ネンドノカンド -脱力デザイン論-

著者 :
  • 小学館
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093460897

作品紹介・あらすじ

ビー玉から高層ビルまでデザインする、nendoの世界はこうやってできていた。佐藤オオキの発想力、デザイン理論、お腹のゆるさがわかる!2012 Designer of the Year二完!世界が注目するデザイナー佐藤オオキ初の著書。

感想・レビュー・書評

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  • 先日「問題解決ラボ」を読んでから、何となく気になる存在であるnendoの佐藤オオキさん。本作は、副題に「脱力デザイン論」とあるように、彼のデザインに対する姿勢や仕事上の出来事がベースになったエッセイのようなもの。先日も思ったけど、文章を書くのがとても上手だな。力まずとても自然体な感じで、リラックスしながら読めるのが良い。各項目の後ろには、過去にデザインしたものの写真が載っていて、まんまと欲しくなってしまったものもあったり。こちらも、上手い(笑)。
    今回ふと思ったのは、彼のデザインは女性的な印象がするものが多いなということ。無骨さを感じさせず、何となくフィット感のあるような、親近感が湧きいのちを感じさせるようなものづくりがお上手だなということ。どれも大好き。「ドラえもん派」か「ガンダム派」かという分類で彼は「ドラえもん派」、というのを読んだ時、とても合点がいった。

    また、デザインする上で「スピード」をとても大切にしているという話は興味深かった。スピードがあればクライアントに対してよりたくさんの選択肢を提示でき、納期を短縮することで技術的なオプションが可能になり、途中で不可抗力による方向転換を余儀なくされたとしても軌道修正ができ、自分のアイデアに対する執着が希薄になり変化に柔軟でいられ、後からリカバリーも可能なので失敗が怖くなくなり大胆なアプローチが出来る。「速度」が「質」へ収束していく。・・・本当に、いいこと尽くめじゃないか!!と驚いた。参考にして頑張ろう。

  • 面白い、というか、全然関係のなさそうな話から始まって、プロダクトの話にたどり着いて、軽いオチもつけて終わるこの構成が素晴らしい。私も今度、ブログで真似てみよう。


    なんてことないよーって風に見せて、たんたんと数こなす感じもプロっぽくてすてき。


    私もドラえもん派だな。
    でもって、何かで身近な人の役に立って、世の中を少しでも良くできたら、ってのも日頃考えてたこと。


    また日を開けて読み返したい。

  • コンセントカバー「socket-deer」が良い感じ。非売品なのがもったいない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「非売品なのがもったいない。」
      あれ、そうだったかしらん?
      「非売品なのがもったいない。」
      あれ、そうだったかしらん?
      2013/08/02
  • タイトル「脱力デザイン論」通りのユルい雰囲気で、
    且つ業界の慣習的なものも味わうことができて
    楽しく読み進められた。

  • デザインする方法に、正解はないのだなと感じた。
    削ぎ落としたり、一歩引いてみたり、ちまちましたところから始めてみたり、要素分解したり。
    固定概念や観念を取っ払ってフラットでいることは大切。

  • 本書は、エピソードに教訓を添えた、よくある形式のエッセイです。

    「ある仕事を依頼されて、自分の未経験の領域だけれど、見切り発車でてんやわんやした結果、なんだかんだでうまく行きました。今でもその仕事をさせてもらってます」みたいなエピソードが多いですね。

    読み切ってみてまず、佐藤オオキさんは直感や情緒を重要視するデザイナーだと感じました。

    彼は論理的思考をするデザイナーをバカにしているわけではないのですが、「能力の足りない自分にはその方法は無理だから、直感で進めたところ意外とうまく行ってしまった。」という話が多く、それは一見自虐のように見えて、結局は結果が伴っているのだから自分は天才肌である、と言いたいように見えてしまいました。
     同時に、あれこれ考えてこねくり回してモノ作りするのはあんまりじゃない?みたいなスタンスも感じました。私が捻くれているのかもしれませんが。。

     とにかく、海外の著名な賞も取られているのにかなり自信なさげなのが不思議でした。「僕は未熟」「僕には出来ない」「◯◯はすごい」のように、謙遜なのか本当にそう思っているのかはわかりませんが非常に謙虚で控えめな人柄を感じられました。

    語り口はソフトで非常に読み進めやすく、視点は等身大なので、デザイナーでなくても共感できます。読み物として、人の日記を覗いているような感覚でいいと思います。

    オオキさんの言葉ではないのですが、
    「different, but not too differentiate」
    (違うけど、違いすぎない)
    なものづくりは参考にしたいですね。

  • 佐藤オオキさんの頭の中を覗いてる感覚でした。
    途中途中に写真とイラストが入ってる+オオキさんのユーモア混じりの文章のお陰で、とても読みやすく非常にタメになりました。
    佐藤オオキさん、本当に素晴らしい方だな…
    私も彼のような「ひとつの物事を正面からだけでなく、裏から斜めから見る」考え方を身につけよう!と思いました。

  • わたしにとって、建築やるきっかけになった本。

  • (おそらく著者と同年代の)男性クリエイターはドラえもん派かガンダム派のどちらかに必ず分類される、という話があるそうで。笑

    うーむ、わかる気もする。笑

    自称ドラえもん派の著者は2006年のガンダムをテーマにした美術展の会場構成やグッズのデザインを依頼され、グッズのプレゼンをやった時に現場が凍りつきデザイン案はボツになったと。

    でもその、ボツになったジオングのけん玉とかトリプルドムの塩胡椒七味セットとかガンキヤノン箸置きとか、なんか、よくない? 笑

  • 「ネンドノオンド」が良かったので、「カンド」も買ってしまいました。

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著者プロフィール

デザインオフィス nendo チーフデザイナー
1977年カナダ生まれ。2002年早稲田大学大学院修了後、デザインオフィス nendo設立。建築・インテリア・プロダクト・グラフィックと多岐にわたってデザインを手がける。作品はニューヨーク近代美術館(米)・ポンピドゥー・センター(仏)・ヴィクトリア&アルバート博物館(英)など世界の主要美術館に多数収蔵されている。TOKYO2020の聖火台をデザインし、現在は2024年稼働予定のフランス高速鉄道TGV新型車両のデザインに取り組むほか、2025年大阪・関西万博 日本政府館 総合プロデューサー/総合デザイナーを務める。

「2022年 『半径50メートルのセカイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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