ひねもすのたり日記 (第1集) (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
4.38
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本棚登録 : 201
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091898302

作品紹介・あらすじ

ジョーも松太郎もてつやから。名作の裏に…

いつしか老作家となったマンガ家・
ちばてつやは、様々な社会的
役割を務め多忙だった。だが…
ある日、コミック雑誌から執筆依頼が来た。
最初断ろうと思ったちばだが、その脳裏には
幼い頃の満州の物凄い夕焼け、
人生の節目で出会った素晴らしい人々、
そしてどんなときも不器用に苦しみながら
マンガを描いてきた自分の姿が去来する。
オールカラーショートコミックで描く
半生の記。ちばてつや18年振りの最新作、今ここに結実!



【編集担当からのおすすめ情報】
待望久しいちばてつやさんの新作コミック単行本が、ついに18年振りに刊行されます。内容は満州に生まれた千葉少年が、戦争~戦後という暗い時代に、不思議な人との巡り合わせに導かれてマンガ家を目指す物語。重く暗い時代を背景にしながらも、胸がわくわく、時に切ない紛れもないちばマンガに仕上がってます。

感想・レビュー・書評

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  • ちばてつやの18年ぶりの連載漫画。

    フルカラーの漫画が美しく、豪華。
    80歳でこのクオリティは驚異的。

    TVでもこの漫画をかいているところが、特集されていたが
    とにかくバイタリティあって元気。
    その元気さが漫画からも伝わる。

    内容は、過酷な終戦の引き上げの状況だが、
    ちばてつやの持つ快活さが、悲壮感持たずに読ませてくれる。

    日本に変える為に1年間中国の中を移動し、かなりの人数が亡くなる中、運にも恵まれてちばてつやの家族は帰国する。
    他国での敗戦は、本当に大変だったのだなと思う。

  • 墨田区の図書館の《すみだゆかりの人物》コーナーで見かけて気になっていた本です。

    ちばてつや氏自身による「千葉徹​彌」自叙伝で、第一巻では戦時中に満州で過ごした幼少期のこと、敗戦が告げられ親子6人で命からがら日本に逃げ帰って来るまでが語られます。
    実際はもっと悲惨な日々の連続だったのでしょうが、ちば少年の無邪気な子ども目線で語られているため、湧いてきそうになる切なさを何とか抑えることができました。
    最近のちば先生の吞気な生活の様子と交互になっているのと、丸みを帯びた絵が当時の社会情勢の暗さを消すのに役立っていると感じます。

    ちばてつや氏といえば、私は「あしたのジョー」に夢中になった世代で今も全20巻が本棚にあります。思わず1冊取り出して眺めていたら280円の値段に時代の経過を感じてしまいました。

  • 手塚治虫文化賞特別賞を獲ったのを知って取り寄せたのではある。受賞理由に功労賞的な文句も入っていたが、やはり受賞した理由の1番は、18年ぶりの新作に審査員一同が驚いたからだろう。4ページの連載なので、マンガエッセイみたいな内容なのだが、本人自ら「私はストーリー漫画家だ」というだけあって、世のエッセイマンガとは一線を画している。時々幕間みたいに脱線を入れながら、見事な半生の記を描いていた。

    アシスタントは、最低必要な人数に絞っているのだろう、ちば本人が画面の隅々に気を配っているのがよく分かる。あらゆる登場人物の表情が、心の中まで聞こえそうに微妙に描き分けられているのである。18年のブランクなんて信じられない。むしろ、このペースで描くことによって、ちばてつや最後の代表作になりつつあるのではないか。

    家族6人1人も欠けずに満州から帰ることができたのは、確かに奇跡と言っていいのだろう。(幼い作者に見えていなかったので)画面の上には描かれていないが、両親の苦労は如何ばかりだっただろうか。一方、ちばてつやの見る世界は、子どもらしいのんきな世界が続いていたので、ラスト近く、千葉の九十九里浜のおばあちゃんの「あんのこったやーっ」の叫び声に、その見事な表情に、殺られてしまった。たまたま向かい合わせに座る喫茶店で読んでいたのだが、ボロボロボロボロ泣けてしまって、ものすごく恥ずかしかった。

    おそらく1年半に一冊の割合で刊行されると思うので、ゆっくりと付き合って行きたい。
    2018年5月読了

    • 地球っこさん
      kuma0504さん、おはようございます。

      今夜の「漫勉」第2回は、少女漫画家の岩本ナオさんです。 
      岡山の方です。

      すごく大...
      kuma0504さん、おはようございます。

      今夜の「漫勉」第2回は、少女漫画家の岩本ナオさんです。 
      岡山の方です。

      すごく大好きな作家さんで、とくにわたしは『町でうわさの天狗の子』と『雨無村役場産業課兼観光係』という漫画が大好きです。

      「雨無村役場産業課兼観光係」は、岡山県灘崎町の町民会館とか役場がモデルで、作中に登場する重要な役割を果たす桜の大木は、岡山市南区奥迫川の「大山桜」らしいです。
      『町でうわさの天狗の子』も地元らへんの風景をモデルにしておられるようです。

