- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093866569
作品紹介・あらすじ
直木賞作家が描く、「今」と「これから」 まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。 誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。 何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。 【編集担当からのおすすめ情報】 現在の仕事に就くずっと前から、大島さんが描く、女性の生き方小説の世界が大好きでした。大島さんにお会いしてからもずーっと「現代の女性の生き方小説をお願いします!」と拝み続け、いつも「心と頭が江戸時代あたりにあって、現代に戻って来れないのよ~」と笑い飛ばされる日々……。でも、ある日、扉は突然開きました。「今、今なら書ける!今はこの小説を書かなければいけない時期!」と奇跡のような言葉が。何の確証もないまま、電車に揺られて山梨のワイナリーに取材に行ったのでした。 そこからは奇跡の連続でした。大島さんの中には、16年前の「あの」人々がずっと生活をして歳を重ね、自分達の人生を歩いていたのです。 直木賞作家・大島真寿美さんにとって、実に12年ぶりの書き下ろし作品。さらに、作家生活30周年記念作品でもあります。 初稿を読んだときは胸が一杯になりました。すごくさりげなく、でも人生に大切なことがたくさんたくさん詰まっているからです。大人、かくあるべし。 是非、この心地よい小説世界にどっぷりと浸かってください。
感想・レビュー・書評
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心情や人間関係について延々と続く文章。
うーん、あまり合いませんでした…
図書館の予約でかなり待たされて期待・大になっていただけに残念。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先が見えないのに「今だ!」と勢いよく辞めてしまった28歳の美月が、転がり込んだ先は、母の親友である市子の家。
昔馴染みの母の知り合いたちに囲まれて過ごすうちになんとかなりそうと思う美月が、これがやりたいと思って行動したのは、葡萄ジュースを作ることだった。
コロナ禍で、周りの状況も変化するなか、市子を始め三宅ちゃんや辻房恵さんという個性の塊とのやりとりがなんだか心強くて頼もしく感じる。
コロナ禍で動きが取れないなどと言いながらいろんなところで関係が出来、新しいことの始まりもある。
よくある普通の日常で会話なんだが、人との繋がりで一歩前進しているのだ。
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主人公・美月は28歳、独身。仕事に虚しさを覚え会社を辞職して母の友人宅に居候…。コロナの蔓延、将来の見通しもなしですが、物語を読み進めても、あまり深刻さ・暗さを感じません。
おそらく、良くも悪くも、美月が幼少期から年上世代の中で育ち、漫才の掛け合いのようなやり取りができる性格であること。また、「 」の会話文だけでなく、軽口の話し言葉表現が多用され、テンポのよい読みやすさを生み出している為だと思います。
人との繋がりが新たな仕事への関心に結びついていきます。そして、葡萄の収穫で感じた一粒の美しさ・美味しさ、楽しく心地よい開放感で心が満たされた光景が、自分やぶどうの成長につながる新たな出発点となるいう象徴的な描写が良かったです。
「無職。まだこれから何にでもなれるってこと。ぐらぐらの時期にやってたことが、あとあと意味をもつ。」という言葉は、読み手にとって良いエールでした。苦しみながらもがくことも大事なんですね。
本作には、前編となる2作『虹色天気雨』『ビターシュガー』(私は未読)があり、本作の主人公・美月の母の恋愛&友情の物語となっているのだそうです。
予備知識なしで読み始めましたが、登場人物の関係性など、理解に支障はありませんでした。-
無職。からのことば、とてもいい言葉ですね、いつもすてきな感想で世界を広げてくださりありがとうございます!無職。からのことば、とてもいい言葉ですね、いつもすてきな感想で世界を広げてくださりありがとうございます!2022/10/28
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しろくま みかんさん おはようございます。
コメントありがとうございます。
くすぐったくなるようなお言葉、感謝です。
自分の読書記録のため...しろくま みかんさん おはようございます。
コメントありがとうございます。
くすぐったくなるようなお言葉、感謝です。
自分の読書記録のためだけに始めたブクログでしたが、ちょっとしたきっかけでレビューを書き込み、他の方と感想を共有できる別の良さにも気付かされました。
他の方から多く与えられているので、少しでも何か与えられたら幸いです。
でも、まずは自分の記録用というスタンスが一番ですね。
今後ともよろしくお願いします。
2022/10/28
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読書備忘録715号。
★★。
小説って、主人公に感情移入出来なかったり、生理的に受け付けない、という事態に陥ると読むのも苦痛になる。笑
さらに、作風が好みに合わないと更にやばい。
この作品がまさにそうでした。
主人公美月。アラサーで大手化粧品メーカーに勤める。もう仕事無理。タイミングが肝心とばかり、辞表を叩き付けて会社を辞める。
だけど、蓄えに不安があるので賃貸を解約。どこに転がり込むか。頼ったのは母親の友人市子さん。市子さんなら泣き落とせば住まわせてくれるはず。
そして、物語を通じて美月一人称の語りという作風で進む。イライラ。笑
自分は何をやりたいのか?自分探しの時間?他人に施しを受けた環境で?
とにかく作者の考え方を、美月を通して読者に伝えようとしているのだろうが、ここまで無計画な人間が、周囲の優しい方々に甘やかされて、成功していくってストーリーは、受け入れ難い。こんな甘い世界があるなら、コロナで職を失って炊き出しに並んで辛うじてその日を生きる、ということを強いられている方々はどうなのよ?と言いたくなる。
大手企業という、いわば温室的恵まれた環境(事業も多面的だし、職種も豊富で、様々な選択肢と福利厚生が整っている)において、ちょっとも努力、我慢が出来なかった人間が、いきなり一人で生きていくという野ざらしの厳しい環境に晒されたら、周りは助けてくれるわ、主人公のやってみたことにお金を払ってくれるわ、あり得ない。
そんな作風の作品が多い作者のようですね。
数日の通勤時間を無駄にしました。笑-
電車の中でマスクから覗く眉間のシワは相当なモノだったと思いますが、やり切りました!
達成感半端ないっす。★5つです!電車の中でマスクから覗く眉間のシワは相当なモノだったと思いますが、やり切りました!
達成感半端ないっす。★5つです!2023/02/16 -
2023/02/16
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2023/02/16
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とても読みにくいし私には合わなかった。
美月にいらっとする -
コロナ禍での親戚のおばちゃんや姪っ子達のおしゃべりを聞いているかのような小説でした。
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今までイメージしてきた著者とは違うテイストで、かなり戸惑いながら読み進める。
というか、1人称ぶっちぎりの流れでなかなか一息付けない。若いからかぁ(笑)
題名が出てきたところで、ようやくこのお話の面白さに目覚め、そしてその前のお話が2編もあることを知ることとなる。
いろいろなコロナ禍を舞台にしたお話を読んできた中で、もやもやした思いをいちばんしっくりと代弁してくれている気がした。 -
30目前にして仕事を辞めた美月が、やりたいことをみつけるまでの日々が、ゆるゆると独り言のように綴られている。
SNSでおすすめしている人がたくさんいたので読んでみたけど、私にはあまり合わなかったかも。 -
久しぶりの現代小説、コロナ禍だからこそ読んでほしい元気もりもり小説題名の『たとえば葡萄』の葡萄を思い浮かべて紫色で読んでしまいました。明日への活力がわいてくる今の元気小説です。