親の期待に応えなくていい (小学館Youth Books)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092272842

作品紹介・あらすじ

何が幸せか決めるのは親ではなくあなた自身

親をがっかりさせたくないから、期待に応えようと考える人は多いようです。でも、「親を大切にすること」と「親の期待どおりになること」は同じではないのです。

子供が夢見ている将来の職業を話す時、その業種のことをよく知らないまま全否定して子供を悩ます親がいるように、「一番近くにいる人」が「一番的確なアドバイスができる人」でもありません。

子供の人生ををコントロールしようとするのは、親の「同調圧力」です。
親の一番の役割は、子供を健康的に自立させること。子供はそのため、自分は何が好きで、何がしたくて、何が幸せと思うのか、親にはっきり伝えていいのです。

温かな人生相談回答でも話題の著者が、日本独特の「同質性」「世間」のありようを説明、ユーモアを散りばめながら鋭い切り口で、子供たちに「自分らしく生きていい」というメッセージを綴ります。親子で必読、目から鱗の一冊です!



【編集担当からのおすすめ情報】

感想・レビュー・書評

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  • 中高生向きの本なのでとても読みやすかったです。親世代も読むべき一冊。
    アメリカ、中国、韓国、日本の4カ国の中で、日本の高校生は一番親からの期待にプレッシャーを感じていないのに、4カ国で一番プライバシーを干渉されたくないと感じていて、一番親に叱られ、一番親に褒められ、そして一番親を尊敬していないというアンケート結果が面白い。それはなぜなのか…がよく分かります。
    そして、世間と社会との違いも分かりやすかった。
    ちゃんと「親の言うことを聞かなくていい」ってことではないとちゃんと記しているので、安心してお子様にもオススメしてください笑

  • 親目線で読んだ

    親は親の人生を楽しめばいいし
    それとは切り離して子どもは子どもの人生はを楽しめばいい

    こんなにも日本に同調圧力があるのは
    江戸時代の村制度によってである
    海外には社会しかなく世間というものはない

    これからの時代、多様性の浸透によって
    大きく変わっていくと思われる

  • 〇親に罪悪感を覚えている人、親との関係を測りかねている人。
     親は子供への接し方を、もう一度見直す。
    〇親子関係だけではなく、人間関係も考える
    〇日本の社会を考える

    ●親という同調圧力
     親を大切にすることと、親の期待に応えることはイコールではない。  
     0か100かはつらい
     恐れず、自分の意見を伝える。コミュニケーション。
     視聴率から見る日本の同調圧力。
      …視聴率がばらけることは、多様性が進んでいるということ。昭和の時代は、紅白が80%のときもあった

    ●他者へ成長
     子育てとは何か
      …子供を健康に自立させること:精神的自立と経済的自立
     “受け入れるのは難しいけれど、受け入れなければならない” ↔ “受け入れたいけど、受け入れたくない”
      …落としどころを見つける。
     拍手は俳優を育てもするけど、殺しもする
     親も親として成長していく。
     叱り方
     〇〇子は臆病、△△雄は乱暴
     →この遊具はそんなに怖がらなくてもいいよ
      友だちの背中をそんなふうに押すのは乱暴だよ

     世界の若い人へのアンケートから見えてくる日本の家族…親からのプレッシャーを感じていない日本の若者が、一番親からプライバシーを干渉されていて、一番親に叱られていて、一番親を尊敬していない
     
     遠回しの命令、無言の圧力

    ●自分で考える習慣
     目標を決めかねている人へ。
     2つをくらべて、どちらがイヤかを考え、残った方を選択肢にしていく方法。
     マズローの要求五段階説
      …生理的要求→安全の要求→所属と愛の要求→承認の要求→自己実現の要求
     自尊感情が低い→とにかく始めてみる
     シンパシーからエンパシーの時代へ
     親は自分の人生を変えないまま、子供の人生を変えようとしていないか。

    ●世間と社会
     日本人は“世間”の人とは話をするけれど、“社会”の人とは話さない。
     江戸時代の“世間”が、まだ残っている。人情のルール。
     個人であることの大切さ
     断るのが苦手な日本人
     家族は愛情がルール
     家族という世間との接し方
     自我と集団我
     子供と親はゆっくりと互いに“他者”に成長していく。


    ・著書に
    『「空気」を読んでも従わない 息苦しさからラクになる』岩波ジュニア新書

  • 親の期待は、深く私たちを縛っている
    母親は、0か100
    46点や89点友達はできた?無条件で良いこと
    コミュケーションは、一人一人違う相手と、なんとかつながろうとするための方法
    なんとかやっていく方法を考える
    みんな仲良く みんな同じ 日本 同質性
    同質性が高いと同調圧力が生まれる
    マック行こう 私はコンビニで肉まん買うね
    親の期待に負けないで自分の道を進んでいるひと
    自粛要請   自粛警察 例外は認めない
    多様性の時代   健康的な自立   自分の頭で考える  
    他人と 他人は、まったく関係のない人      他者は違う 受け入れなければならない人
    試行錯誤しながら生きていくことが大人になること
    お前は冷たい 人格全体の決め付け✖️
    プリンを残さなかった 冷たい
    臆病 乱暴 ワガママ 決めて言ってしまう
    ポジティブな言葉で指示すること
    80点 あと20点出100点
    すごい80点 肯定されて育つ子は、健康的な自立
    無条件の愛
    何年も繰り返すことで、ベテラン日本なっていく
    自分は本当は何がしたいのか考える
    マインドフルネス   
    悩むことと考えることは分ける
    シンパシーsympathy 同情 かわいそう
    エンパシーempathy 共感能力
    世間と社会   世間はあなたと関係のある人
    世間の反対語は社会
    地震では優しいが、ベビーカーを助けない日本人
    相手が知らない人だから助けない 世間と社会
    結婚 学校 職場、紹介
    外国人は並んでいるとき、公園 レストランの隣りのテーブル 社会 電車の座席取り
    私たちは世間を大切にして社会をとても軽んじている 海外では、社会だけ。
    ①歳上がえらい②同じ時間を過ごすことが大切③贈り物が大切④ミステリアス 謎のルール ランドセルやリクルートスーツ⑤仲間はずれを作る
    村社会 年貢 村八分 家事と葬式は手伝う
    いじめ 絆 団結 個人より集団をを大切にする
    班活動  全体の責任感
    人の頼みを断れない  
    欧米では、社会の反対語は家族



