーシアから追い出されるようにして華人たちが作った国がシンガポール
    罰金の国、一党独裁に近い状態
    経済発展してるから不満の声が表面化しない

    ・タイ
    植民地にならなかった国
    軍隊作りいち早く近代化、仏教徒
    インフラ開発で経済面で中国に依存

  • ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、カンボジア、ミャンマーの近現代史を筆者の視点で紹介された一冊。
    東南アジアは植民地、戦争、紛争の影響が今でも強く残っている国々であり、ビジネスや旅行の際は今一度本書で歴史的経緯を確認したい。

  • 東南アジアの事はあまり考えたことが無く、海外と言った時い思い浮かべるのは大概欧米である、というのは良く言われるところですが、本書でも言及されていました。
    そもそもASEANの国が何か国有るのかなんて考えたことも無かったです。
    正解は フィリピン、カンボジア、タイ、ベトナム、ラオス、ミヤンマー、インドネシア、ブルネイ、シンガポール、マレーシア。そして東ティモール。ちなみに思い出しながら書いたらマレーシアが結局出てきませんでした。本書を読んだと言っても付け焼刃なので所詮そんなものです。
    駆け足ですが、毎回このシリーズを読むとざっくりとその地域の事が分かった気になれます。そもそも細切れでニュースで聞いていた固有名詞が、この本を読んだことによって繋がりました。有難い事であります。
    ニュースを注意深く注視して、本書でなんとなく分かったつもりでいる知識を当て嵌めて、より深めて行こうと思っております。

  • Youtube大学を見てから拝読。
    ほとんど同じ内容だった。
    (それだけ中田さんはよく短い間にまとめているということ!)

    知識がなかったためとても勉強になった。

  • 東南アジア各国の実態や現代史を、授業形式で記した一冊。東京学芸大附属高校で行われた講義がもとになっていて、ところどころに問いかけがあるため、自分の頭で考えながら読み進めることができる。池上彰氏の上手な語り口により、納得感のある説明で分かりやすい。

    以下、特に印象に残った内容。
    - 日本が東南アジアに対して行うODAは、太平洋戦争の戦時賠償の延長である。日本は敗戦後に世界銀行から融資を受けてインフラが発展したという過去があり、東南アジアに無償ではなく有償協力という形で援助を行っている。
    - シンガポールは「Fine Country」と呼ばれるほど罰金の多い国。ガムや電子タバコをシンガポールに持ち込んだり、公共の道路で唾を吐いたり、公衆トイレで水を流し忘れると罰金が科せられる。
    - カンボジアのポル・ポト氏は毛沢東思想の影響を受け、知識人を排除しようとした。眼鏡をかけている人や、学校の先生、海外に留学している人を寄せ集め、殺害していった。

  • 振りとつかみ、説明の分かりやすさは絶品。

    もとキャスターという履歴もあり、かつての要人との対談の逸話も多くあり、また語り・つかみが上手なので、そうしたところから東南アジアに興味を持ちやすい本だなあと感じました。
    ほんの初歩の初歩としては良いかもしれませんが、ただ深さとしては飽くまで高校生レベル。

    ・・・
    さて、本書ですが、かの池上さんが、高校生に東南アジア、わけてもいわゆるアセアン諸国について語るというもの。

    日本の立ち位置で一章、アセアンという組織の由来とベトナムで一章、シンガポール・マレーシアで一章、インドネシアで一章、タイとフィリピンで一章、カンボジアとミャンマーで一章、という構成。

    ・・・
    幾つか面白いなと思ったのは、シンガポールの「明るい北朝鮮」という形容と2018年の米・北朝鮮の首脳会談。

    シンガポールをして「明るい北朝鮮」というのは、東南アジア界隈にいればまあ良く聞く話。今や国民一人当たりGDPで日本の遥か上をいくシンガポールは、他方で報道の自由度等が極めて低く、政党政治にも自由がないことを揶揄する言葉です。

    そのシンガポールが米・北朝鮮の首脳会談の開催地になった理由は、トランプ大統領率いる米国から独裁北朝鮮への「シンガポールみたいなこういう統治方法もあるんだよ」というメッセージであったとかなかったとか。あるかもしれませんねー。

