Metro2033 上

  • 小学館
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本棚登録 : 188
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093567114

作品紹介・あらすじ

それは、華麗なデザインの駅が列なる、もう一つのモスクワ。しかし、2033年、その美しさの面影はない。核戦争で汚染された地上を逃れ、人々が生活の場所としたのがメトロの駅だった。主人公・アルチョムは自分が暮らす駅を救うため、モンスターや襲撃者が潜む、暗く、長いトンネルを旅する。その行く手に待ち受けるものは-?モスクワ生まれの作家が紡ぐ、驚きの近未来小説。

感想・レビュー・書評

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  • 核戦争後の荒廃したモスクワ。
    生き残った人々は、地下鉄の駅で不自由な暮らしを営んでいる。
    思想による地域の分断、巨大なネズミや〝黒き者〟の襲来。不便であっても生きてはいける義父との暮らしを置いて、アルチョムは都市を目指して歩いていく。

    少年が世界を旅する物語は、沢山読んできたけれど、『Metro2033』は、駅ごとに異なるコミュニティの描き方が楽しい。
    他の方のレビューで、ゲーム化されていることを知ったのだけど、確かにビジュアルで見てみたい。

    ストーリーとしては、周りが、大体ならずものばっかりで、アルチョムの銃がもらっては盗られ、もらっては盗られてばっかりする……銀河鉄道風味(そういうところもゲームっぽいけど)。
    まだまだ、最終目的地には程遠い上巻。

    下巻に続く。

  • ゲームが大変面白かったため原作を読みました!
    ゲームと設定が違う箇所が多々ありますが、小説ならではの心理描写が描かれてるため、両方の物語が分かるとより深みがでます。
    ゲーム3作目は未プレイですが、小説メトロ2033はゲーム1作目と2作目の内容が含まれています。

    この物語は新人類が深く関わる話のため、人類史(ホモ・サピエンスなど)の知識があると、現実味が出てより楽しめると思います!

    歴史を見れば新人類が現れる可能性は大いにある、我々ホモ・サピエンスは新人類とどう接していくのかと考えさせられました。

  • メトロ2033というSF小説です。

    2033年
    核戦争から数十年後のモスクワ。
    放射能に汚染された地上はモンスターたちの世界となり、人々は、モスクワ地下鉄・メトロ各駅を生活の場とした。
    しかし、そこも安全ではなかった。
    人間同士の争い、ネズミの襲撃、そしてモンスターの侵入。
    日の射さない暗く、湿った空気が淀むトンネルの中、それでも人は生きる。
    こんな未来から、物語は始まる。
    (あらすじより)

    モスクワに実在する地下鉄を舞台に各駅が独立国家のようになったら、、、
    という発想から始まった小説なのでは?と思える設定。

    不衛生で、暗く、野蛮な生活。
    地上からの襲撃によって徐々に端から削られていく駅と人々。
    ディストピア小説の中でもありそうで無かった設定では?

    主人公はメトロの端の方でも秩序を保った駅に住む20歳の青年アルチョム。

    トンネルの監視任務とキノコの栽培を繰り返す単調ながらも平穏な生活を繰り返しながら、外の世界(自分の駅以外)へ憧れを持っています。

    そんな彼のもとへ、地上からの侵略者の正体を探るハンターと名乗る男からある使命を託されたことでアルチョムの冒険は始まります。

    モンスターだけではなく、略奪者も潜む危険なトンネルを抜けて、託されたものを届けに行く。
    駅ごとに全く異なる文化が繰り広げられます。

    しかしまぁ、駅名が覚えられない!路線図から見つけられない! 「チミリャゼフスカヤ駅で生まれ、サヴョロフスカヤ駅を経て今は博覧会駅に住んでいる」と会話で書かれるたびに、路線図とのにらめっこが始まる。

    しかもこの物語に出てくる駅名すべてが路線図に載っているわけではない。
    省略された駅、地上の駅の話だったり、独裁者が駅名を変えたり。

    慣れるまで(今も慣れてないけど)苦労しました。

    チンギス・ハンの生まれ変わりを名乗る男に会ったり、戦争に巻き込まれたり、ファシストに処刑されそうになったり、便所掃除させられたり、宗教に勧誘されたり

    アルチョムの冒険はまだまだ続きます。

  • 全面核戦争が終わり、その後に生きる人類の物語。
    ロシアの生存者は地下鉄の駅を都市にする。
    その暗黒の世界には様々な思想や宗教により対立を余儀なくされ、流血は常。
    更に放射能汚染によって生まれた突然変異体による災害や、説明の付かない現象に主人公を含む住人は悩まされる。
    この地獄のような環境が用意されて初めて本書の物語が始まります。
    コーヒーを片手に読書できたり、柔らかな布団やベッドで眠ることが恵まれていることなんだ、などとフィクションにも関わらず文字を追いながら痛感しました。
    そして最後の最後に現れる妙な人物。下巻への期待を促します。

  • 核で世界が崩壊したあと、ロシアの地下鉄でなんとか生き延びている人間たちの話。
    同名FPSの原作で、大学生の頃に買って下巻の半分までいったのに読むのをやめていた本。
    今読んでみるとめちゃ面白いな!

    いろんな駅・場面がシームレスでありつつしっかり書き分けされてて、そんな情景の描写や個性豊かな登場人物たちの感情表現がとても豊か。
    主人公のアルチョムがたびたび見る悪夢も、どんな悪夢なのかありありと浮かんでくる。

    日本の山手線に応用したラノベにできそうだけど、このじっとりとした感じはロシアだからこそ出てるな〜と思った。

  • ゲームが素晴らしかったので原作に手を出す。 ストーリーやキャラクターはゲームとの違いが大きいが、核戦争後の荒廃した世界観、メトロでの生活、長々と残っている思想や宗教観の描写が素晴らしい。どこまでも鬱々とした世界の中、世界の命運と主人公アルチョムにとっての、たったひとつの光明を求めて旅する姿に、手が止まらない。

  • 感想は下巻のほうで。

  • ■2033年のモスクワ。核戦争で荒廃してしまった世界...放射能の影響で変異した生物が居る地上を避けて、生き残った人類は地下鉄網で生活している。といった設定。

    ■そこに現れるのが「黒き者」と呼ばれる正体不明の怪物...。一度でもその姿を見たものは底知れぬ恐怖感が植えつけられてしまうといった不思議な能力を持つ。その怪物と戦うため...といったストーリなんだけど、地名や人名がロシア語なので、ストーリを追いかけていてもどうも居心地が悪くて。

    ■その舞台設定とか世界観は凄いだけに、地名や人名が邪魔する感じで前半は読み進めるのがかなり辛かったけど、なんだかんだと東京出張の機内で読了。

  •  同名TVゲームで遊んでいる頃から興味があったので、購入しました。
     ゲームは大変面白かったですよ!

     さて、原作小説はといいますと、主人公の青年アルチョムの心理描写が丁寧にされています。苦難の連続にぶつかりながら、自分の使命を果たそうと果敢に進む姿が印象的。

     閉ざされた地上の世界、地下鉄トンネルの暗い世界、迫りくる危険なミュータントとの果てしない戦い…一寸先は闇という緊張感と、いづれ人類は絶滅してしまうのだという閉塞感漂う雰囲気を見事に表現。

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