マナーはいらない 小説の書きかた講座

著者 :
  • 集英社
3.73
  • (60)
  • (119)
  • (94)
  • (19)
  • (2)
本棚登録 : 1549
感想 : 145
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087900156

作品紹介・あらすじ

三浦しをんが的確かつ楽しく伝える、小説の書きかた講座。
伝説のWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」が、書きおろしやコラムを加え、『マナーはいらない 小説の書きかた講座』として、ついに単行本化!
長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書!

*本書より、一部抜粋
ようこそいらっしゃいました ―まえがき
一皿目 推敲について ―お庭の手入れは万全に
二皿目 枚数感覚について ―迷子にならぬために
三皿目 短編の構成について(前編) ―シチュエーションか感情か、ご自由にお選びください
四皿目 短編の構成について(後編) ―具体例でご説明、自作を挙げたら首が絞まった風
五皿目 人称について(一人称編) ―視野狭窄に陥らぬようご注意を
六皿目 人称について(三人称編) ―考えすぎると地獄を見るのでご注意を
七皿目 一行アキについて(前編) ―息つぎはほどほどに
八皿目 一行アキについて(後編)―気づかいはほどほどに
九皿目 比喩(ひゆ)表現について ―様子がおかしいのは情熱ゆえ
十皿目 時制について ―「時間の魔法」をかけて
十一皿目 セリフについて(前編) ―耳をすました近所のおばちゃん風
十二皿目 セリフについて(後編) ―さまざまな戦法の盛りあわせ
十三皿目 情報の取捨選択について ―建物や街の描写、文章仕立て
十四皿目 取材方法について ―お邪魔にならぬ程度に
十五皿目 タイトルについて ―三つの発想法を駆使して
十六皿目 情報提示のタイミングについて ―情景や登場人物を思い浮かべて
十七皿目 高揚感について ―中二の魂が叫びたがってるんだ風
十八皿目 描写と説明について ―納豆を何回かきまぜるかはお好みで
十九皿目 書く際の姿勢について ―当店に寄せられたお声、その一
二十皿目 文章、書き進めるコツについて ―当店に寄せられたお声、その二
二十一皿目 構想と構成、登場人物について ―当店に寄せられたお声、その三
二十二皿目 お題について ―真面目さと胡椒は同量ぐらいで
二十三皿目 短編と長編について ―「キレと余韻(よいん)」「構成力」を隠し味に
二十四皿目 プロデビュー後について ―旅立ちを見送る書き下ろし風味
またのお越しをお待ちしております ―あとがき

作家・三浦しをんが「小説」を真正面から考えた――。
「小説を書くのは自由な行い」だがしかし、「ここを踏まえると、もっと自由に文章で表現できるようになるかもだぜ!」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • (★´∀`)b*★*――謹賀新年――*★* d(´∀`★)


    ╪夕━┅┄ପ( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)*ೃ┄┅━❢❢


    あけちゃって|||||┝ヽ( ̄▽ ̄)ノ┥|||||オメデト~!

    もひとつ、今年は”いんたーなしょなる”にもまいりましょう。

    ( ᐢ. ̫ .ᐢ ◆◇ ʜᴀᴘᴘʏ ɴᴇᴡ ʏᴇᴀʀ 2023 ◇◆ヾ(ᐢ.ˬ.ᐡ )

    おおーできるじゃーん、すごいよー、さてさてー!今年は英語でレビューするのが目標だよねー。

    ( ‘ω’)チョットナニイッテルカワカラナイ

    それに、今年はうさぎの年だもんね。12年に一度、まわってくるんだよー。そう、卯年なのだよー。

    ₍ᐢ•͈༝•͈ᐢ₎♡ ぴょん!

    そうだよーめでたいよー!私にはなんの関係もないけどねー。

    ʅ(。◔‸◔。)ʃ…さぁ?

