池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾: 分断か融合か

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093885041

作品紹介・あらすじ

池上彰が中国・香港・台湾の最新情勢を解説

池上彰が独自の視点で、世界の国と地域を解説する『池上彰の世界の見方』シリーズの3冊め。中国・香港・台湾を6つのテーマから読み解きます。
1.「分断の歴史」~なぜ「3つの中国」に分かれてしまったのか? 親日の台湾、反日の中国、正反対のわけは?
2.「共産党による独裁」~なぜ中国では、政治も経済も教育も共産党が支配するのか? 一党独裁の○と×
3.「中進国の罠」~なぜ中国が経済失速から抜け出すのが困難なのか?
中国と一体化する台湾経済の運命は?
4.「破壊された文化」~なぜ、いつ、中国人の道徳観は破壊されたのか?
中国の失われた世代とは?
5.「ひまわり&雨傘」~なぜ学生運動が台湾では成功し、香港では失敗したのか?
6.「外交戦略」~なぜ中国は南シナ海を埋め立てるのか、本当の理由は台湾にある?
中国・香港・台湾の分断の歴史から現在に至るまでの基礎知識と、最新情勢が1冊でわかる初めての本です。都立桜修館中等教育学校3年生への特別授業をもとに構成しています。




【編集担当からのおすすめ情報】
中国の解説本はたくさんありますが、中国・香港・台湾を包括的に、わかりやすく解説した本は見当たりません。平易で読みやすく、目からウロコの池上さんならではの一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 中国は、社会のしくみが日本とは全然違うので、すごく面白かった。
    なぜ毛沢東がずっと権力を握っていられたのか、中国という広大な土地を支配するのには一党独裁が良かったのだろうかなど、色んな疑問が湧いた。


    少し古いけど、歴史を理解するにはとてもわかりやすい。オススメのシリーズです。

  • T図書館
    シリーズ3 2016年
    中等学校の2日間の授業を元にした本
    地図と年表あり
    1章 分断の歴史から見る中国台湾香港
    2章 共産党による独裁から見る中国
    3章 中進国の罠から見る中国
    4章 破壊された文化から見る中国
    5章 ひまわり&雨傘から見る中国台湾香港
    6章 外交戦略から見る中国

    《感想》
    新しい本だけ読もうとしたら、こちらの本を参照してという箇所があったので両方読んだ
    非常に丁寧に書かれて勉強になった

    中国が発展したのは毛沢東から
    昔は人権ごない国はたくさんあったが、いまだに人権が薄い(ない)国だ
    逮捕はするけど処刑はしないか…
    中国の言動は目が離せないし、香港と台湾がどうなっていくか興味深い

    新疆ウイグル自治区のウイグル人はトルコ系のイスラム教徒の人たち
    ブータンとチベット自治区の南東
    この場所は誰も支配してない地域で、今も中国とインドが対立している
    両自治区共に、中国の性格上、武力で押さえ込まれている
    ウイグル人もチベット人も本音はそれぞれのアイディンティティがあると理解した

    上海のSNH48のエピソードで、選挙をすることができて、参加した人たちがひどく感動したそうだ
    民主主義には無縁の人々だから

  • 東京都立桜修館中等教育学校での授業 2016.10

    ・中国は漢民族が90%、それ以外に55の民族がいる。
    ・「自治区」は少数民族による自治が認められている地域
     
    <台湾>
    ・清朝は「化外の地」として台湾は重要視していなかった
    ・日清戦争の後、1985年の下関条約(日清講和条約)で日本が初めて得た植民地。
    ・第二次世界大戦後、日本支配から国民党支配へ、
     「イヌが去ってブタが来た」戦後台湾人の言葉。日本軍はいろんな事に口を出して嫌だが番犬の役割はあって自分たちを守ってくれた。だが国民党軍はむさぼるばかりで何もしてくれない。

    <香港>
    ・アヘン戦争で最初イギリスが奪ったのは「香港島」で、その後九龍半島南部とともに永久割譲。99年の租借地は九龍半島南部とランタオ島。
    ・全域返還したのは、香港島は水も食糧も九龍半島に依存しており、香港島を残すと香港島の人が困るため、香港地域全域を中国に返還した。

    <マカオ)
    ・16世紀、ポルトガル人は明王朝と交易を通じマカオの居留権を得ていた。領有権は明 →1845年、アヘン戦争に刺激を受けポルトガルもマカオを占領し、1887年に正式に統治権を獲得。→1974年4.25 ポルトガルで社会主義革命が起き(カーネーション革命)、ポルトガルはすべての植民地を放棄 →1976年、マカオの行政や経済の自治が認められた。→1999年、正式に中国に返還。正式返還に20年かかたのは香港で動揺が起きるのを中国が心配したためといわれる。

