銃口 (上)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 67
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093871136

作品紹介・あらすじ

昭和元年、北森竜太は北海道旭川の小学4年生。納豆売りをしている級友芳子に対する担任坂部先生の温かい言葉に心打たれ、教師を志す。日中戦争が始まった昭和12年、小学校教師となった竜太は、生徒をいつくしみ、芳子との幸せな愛をはぐくんでいた。その二人の背後に無気味な足音-それは苛酷な運命の序曲だった。三浦文学の最新長編。

感想・レビュー・書評

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  • 今はご法度とされてることがさも当然かのように言われている戦前戦時中の教育。これがかつての日本か〜って思うと驚きしかない。
    坂部先生にしろ木下先生にしろ何か1つでも信念持って生きている人って、先生じゃなくでもなんであってもやっぱり素敵だなって思う。

    さっきまで大学のゼミで聞いた講演の内容とかこの本の教育系とか色々重なって思うところがあって、やっぱり私教育系に進みたいんだなって再確認。とりあえず今私に出来るのは目の前の学校の授業の中で自分の考えと意見をもつこと、課題しっかりやること、保育士試験の勉強しっかりやること、かな〜。

  • とても勉強になりました。
    恩を返したと思うことが最大の忘恩

  • 小説ではあるけれど、これに似たようなことがあったと聞く。長女にすすめたら、心に打つものがあったらしく、読書家の友人にすすめていて、その友人も読んでよかったと言っていたらしい。

  • 三浦綾子氏の作品は、ほんとに久しぶりに読みました。
    平易な言葉遣いと筆者のやさしさが全体に溢れていて、重たいテーマですが、温かな気持ちをいただきました。
    読みやすい作品です。

    綴り方=今で言えば感想文??に対する弾圧は、初めて知ったし、それで赤だと拘留され、職まで無くす時代。

    あと、キリスト教もその対象となっていることもあまり知らなかった。

    人間関係のなかで、下巻での劇的な再会、尊敬できる上官との出会いなど、よかったのですが、全体的に登場人物の設定が弱い気がしました。

    特に劇的な再会(名前はネタばれなので)の部分は、それを可能にした主人公の父親の姿があった訳で、もう少し描写があってもよかったと。

    主人公と幼馴染の芳子の恋愛は、戦中、戦後という時代背景はありますが、素敵ですね。

  • 旭川などを舞台とした作品です。

  • 昭和のはじめ、日本が戦争への歩を進めている頃の北海道が舞台。
    質屋の息子北森竜太は小学校で尊敬する恩師と出会い、
    師のような立派な教師になることを夢見て勉学に励んでいた。

    戦争へと突入していく時代を生きた若者の物語です。
    この竜太、真面目で賢くとてもいい男なんだけど、
    女の子には全く近づけないウブで純粋な人間でもあって、
    恋に関する描写では、色々と突っ込みたくなったりして、
    読んでる方としては焦れったくてたまりません。
    それでも、そこが良かったかな。

    著者の文章に馴れるのに時間がかかり、
    激動の時代ではあるけれど特段珍しいこともない日々が
    延々と描かれていて、読み進めるのに相当な時間がかかりました。
    しかし、最後の最後で急展開。
    続きが気になります。

  • 昭和元年、北森竜太は北海道旭川の小学4年生。納豆売りをしている級友芳子に対する担任坂部先生の温かい言葉に心打たれ、教師を志す。日中戦争が始まった昭和12年、小学校教師となった竜太は、生徒をいつくしみ、芳子との幸せな愛をはぐくんでいた。その二人の背後に無気味な足音―それは苛酷な運命の序曲だった。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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