  • 鴻上さんが繰り返し訴えている「同調圧力」を若い世代向けに書いた本。江戸時代、年貢は村単位だったというのは新しい発見だった。江戸幕府の支配体制の、なんとえげつないことよ。

  • わかってはいるが…

  • 毒父育ちです。
    父親にされて嫌だったことは絶対に自分の子供にはしない、自分のようになってほしくない。と、思って色々な毒親の本を読んだりしてました。
    (まだ未婚で子なしですが)

    しかし、「自分のようになってほしくない」というのも親の期待であると、この本に教えられました。
    自分がされて嫌だったなら、自分が父親と話し合えばいいだけ。そこに子供は関係がない。

    今も毒父の攻撃はあり、自分の人生はこうやって進んでいくのだな、と自分の人生を諦め、自分が歩みたかった自分の思う幸せな人生を子供に歩ませようとしていることに今の時点で気づけて良かったです。

  • 受験や進学に悩む高校生たちに、「自分の将来を親の期待通りに決めなくていいんだよ!」と言ってくれる本です。日本全国がコロナ禍で家にこもり、今まで以上に家族で顔を合わせ続けないといけなくなったことでしょう。親を大切にすることと期待に応えることは違う、上手く「落とし所」を見つけよう。そんなメッセージを受け取り、少しでも救われる子どもが増えることを願います。/これから大人になっていく高校生に、「親と子の関係」を考えるときぜひ読んでほしい。やさしく寄り添うように語りかける鴻上氏の言葉。ゆっくり読んでほしい。/「いい子」と呼ばれ苦しんでいる人が、少しだけ生きやすくなるのではないでしょうか。/親から自立することが最高の親孝行なのかもしれません。今まさに自立の道を模索している高校生にぜひ読んで欲しい。自分の人生を決めていいのは自分だけ!/親とのやりとりでもやもやとした気持ちになったらなるべく早くこの本を読んでみてほしいと思いました。たとえそれが些細な違和感だったとしても!親だけでなく周囲の人との関わりに悩んでいる人にもおすすめです。/中高生向けレーベルだけれど親の立場で読んでもすっと胸に落ちる。いろいろ思い悩む年ごろの真っ最中に読んでほしい。/自分と親の関係を一度冷静になって考え直すための参考書。/一番身近な人だからこそ、コミュニケーションは大事なのですね。親も子も。/親との関係に息苦しさを感じている人だけでなく、将来の目標を考えたことがないという人にも読んで欲しい。/親という立場を経験したことはありませんが、子どもからみる親はやはり絶対的なものであると感じます。けれど間違っていると感じたときは従わなくて自分が正しいと思うものを信じていきたいです。これから自分が親になりえるかもしれないので今のうちに色々な情報を取り入れ視野を広げれる、そんな一冊です。/話したこともない遠い存在の著者なのだが、「子供に伝えたい。」と語りかけてくれる言葉が優しく分かりやすい。親からの期待を感じて、生きづらくなっている生徒に読んでほしい。/親や誰かの人生ではなく、自分の人生にするために、読んでほしい本です。


    [NDC]367.3
    [情報入手先]
    [テーマ] でーれーBOOKS2022/エントリー作品

  • ●親を大切にしながら、親の期待に応えないと言う生き方があるのだと言うこと。
    ●コミニケーションが得意な人と言うのは「誰とでもすぐに仲良くなれる人」と言うイメージがありますが、実はそうではありません。「もめた時になんとかできる能力のある人」のことです。
    ●だから喧嘩するのは悪い事でも良い事でもなく、その後が大事なんだと考える。
    ●親を100点満点で喜ばす必要は無いのです。100点満点で喜ばそうとすると、あなたが無理をして、本当のあなたじゃなくなってしまいます。
    ●毎日親から、お前は臆病だ、と言われたら間違いなく臆病になるでしょう。小さい時の親の言葉は絶対なのです。
    ●マインドフルネスをやってみる。
    ●シンパシーからエンパシーへ。
    ●「世間」とは、あなたと関係のある人達のことです。「社会」はその反対。
    日本人は世間内でしか話さない。外国人は社会の人達と簡単に話すことができる。
    ●社会は法律ルール、家族は愛情ルール
    では世間は?人情ルール。これは良いこと?両方あるが、法律と違って気持ちには限度がない。恐ろしい。
    ●親の期待に応えないといけないと言う罪悪感は、あなた自身の弱さとかずるさではなく、この国が伝統的に作ってきた文化の形だとわかれば、戦い方はあると思うのです。
    ●あなたと親は、ゆっくりと互いに「他者」に成長していくのです。あなたはあなたの人生を幸せに生き、親は親の人生を幸せに生きる。

  • どうでしょう?
    私は子ども達に期待をかけすぎていないでしょうか?
    自分で考えるように仕向けてきたでしょうか?

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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