    は、はい、いい加減にします。ごめんなさい。そもそも、年の初めなんだからまずは真面目にご挨拶しなきゃね。

    ( ͡° ͜ʖ ͡°)✧キラッ

    ブクログに集われる皆さま、あらためまして、新年から超ハイテンション!なさてさてです。

    m(。-ω-。)m 今年もよろしくお願いいたします

    新年から呆れないでくださいねっ。新年早々こんなレビューを書いてる方が10,000倍恥ずかしいんだから…。

    ➳(˙-˙=͟͟͞͞)♥♡─(////△////)─➤ずきゅん

    ということで、今年も読書&レビューの一年を頑張って、否、楽しんでまいりましょう!

    ‎•'-'•)وがんばぁ~✧

    やっぱり、頑張るんかい ヽ(´o`; オイオイ

    いやー、それにしてもめでたいですね。なんでこんなにめでたいんでしょうかって、アンタだけやん。

    (´-`).。oO意味わかんね

    だってね、なんてったってお正月ですよ、こんなとこ(失礼!)で長いレビューを書いてる場合じゃないでしょ。

    おもちどうぞぉ♪ (*^-^)_Ω~

    あ、ありがとうー。そうだよー、お餅だよー。

    ( *´∇`)_旦~~お酒どぞ

    いいねえ。お正月だよー。のんびりしようよー。

    (*ᴗ₄ᴗ)⁾⁾ ウトウト

    いや、寝ちゃあいかんでしょ。失礼だよー。でも、眠いもんね。春眠暁を覚えずだよーって、まだ春じゃないけどね。

    ヽ(  ̄○)ゞ。o○ファ~~♪

    ということで、もう眠くなったので今日のレビューはこれでおしまいにしましょ。はい、また、お会いしましょうー。じゃあねー。

    (・_・)ヾ(^o^;) オイオイ

    そ、そう、それじゃあだめですよね。せっかく皆さんにお越しいただいてるんだから、おもてなしをしないとねー。そもそも、”一年の計は元旦にあり”って言うしねー。そうだよー。はい、レビュー再開!

    やっほー! 元気ー?(*゚▽゚)ノ

    そう、元気満点にいかないとね。新しい年なんだからさ、折角だし今年は何か新しいことにチャレンジしたいよねー。何が良いかなー?

    r(-◎ω◎-) 考え中.....

    どうしようかなー?

    r(-◎ω◎-) 考え中.....

    もうちょっと考えたりしてー。

    r(-◎ω◎-) 考え中.....

    良い案ないかなーーーっ?

    ฅ*゚ロ゚)ฅハッ!!

    そ、そうだっ!、し、小説を書こう!そうだ、さてさては2023年に小説家としてプロデビューを果たすのだーーーっ!ついにその時が来たのだーーーっ!

    (- -) (- -) (- -) (- -) シーーーン

    そうだよねー。いきなり、プロデビューと言ってもねー。長いレビューを書くのと小説を書くのは全く違うしねー。じゃあ、プロの小説家になるにはどうしたら良いかを地道に一から勉強することから始めましょう!

    (((σ゚∇゚))σ イイネ! イイネェ!! (⊃°̀ω°́)╭☞ソレイイネ

    ということで、今年の新年一発目のレビューは、

    ふぁいと〜いっぱーつ!\(*`•o•´)/⚐*

    そうじゃなくて、さてさてとしては、三年連続で今年もあの直木賞大作家の三浦しをん大先生のお作品にいたしましょう。そう、三浦しをん大先生殿が2020年11月に刊行された「マナーはいらない 小説の書き方講座」にいたしましょう。

    イイネ(゚∀゚≡イイネ(゚∀゚≡゚∀゚)イイネ≡゚∀゚)超イイネー!!

