国家のシロアリ: 復興予算流用の真相

著者 :
  • 小学館
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798563

作品紹介・あらすじ

復興予算19兆円を奪ったのは誰だ!

「復興予算19兆円を奪ったのは誰だ!」――「復興予算流用問題」を週刊ポストでスクープした記者が、「流用はなぜ、どのようにして起きたのか」「流用を仕組んだのは誰だったのか」を徹底検証した小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞作。
東日本大震災からの「復興」という名目で、政府は19兆円にも及ぶ「復興予算」を組んだ。ところが震災から1年以上が経過した2012年中頃、その復興予算の大半が、被災地とは「無関係」の事業に使われていることが明らかになった。霞が関の合同庁舎、捕鯨のシーシェパード対策に次世代原子力の核融合計画まで、目を疑うような「予算の流用」が、霞が関の主導で公然と行なわれていた。
〈彼らは何も、意図的にこの国を壊そうとしているわけではない。彼ら個々人は、みな有能で優秀で、そして仕事に忠実な「働きアリ」のはずだ。しかし、組織における働きアリが、国家にとってはシロアリと化してしまうのが、この国の現実である。〉(本文より)
流用はなぜ、どのようにして起きたのか――その全過程を辿ることで、政治家、官僚、そしてメディアまでが一体化した「日本というシステム」の構造的欠陥を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 国家のシロアリ:復興予算流用の真相。福場ひとみ先生の著書。復興予算がそれを本当に必要としている被災地や被災者のために使われるのではなく、政治家やお役人の利権拡大のために使われるなんて絶対にあってはならないこと。人の不幸につけこむようなやりかたで私腹を肥やしているような人はまさにシロアリ、人間失格、厚顔無恥の恥知らずです。

  • 2011年3月11日、東日本を中心とした大震災と津波による沿岸部の被害、そして、東京電力福島第1原子力発電所からの放射性物質の漏洩・・・。その後に「復興予算」と言う名の特別会計が立法府で作られ、被災地と関係の無い場所で多額の税金が使用されています。その結果として現在もなお、東北地方の復興はまったくと言って良いほど進んでおらず、復興のために儲けられた特別会計「復興予算」が、流用されている現実を、著者の取材で明らかにしています。

    この本を読んだ感想を率直に書くと「日本に税金を払うのがとても馬鹿馬鹿しい」といった印象です。

  • 国民の税金は無駄なコトに使われるという事例集
    復興と名を付けさえすれば無尽蔵の額が地域も用
    途も関係なく使える・・・この誘惑に勝てる官僚
    はいない、令和になってからも新型コロナと名を
    付ければ・・・歴史の愚かな部分はトレースしや
    すいのだろう『税金払うのバカバカしい』と実感
    できる良書です(´・ω・`)

  • ふむ

  •  
    ── 福場 ひとみ《国家のシロアリ;復興予算流用の真相 20131212 小学館》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4093798567
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BB%B0%C2%F0+%C0%E3%BB%D2
    ♀三宅 雪子 元衆院議員 19650305 America 東京 20191230 54 /入水 2020010. 遺体発見
    /民放記者 2009 衆院選群馬4区に民主党(1)/石田 博英の外孫
    /20100512 間接転倒 0513 車椅子で登院、松葉杖で再転倒“小沢ガールズ”
    https://togetter.com/li/1452290
     