    ・・・
    あと、最後の章だけが国名ではなく個人名なのです。「ポル・ポトとアウンサン・スーチー」。より彼らの人となりと国の状況にフォーカスしているのが印象的でした。

    例えばノーベル平和賞を取ったスーチー氏ですが、ロヒンギャ問題には手つかず。政治的には隠然たる勢力を持つとか持たないとか。目下軟禁されていますが、クーデター前の軟禁状態時もかなり落ち着いた(恵まれた)環境にいたとあります。事の真偽はわかりませんが、一方的に虐げられていた印象が強かったのですが、そうでもないかもしれません。

    ポル・ポトについては個人的には既知でしたが、共産主義の行き過ぎと抑止できなかった政治体制については高校生として学んで悪くない箇所ですね。分かりやすい説明でした。

    ・・・
    ということで池上氏による東南アジア入門でした。

    ニュースの報道というのは本当に表面の事実だけしか伝えず、その背景は個々人は全く分かっていなかったりすることは多々あります。その背景を知るには歴史でしょうが、そうした歴史を知るきっかけ、「なぜこの国はこうなの」という疑問を持つきっかけとしては、本書は絶好のフックになり得ると思いました。

    中高生のみならず学びたい大人にもお勧めです。

  • 世界を知ることは、日本をもっと知ることだ!

    つい先日、知人が出張でマレーシアに行ってきたという話を聞いた。
    『あ〜マレーシアね・・』
    全く会話が続かなかった。
    なぜならマレーシアがどこにあるのか、どんな国なのか全く知らなかったからである。

    そこで他の国の事も知りたいと思い本書を手に取ったのである。
    本書を読めば東南アジアの国々の事が11ヵ国それぞれ興味深いエピソードと一緒に歴史や文化を知ることができる。

    中には日本人として知っておかなければならない暗い過去の事実もある。
    (WWⅡにおけるシンガポール攻撃に伴う虐殺など)
    このような事実は知らないでは済まされない。
    グローバルな世界を生きる現代人として知っておかなければならない常識だと思った。
    他にも、ふわっとしか知らない事が学べるので是非読んでみて欲しい。

    ⚪︎マレーシア・・マハティールという人物によって発展を遂げた国。マレー人を優遇している。
    ルック・イースト政策を掲げ日本を成長のモデルとしていた

    ⚪︎ミャンマー・・アウンサンスーチーさんの光と影(いい人なんだなーでは終わらせない。ぜひ読んでください。面白いです!)

    ⚪︎タイ・・仏教国。朝夕に国家が流れ全員が立ち止まる。東南アジアで唯一植民地とされなかった国。

    ⚪︎カンボジア・・アンコールワットが有名。ポル・ポトという独裁者により大虐殺が行われた歴史をもつ。

    ⚪︎ベトナム・・ベトナム戦争。(指導者ホー・チミン)アメリカ唯一の敗戦。社会主義国家。ベトナム共産党の一党独裁。バイク多い。コーヒー豆の生産量世界2位。

    ⚪︎フィリピン・・キリスト教の国。治安は随分良くなってきているとの事

    ⚪︎シンガポール・・初代首相リー・クアンユー。
    マレーシアから独立したビジネス大国。法人税率が最高22パーセントと日本の半分以下。面積は東京都23区と同じ大きさ。徹底した監視社会である事から明るい北朝鮮と呼ばれる事もある。

  • いいね〜。タイ赴任したい。東南アジア制覇したい。あったかいところ住みたい。

  • 視野を広げるためにどこか海外の人と現地で交流してみたい、せっかくなら今勢いがあって且つ身近な国がいい、どこがいいか検討材料を得よう という動機で読んでみた。

    その結果、少なくとも東南アジアはかつての日本の影響もありどの国も複雑な背景を抱えており、生半可な覚悟では近づいてはいけない国かもしれないと思った。
    というか、それぞれややこしいながらも魅力的なお国柄であり、日本にとっても大事な存在であり、本気の覚悟を持って学びに行ってみたい国だと思った。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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