      わたしの住んでるところとよく似た景色や、人物たちに親近感がわきます。

      全くちばてつやさんに関係ないコメントになってしまいました。反省……

      つい、「浦勉」のコメントに反応してしまい、「岡山」でkuma0504さんを思い出してしまったので……

      朝から失礼しました。
      2020/10/08
    • kuma0504さん
      地球っこさん、こんにちは。
      岩本ナオの作品とはそうなんですね。覚えておきます。
      今晩はレイトショーを見る予定だし、今は録画機が壊れていて「漫...
      地球っこさん、こんにちは。
      岩本ナオの作品とはそうなんですね。覚えておきます。
      今晩はレイトショーを見る予定だし、今は録画機が壊れていて「漫勉」は見る事叶わなそうです。

      灘崎町は、わたしの拙い知識では、江戸時代の干拓地として開けてきたところです。山沿いは古い建物もあったかもしれません。また、山沿いには彦崎貝塚という日本を代表する縄文遺跡もあります。でも、まぁ、何処にでもあるような住宅地が広がっている、岡山市のベッドタウンでもあります。だんだん地域発信マンガが当たり前になりつつある。良い傾向だと思っています。
      2020/10/08
    • 地球っこさん
      kuma0504さん、お返事ありがとうございます!

      たしかに「町で……」の方には貝塚の話もありました。

      レイトショー楽しみですね...
      kuma0504さん、お返事ありがとうございます!

      たしかに「町で……」の方には貝塚の話もありました。

      レイトショー楽しみですね。
      おきをつけて、いってらっしゃいませ。
      2020/10/08
  •  80歳を越えたちばてつやが週刊誌に新連載していたことに驚き。80年間を振るかえろうとしている意欲に脱帽。内容にゆるみがs亡く、メッセージとして強い力を持っていることに感嘆。詳しくはブログへどうぞ。
       https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202004160000/

  • ちばてつや氏の作品『ひねもすのたり日記』の第1集を読了。

  • まんべんを見て購入。ほんとに全編カラーだー! 豪華!
    引き揚げの道中、家族旅行みたいで楽しかったというくだりでうるっとしてしまった。中国から命辛々銚子まで辿り着いて、西瓜食べて深い眠りについたところは、よかった〜よかった〜と胸いっぱいになった。戦争。まだ70年。自分の家族だったらと思うと絶対いや、おなかすいた、って子に常に思わせている生活、気が狂っちゃう。
    そんな戦時中エッセイなんだけど、描き出しから時折差し込まれるちばさんのいまの日常がとても可愛い、素直で癒されるの。マイペースな本当愛らしいおじいちゃん(すみません)。仲間の漫画家さんたちもたくさん登場して、名前を添えてエピソードをユーモラスに紡いで、ちばさんのあったかいお人柄が伝わって……2巻も3巻も楽しみ♡

  • 印刷会社のあった奉天から300km先の葫蘆島港を目指して歩き、葫蘆島港から約5日後、博多港へ。列車で2日かけて東京駅。列車を乗り継ぎ九十九里浜飯岡着。父が駅発の路線バスに乗らず「すまないが、ここはおれが生まれて育ったところだ。こんなみじめな家族の姿を、友だちや…近所の顔見知りに見られたくないんだよ。」と夜中に7-8km歩いて生家へ。夜中にもかかわらず親族が歓喜に湧いて世話を焼いてくれる展開で安心しました。

  • ちばてつやの見た中国 『ひねもすのたり日記』 - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/45095

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    ジョーも松太郎もてつやから。名作の裏に…
    いつしか老作家となったマンガ家・ちばてつやは、様々な社会的役割を務め多忙だった。だが…ある日、コミック雑誌から執筆依頼が来た。
    最初断ろうと思ったちばだが、その脳裏には幼い頃の満州の物凄い夕焼け、人生の節目で出会った素晴らしい人々、そしてどんなときも不器用に苦しみながらマンガを描いてきた自分の姿が去来する。
    オールカラーショートコミックで描く半生の記。ちばてつや18年振りの最新作、今ここに結実!
    〈 編集者からのおすすめ情報 〉
    待望久しいちばてつやさんの新作コミック単行本が、ついに18年振りに刊行されます。内容は満州に生まれた千葉少年が、戦争~戦後という暗い時代に、不思議な人との巡り合わせに導かれてマンガ家を目指す物語。重く暗い時代を背景にしながらも、胸がわくわく、時に切ない紛れもないちばマンガに仕上がってます。
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09189830

  • ちばてつや先生の自叙伝的コミック。ラジオで知って購入。

    ちば先生が満州からの引揚者だとは知らなかった。
    ほんわかタッチの絵だけど終戦から帰国までの過程は過酷。

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著者プロフィール

ちばてつや(本名:千葉徹弥)1939年(昭和14年)1月11日、東京築地の聖路加病院で生まれる。 同年11月に朝鮮半島を経て、1941年1月旧満州・奉天(現中国・遼寧省瀋陽)に渡る。 1945年終戦。翌年中国より引揚げる。 1950年、友人の作る漫画同人誌「漫画クラブ」に参加。1956年、単行本作品でプロデビュー。1958年「ママのバイオリン」で雑誌連載を始め、1961年「ちかいの魔球」で週刊少年誌にデビュー。 主な作品に「1・2・3と4・5・ロク」、「ユキの太陽」、「紫電改のタカ」、「ハリスの旋風」、「みそっかす」、「あしたのジョー」、「おれは鉄兵」、「あした天気になあれ」、「のたり松太郎」など。 公益社団法人日本漫画家協会会長。 東京都練馬区在住。

「2022年 『わたしの金子みすゞ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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