    http://a.msn.com/01/ja-jp/BBYG0RD?ocid=st
    …… 交流あったジャーナリストが明かす「暗中模索」20200107 07:00
    © NEWSポストセブン 提供 遺体は芝浦の海岸で見つかった(時事通信フォト)
     三宅雪子・元衆議院議員の突然の訃報に、衝撃が広がっている。自殺
    とみられ、自宅から遺書のようなものが見つかったと報じられているが、
    いったい何が彼女を追いこんでしまったのか。死の直前まで交流のあっ
    たジャーナリストの福場 ひとみ氏が、彼女の知られざる落選後の人生
    を明かす。
     * * *
     今回の訃報を聞いて愕然としてしまった。生前にもっと彼女の再起を
    サポートできればという悔いが募る。週刊誌の取材記者をしていた私が
    三宅雪子さんを取材したのは、2017年のこと。そのとき彼女はすでに落
    選していたが、議員らの政治活動に頻繁に顔を出すなど政治活動をつづ
    けていたので当時の選挙事情にもとても詳しかった。以降、時々食事し
    たり電話で情報提供を受けたりする関係だった。
     彼女に会いに行くと、自宅マンションにどうぞと案内された。自宅は
    港区一等地の閑静な住宅街にあり、広々としていた。労働大臣・運輸大
    臣・内閣官房長官を歴任した故・石田博英氏の孫で、父は外交官、生ま
    れはワシントンD.C.。全盛期のフジテレビに河野景子、有賀さつきらス
    ター女子アナの同期として入社し、小沢一郎氏の後押しを受け政治家に
    なり、政権交代でいきなり与党議員に。落選したとはいえ、恵まれた境
    遇を歩んできたように見えた。
     通常、取材とはいえ、初対面の人物を自宅に招き入れてくれる人はめ
    ったにいない。ところが彼女はあっさりとリビングまで案内してくれた。
    しかも部屋着のまま、ボサボサの髪でノーメイク。睡眠不足なのだろう
    か、目は半開きで表情も虚ろだった。初対面にもかかわらず、無防備さ
    をさらけ出していた。
     最初の取材の後、今度は彼女と自宅前にある高級ホテルのラウンジで
    お茶をすることになった。すると前回とは見違えるように、髪を整え、
    化粧をして、現役議員のころ“芸能人並みの容姿”と持て囃されていた
    時のようにキラキラとした姿になっていた。あとで彼女のツイッターを
    見てみると、久しぶりに美容院に行ってきたのだという。
     そのとき「実は、ルポライターとしてメディアで発信していくことを
    考えているんです」と相談を受け、彼女は考えてきたというアイディア
    を山のように話してくれた。現役の議員ではないにもかかわらず、彼女
    の得意とする厚生労働分野などの細かな動きに精通していた。聞くと、
    元国会議員の場合は煩雑な手続きなしで委員会を傍聴できるそうで、頻
    繁に通っているのだという。
     そして、彼女から自著や過去に書いた記事のコピーやサンプル記事、
    そして企画書をもらった。私から各種メディアに売り込んでほしいとい
    うことだった。「私の出した企画はいつも通るんです。いままで落ちた
    ことがない、必ず通るんです」と自信たっぷりに見せてくれた。その後
    も企画を出してくれるたびに、そう言っていた。
     サンプルとして渡してくれたものひとつに「小沢 一郎と私」という
    エッセイがあった。彼女の父と小沢氏との関係から始まり、自身が議員
    となるきっかけなどが綴られていた。ただ、こうした企画は「小沢
    ガールズ」として持て囃された時代には企画が通る場合もあったかもしれ
    ないが、旬を逸した話題を記事にすることは難しく、結局、世に出すこ
    とはできなかった。
     その後も、彼女とは時々連絡を取る関係が続いた。私が政治に関する
    漫画の監修をするといえば、自身の政治家としての経験を語ってくれる
    など、最大限の協力をしてくれた。
     彼女によると、雪子という名前は、吉田茂の妻として政界から人気の
    あった雪子夫人にちなんだ名前であり、吉田家と交友関係のあった父か
    らつけられたのだという。幼い頃から政治の世界と遠くない距離にいて、
    いろんな刺激を吸収してきたのだろう。彼女は多くを吸収する人で、多
    くの現役議員よりも勉強熱心だったように思う。
     彼女から発せられる言葉は力強かった。弱い立場の人に救いの手を差
    し伸べたいという政治に対する熱意を失っていなかった。フジテレビ同
    期である有賀 さつきさんが亡くなった際も、残されたお子さんのこと
    をとても心配していた。
     しかし、一方で、彼女が抱えている弱さも垣間見えた。彼女はインター
    ネットで元支持者から誹謗中傷を受けていることを気に病んでいた。
    「そんなことを気に留めていると精神的にもたないですよ」と言って聞
    き流していたが、当事者になると簡単には無視できないものなのだろう。
    彼女はネットストーカー問題の企画も多数提案してくれたが、それもな
    かなか企画には繋げられなかった。メディア関係者を直接紹介すること
    もしたけれど、元国会議員としての発信は色がつくと敬遠され断られる
    こともあった。
     それでも昨年、彼女は自力で日刊紙の連載の機会を得たようで、嬉し
    そうな連絡が来た。そして地方議会の議員としてローカルに活動する可
    能性にもチャレンジしたいなどとも抱負を語っていた。
     昨年11月に彼女から私に来た電話が最後だった。「今度、要人と会う
    から、三宅雪子のインタビューということで、どこかのメディアででき
    ないでしょうか?」という提案。私は可能性のありそうなメディアに打
    診してみたがいい返事は得られなかった。年明けくらいに編集者を紹介
    しますねと話したきりだった。彼女は「腰痛で痛い、薬を飲んでも耐え
    られないくらい激痛で辛い」と珍しく愚痴った。たまたま私もヘルニア
    を発症し歩けない状態だったので「たまたまですね、私もですよ」とい
    うと、そんなレベルじゃないんだと言っていた。
     落選してからの彼女は、長く暗中模索の様子だった。政治家として、
    世の中のために働きたいというエンジンがかかったまま、動かす場所を
    見失っていたようにみえた。それでも彼女はもがいていた。頑張ろうと
    してもがいてもがいて、そしてどこかで糸が切れてしまったのだろうか。
    今はただ、冥福を祈るほかない。
    https://www.msn.com/ja-jp/news/national/三宅雪子氏-交流あったジャーナリストが明かす「暗中模索」/ar-BBYG0RD?ocid=spartandhp
     
    (20200107)
     

  • 東日本大震災
    政治

  • この本はとても面白い。けれど、あんまり売れていないのかしら?何とか賞も取っているらしいのに。ここでもアマゾンでもあまりにもレビューが少ない気がする。
    この本を読んだら、多分なんか文句の一つや二つを言いたくなると思ったのですが。
    恐らくは、予算を取ってくる仕事をしている方たちはこの本の内容は業務の範囲だと思うから、我が事に思えてとても読みやすいはず。予算確保する難易度と規模に違いあるだろうけれど。
    それに上司、官僚からすれば政治家は現場を知らないというのも、また既視感があるだろう。その下の地方は国家公務員がまた現場を知らない上司として…ああなんだ日常か…休みの日にこんな本誰も読まないわ。

  • 防災というキーワードに当てはまれば打出の小槌のように予算が湧いて出てくる復興特別会計。復興予算が被災地外でも使えるとあって、各省庁がここぞとばかりに国の施設を最優先で執行。被災地で滞る執行を尻目にほぼ予算は100%の消化。復興予算流用の真相の全てが明らかにされている。圧巻は復興予算を拡大解釈し、流用に正当性を与えたとされる復興基本方針を定めた復興構想会議の恐るべき手口。外れた顎はなかなか戻らなかった。

  • 恐らく国民の誰もが一度は疑問視した事があるテーマ「震災復興」について、切り込んで取材をしてくれた本です。 私自身も含め、国民ひとりひとりの意識が大事で、日本という国の在り方を改めて認識された一冊です。 

  • 東日本大震災復興特別会計歳入歳出予定額名目明細書

    2011 7 29
    復興基本方針 全国防災という名目あり

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