    うわっ、お正月早々、小説の書き方をお勉強するなんて、さてさてさんは偉いなー。凄いなー。カッコいいなー。

    (´- `*)))0o,ウットリ・:*:

    でも、あんな変な人にはなりたくないよねー。

    (Θ´v')bダョネ 。+゚

    …なんてやってたらいつまでもレビューが始まらないんだヨぉ。そろそろ始めないと、画面を閉じられちゃいそうだヨぉ。そもそも、このレビューで、さてさてのレビューを初めて読んでくださっている方は何やってんだかワケわかんないでしょうね。”ヤバいやつ見っけ!”とか言って、もう閉じてるよね。残ってくださってる皆さんはまたやってるよこの人!って呆れた視線で、それでも可哀想だから見てくれてるのかなあ。優しいなあ。心の故郷だなあ…。

    “まだ僕には帰れる所があるんだ”

    (*˙ᵕ˙*)え?

    “こんなに嬉しいことはない…”

    ( ゚இωஇ゚)ウルウル

    そう、さてさては負けないヨっ!今年も頑張るのだヨ。よっ、さてさて!日本一 !

    風~~~~"Q。('-'。)"パタパタ

    ガンバリマッシュ!୧(๑•̀⌄•́๑)૭✧

    そうだよー。その心意気だよー。それでこそ、真のさてさてが登場するんだよー。そうだよー、真のさてさてがここに姿を現すのだよー。

    そう、姿を現すのだよー。

    (゚O゚; アッ!

    …そう!そう!そう!そう!

    …ソレ!ソレ!ソレ!ソレ!

    くる?くるか?くるかな?くるかなー!!!

    こーりーん! 降臨したよ(╹◡╹)♡

    (⌒,_ゝ⌒)誰やねんお前!(^‹_,^ )

    ┐(-。ー;)┌ヤレヤレ

    んーーー、自分で書いてて意味不明だよねー。なんじゃ、このレビュー。

    ┐(´・c_・` ;)┌ ダメダコリャ・・・

    いつものあの超真面目なさてさてさんが、あのカッコいい、それでいて終わりの見えない長文レビューの数々を週に三回もコツコツと生み出すさてさてさんが、一体全体どうしたんだろうね。

    ┐(^-^;)┌さぁ・・?

    そうかあ、仕事で辛いことがあったんだろうね。人生に絶望したのかもしれないね。でも年は越せたようだけどさ。可哀想だねって、日本国中で同情の声が広がってるかもね。

    |ョ゚д゚`)。o(意味不明)

    …っと、今度こそいい加減にしましょう。はい。ごめんなさい。こ、今度こそ、しをんさんのレビューに行ってちょんまげ!

    レッツ――ヽ(@,,>∀<)ノ――ゴォォ♪

    ということで、この作品は、あの天下の直木賞大作家の三浦しをん大先生殿が直々に小説の書き方を私のような迷える子羊ちゃんに教えてくださるというありがたい作品なのでありまする。

    _|\○_ハハー

    しをんさんはこの作品のことをこんな風におっしゃいます。

    『「マナーはいらない」というタイトルには、「小説を書くのは自由な行いだから、細かい作法とか気にしなくてオッケーだぜ!、って思いをこめました』

    書名の由来をそんな風に説明されるしをんさんは『タイトルにあやかってフルコース仕立てにしてみました』と続けられます。『全二十四皿って多すぎるだろ。いくらなんでもおなかが破けちゃうだろ』という通り、この作品は、〈第一話〉でもなく、〈第一章〉でもなく、〈一皿目〉〈二皿目〉…とまさにフルコース料理を思わせるような小技の効いた章題の演出で始まります。『手づかみで、あるいは寝転がってなど、どうぞご自由にお食事をお楽しみください』とこだわり満点のしをんさん!

