おかげさまで、注文の多い笹餅屋です: 笹採りも製粉もこしあんも。年5万個をひとりで作る90歳の人生
- 小学館 (2018年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093885980
作品紹介・あらすじ
笹餅で人を幸せにする、津軽の現役90歳
パワフルなおばあちゃん産出県の青森から、また注目のおばあちゃん!
太宰治の生地として知られる、津軽半島の金木町に住む、90歳の笹餅名人、桑田ミサオさん。
60歳で作り始めた笹餅が評判になり、75歳で「笹餅屋」を起業。
ストーブ列車で有名な津軽鉄道で販売する姿は、何度もメディアに登場、全国から注文が届く。
1年分の笹を採り、地元の材料で作り、儲からなくていいからと安価で販売。
ずっと愛され続けている。
笹餅だけで、1年間に5万個以上を作る。
ミサオさんの、生活哲学・創意工夫・こだわりが、青森の郷土菓子・笹餅作りに凝縮される。
パワーと明るさで人を癒やすミサオさんの魅力を、津軽の風土の写真とともに紹介。
工夫の証、「笹餅」「こしあん」「赤飯」「おはぎ」のレシピも掲載しています。
聞き手は、ノンフィクション作家・島村菜津さん。
「お餅が、地元に残るお年寄りと都会に出ていった若者たちを結ぶ。被災地の若者たちと都会の若者たちを結ぶ。そして、津軽のおばあさんと日本中のいろいろな人を結ぶ。ミサオさんの笹餅は、まさにお餅の原初的な力を思い起こさせてくれる」
【編集担当からのおすすめ情報】
担当編集者、じつは津軽の出身です。
子どものころから食べた笹餅と、ミサオさんの笹餅には大きな差がありました!
青々とした笹の香り、驚くほどの伸びとなめらかさ、柔らかさ。
作る姿も、速さ、正確さ、美しさ・・・職人です。
お土産に笹餅をあげた人々が、みな驚きます。
やさしい甘さ、清らかな味、食感。
そして、このすごいお餅が、2個で150円ということ!
ミサオさん本人がまた、すごいのです。
一緒に笹採りに行ってみたけれど、誰よりも早く山に分け入り、たくさん採る。
風に負けずに、さっそうと自転車に乗る。
ずっと立って作業して、座らない・・・。
ハリのある肌、よくしゃべる、冗談も言う。
全く、ほんとに90歳ですか???と、誰もが思うのです。
「こんな人に、私もなりたい!」
感想・レビュー・書評
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おかげさまで、注文の多い笹餅屋です
笹採りも製粉もこしあんも。年5万個をひとりで作る90歳の人生
2018.01発行。字の大きさは…大。
桑田ミサオさんの本を読むのは初めてです。読んでいて元気が出て来ます。
津軽半島のなかほどにある五所川原市の金木町で、笹餅を作っています。この本を発行した時が90才ですから、いまは、92才になります。
「27㎏の米袋が1人で担げなくなったら、きっぱり餅づくりを止めると決めています」作る限り、日々工夫をして、美味しいものを作りたいと試行錯誤しています。
75才で起業(個人事業主)して、笹餅を通じて多くの人と繋がり、積極的に人生を楽しんでいるのは、素晴らしいです。
2020.08.30読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミサオさん、かっこいい。人生の師匠と呼ばせて頂きたい。
プロフェッショナルを見てミサオさんを知りました。
この本が出たのは2年前、今は93歳なんですよね。
TVで拝見する限りでも自転車は乗りこなすに、笹餅作り、笹を一人で取りに行く事から何から何までお一人でされてる姿、やっぱり働いてる人は健康なんだなって思いました。
本当にミサオさんが作る笹餅美味しそう!
