「音楽狂」の国: 将軍様とそのミュージシャンたち

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798785

作品紹介・あらすじ

「北朝鮮音楽」で独裁国家の謎を斬る!

秘密のベールに包まれた国、北朝鮮。

その内なる声を聞くため、筆者は「音楽」という独自の切り口で
5年間にわたり、かの国を追った。

なぜ、北朝鮮の音楽は「歌謡曲風」なのか。
なぜ、北朝鮮では「ロック」や「ジャズ」は拒絶されるのか。
なのになぜいま、「ロッキーのテーマ曲」を美女楽団に演奏させるようになったのか。

そうして筆者はある結論に辿り着いた。
「政治のために音楽を利用したのではなく、音楽マニアが国を治めた」

“独裁者”かつ“音楽狂”の思想がいま、明らかになる。

【目次】
序章 モランボン楽団の伝説公演
第1章 ピアノ教師との個人レッスン
第2章 将軍様と音楽
第3章 金正日のミュージシャン
第4章 「自由の風」を許した金正恩
第5章 次世代の「音」を求めて

【編集担当からのおすすめ情報】
奇妙なほどに統制された軍隊。
迫るようなアナウンサーのしゃべり方。
そして国民の無機物のような笑顔。

北朝鮮は独特な雰囲気を持つ国だ――そう感じる方は少なくないでしょう。

何が彼らをそうさせてしまったのか?
既に様々な議論がされてきたなかで、新聞記者である筆者は独自の切り口として「音楽文化から北朝鮮の国民性を紐解いてみよう」と奮い立ちました。

北朝鮮ピアノ教師に体当たりレッスンを受け、金正日が記した本を分析し、そして北朝鮮内閣機関職員への独占取材。その他さまざまな取材の結果たどり着いた、新たな結論とは。

読み進めるほどに、かの国への疑問が氷解するでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:762.2A/N86o//K

  • 「政治が音楽を利用したのではなく、音楽マニアが国を治めた」(p.18)

    プロパガンダ音楽の「元帥様」の部分を、ゴスペルなら「ジーザス」やヘヴィメタルなら「悪魔」と入れ替えれば同じというのは、そうかもしれませんね。

    「音楽を巧みに操りながら最高指導者への道を切り開いた音楽マニアは、優れた音楽がどれほどの浸透力と破壊力を持っているのか熟知していた。だからこそ、自身が権力基盤を固めたあとは、執拗なまでの現場介入によって、国民が聴くことのできる音楽をすべて「金王朝の応援歌」に塗り替え、音楽の持つパワーをそぎ落した」(p.26)

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