    <中国>
    ・中華人民共和国憲法に「中国共産党の指導に従う」と定められており、まずは中国共産党があり、その下に憲法が存在する。憲法をどう解釈するかは中国共産党が決めている。→国家の上に共産党が位置する
    ・共産党トップ=共産党総書記(習近平)
     「中国共産党全国代表大会」5年ごと開催、共産党員の地方代表者が集まり、総書記など要職を選出
     「中央委員会」年1回。全国代表大会で選ばれた委員204人からなる。
     「中央政治局」月1回。中央委員の中から25人が選ばれる 
      ●「中央政治局常任委員」政治局員25人の中から7人選ぶ。中国共産党の大幹部。日本の与党の要職と大臣を兼務するようなもの。この7人の集団指導体制で国家運営に関するすべてを決める。現在常任委員トップ(序列1位)は習近平総書記。

    ・政府「全国人民代表大会」年1回
        「国家主席」(習近平)
         「最高人民検察院」「最高人民法院」「国務院」

    <反日教育>
    ・天安門事件以後、中国共産党の正当性が問われた。なぜ共産党が中国を統治しているのか、その理由を明確に示す必要があった。
    ・かつて日本統治のせいで中国国民は貧しく厳しい生活だった。その日本軍と戦い中国を解放したのは共産党だ、という教育。最初から反日を意図したわけではないが、結果的に「愛国教育」は反日教育になっていった。
     ・・中国の民主化が進めばあえて反日感情を煽る必要は無くなる。

    ・チャーチル「民主主義は最悪の政治といえる。これまでこころみられてきた、民主主義以外のすべての政治体制を除けばだが」 ・・私たちは、よりましなものとして民主主義を選んでいるのだ(池上)

    ・昭和30年代までは日本も下水道なく、道路に痰をはいたり、列車の中もゴミはイスの下に(そういえば四角い竹かごにゴミを入れながら女性が汽車の中を回っていた)→中国を笑うことはできない

    <国の豊かさが戦争を抑止する>
    ・イスラム過激派、人生に絶望した者は何も失うものがなく、自爆テロなどに走る。しかし働き場所があって家族と幸せな生活をしている人は失うものがたくさんある。そんな人はまず自爆テロをしようとは思わない。

    2016.11.20第1刷 図書館

  • 孫文から習近平に至るまで、中国の近代史をわかりやすく説明。毛沢東の大躍進政策や文化大革命の説明は特にいつ見ても信じられないことの連続だが、現在の一党独裁体制も本質的には当時の問題点を孕んでいるのだと強い警戒を覚える。

    2016年あたりの本なので例えば2019年の香港におけるデモに関する記載はないが、中国、香港、台湾の歴史の基本はしっかり学べるので読んで損はない。

  • 共産党の独裁や、中国の今までの紆余曲折の歴史などを中心に学べる本です。

    コロナ前は、中国人の民度が低いとか、マナーが悪いなどと言われていましたが、日本人も以前はそんなことを平気でしていたことが分かり、民族で括るものではないなと感じました。

    毛沢東のとてもまともではない無茶苦茶な政策は、詳しく知らなかったので、驚きでした。権力の座に居座ると、こういう事がどこでも起こりかねないと、感じました。

    今は特に、勢力を伸ばしつつある一方で、陰りも見えてきている中国。まだまだ中国の動き次第で、日本も含め世界に大きな影響を与えそうです。

  • 中国の直近の歴史を深く知ることができた。現在中国が問題視されている、一帯一路問題、南シナ海の問題、新疆ウイグル自治区問題が、なぜ起こったのか、理由として、明時代の偉大な国を取り戻したいという考えがあるからだとわかった。他国の歴史を学ぶことで、世界がより鮮明に見えてくる。

  • すらっすら読めます。学生向けの授業を本にしているので非常にわかりやすく、それぞれの国の背景についてしっかり学ぶことができました。
    こんなにスラスラ読めるなら、他の著作も読みたいです。

  • 中国人だから列に並ばない、は間違い。昔は日本もそうだった。●●だから、と決めつける考え方はよくない、というのを何度も語っていたのが印象的。

    中国にも台湾にも何度か行ったことがあるが、深く知らないで旅したことを残念に思った。

  •  わかりやすかったです。
    中国という国がなんとなくわかりました。成立から文化、思想、行動様式など全然違いますね。

    中国にとって中国は世界の中心なんだなぁと感じました。

  • 社会主義の政治によって中国の生活や価値観は時代に大きく左右されているのが分かった。今後の中国の動きも気になるようになった。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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