遠いから食べれないのは残念ですが、絶対美味しい。
これは直接青森まで行って買ってくださいって感じ。
愛情満載で手間暇かかってるから発送してくれなんてお願いできません。
テレビで見てても表情もお若いし、話し方も優しさが溢れていて、いつまでもお元気でいていただきたいです。 -
1年に5万個もの笹餅をつくるミサオおばあちゃん。
75歳での起業ととにかくバイタリティ溢れていて、頭が下がる思いと同時に勇気をもらえる。愛される人というのは常に誰かのために動いているのですね。
p102
・"十本の指は、黄金の山"
ーミサオさんのお母様の言葉
この指さえ動かしていれば、お金に不自由することはもない。だから何でも作れるものは、覚えておきなさい。
p 110
・御仏というものは、自分自身にあるのではないでしょうか。いくら信仰しても、不平不満を抱えているような心では、救われないんじゃないかと思うのです。どこのお寺、どこの神仏ということではなくて、大切なのは自分自身です。物事は、自分の受けとり方一つで、何とでもとれます。不安や怒りを感じる時には、自分が今も未完成なのでこういう気持ちになるんだなと考えるようにしています。〜あるのはただ感謝の心です。
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人として生まれてきて「人生とは?」と問いかけられたら、たぶんミサオおばあちゃんの生き方は答えのひとつだと思う
60歳から本格的に笹餅作りをはじめ75歳で起業、笹採りから製造、時には販売まですべてひとりで行い、年間5万個もの笹餅を作り続けるミサオおばあちゃん
90歳を過ぎたいまでも母の教えを守り、“自分が食べるもの、自分が着るもの、自分が使う道具は、できるだけ自分で作る”
自然と共に暮らし、生きていくためには自分の仕事をつくる…ミサオおばあちゃんだけでなく、この時代の人たちはみんなやってきたこと
すこしでも見習いたい
金木町に笹餅買いに行かなくっちゃ -
テレビで見て気になって読んでみました。
内容は テレビとかぶる部分もありましたが
ご本人の言葉も多く 良かったです。
この年まで 動ける事に感謝して 儲け重視ではなく
食べた人が喜んでくれるのを 喜びとしているミサオさん。
お母さまの 「十本の指は、黄金の山」 の 言葉を常に心に留めて
指を動かしていれば お金に不自由しない。なんでも作れるという基本の
考えてずっと生活してきたそうです。
秘伝?の レシピも写真入りで載せていますので
太っ腹ですね~~~
青森 津軽は遠いなぁ~~
いつか 食べてみたいです。。。 -
NHKのプロフェッショナルをみてミサオさんを知る。映像でも感動したが、本を読んで更に感動した。こんな人がいるんだと。生き神様ではないかと思う。60歳から笹餅を作りはじめ、現在90すぎ。
お歳とは思えないストイックな生活。
本にあるミサオさんの詠む歌がとても素敵です。
なんども読み返したい。 -
「十本の指は、黄金の山」
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朝日新聞の「ひと」のコラムでこのおばあさんを知りました。まったく関連付けて読んでいる訳ではないけれど、読了したばっかりの大学選手権9連覇中の帝京大学ラグビー部の岩出監督の「最強のプリンシパル」に出てくる「ギバー」というキーワードを思い出しました。これからの働き方で重要になると言われている概念です。ミサオさんはまったくもって「与える人」。自分の持っている経験や技術を分け隔てなくみんなにふるまっていく。年間のもうけが40万。でも年金を含めそれで笹餅屋が続けられるのなら出来るだけ自分の作った笹餅を安くみんなに届けたい。その気持ちがミサオおばあさんの笹餅の味なのかもしれません。それよりも凄いのは定年後に畑を始めたり、75歳で起業したり、作り方もどんどん進化させていく、後を振り返るのはもったいない、とばかりに90歳になっても成長を続けていく姿です。東日本大震災被災地の高校生に千個の笹餅を届け「おばあちゃんは、75歳で起業してすごい。僕らは、まだまだ若い。僕らに希望を与えてくれてありがとう」と言われ、またがんばろうと思う…「与える」のが上手い人は「もらう」のも上手な人なのだと知りました。ミサオおばあちゃんから高齢化社会の生き方を「もらわ」なくちゃ!
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一生懸命に生きるおばあさんだ。