    わ〜⸜(*ˊᗜˋ*)⸝⋆*〜い

    そんな作品はタメになる記述満載です。幾つかご紹介してまいりましょう。

    ٩(。˃ ᵕ ˂ )وよろしくねぇ♡

    まずは、〈一皿目 推敲について〉です。こんな記述があります。

    『小説はだれかに読んでもらうためのものなのですから、作者であるみなさんは、「これで読者は読みやすいだろうか」ときちんと想像して、原稿の体裁を整えるべきです』。

    なるほどぉ。日記以外の文章はみんなそうですよね。書くということは、誰かに読んでもらうことを意識することでもあるワケですね。

    『念入りに推敲するのも、非常に大事です。誤字脱字はないか、文章は万全に練りあげられているか。小説を書きあげたら、今度は読者の立場になって自作を客観的に読み直し、手を入れていきましょう』。

    小説じゃないですけど、私のレビューもトータルで二十回位読み直しをしてるんです。こんな阿呆なレビューでも一生懸命読み返しているんです。

    エラスギッヽ(・ω・❀)

    お気づきの方はお気づきだと思いますが、私のレビューは数ヶ月前に読了のものが多いです。その時点でレビューも書いて、しばらく寝かせて、更新する際に再度読み直してからアップしています。長くて目立つから間違っていると恥ずかしいですからね。

    (///o///)ヾ(^∇^*) エライエライ

    そして、しをんさんはこんな例えを用いられます。

    『書いた原稿を読み直しもせず投稿するなんて、「深夜に書いたラブレターを教室でまわし読みされる」なみの恥辱だと思ってください』。

    なるほどぉ。そんな『恥辱』味わいたくないですよねー。

    ★1) 小説を書くには『推敲』を大切にする。
    …メモメモφ(•ᴗ•๑)

    次は〈二皿目 枚数感覚について〉です。『出版社から小説やエッセイの原稿を依頼される場合、「七十五枚でお願いします」』という感じで依頼されるのだそうです。これは、『「四〇〇字詰めの原稿用紙で換算して、七十五枚(あるいは十枚)」という意味』だそうです。ちなみにさてさてのレビューは、毎回おおよそ十五枚で書いています。”十五枚でお願いします”と誰かに依頼されたわけじゃないですけどね。

    (;^_^A アセアセ・・・

    『慣れてくれば、どんな枚数で依頼されても、「じゃあ、こういう話にすればちょうど収まるな」とイメージできるようになります』とおっしゃるしをんさんは、『場数を踏めば感覚は身につくので、枚数を意識しながら書くよう、心がけてみてください』と続けられます。

    ★2) 小説を書くには『枚数感覚』を身につける
    …メモメモφ(•ᴗ•๑)

    次に『人称』のことも書かれていますね。〈五皿目〉と〈六皿目〉で、『一人称』と『三人称』のメリットとデメリットをわかりやすく解説してくださいます。三つに分けられるんだそうですよ。まとめてみましょ。

    (´。•◡•。)ノ★*゚ヨロシクデス゚*☆

    ・『一人称』: 『「私は」とか「俺が」とか、ある一人の人物の視点に基づいて、物語が語られ』る
    → ○ 『郷愁や抒情を醸しだしやすい』
    × 『一人の人物の視点からしか描けないので、どうしても視野が狭くなりやすい』

    ・『三人称単一視点』: 『「A男は」とか「三浦は」とか、登場人物の外側からというか、客観的(とされる)視点に基づいて物語が語られ』る
    → ○ 『視点が切り替わったことがわかりやすい』
    × 『「これって一人称とどうちがうんじゃい」というところ』

    ・『三人称多視点』: 『カメラを特定の人物に固定させ』ない
    → ○ 『描ける範囲の抜群の広さ、奔放なまでの自在さ』
    × 『主語が多くなりがちで、なんか洗練されてないように見える危険性がある』

    なるほどー。私もレビューで視点回しがどうとかいうことを書きますが、見晴らしが良くなりました。『私自身も、長編を書く場合は特に、三人称単一視点を選ぶことが大半』とおっしゃるしをんさん。なるほど、こんな風にメリット、デメリットがあることを意識して読むと、作者がその作品に込めた意図も浮かび上がってきそうですね。

    ★3) 『「どういう人称がふさわしいか」を考え抜いたうえで小説を書くことによって、物語と登場人物をより輝かせられる』
    …メモメモφ(•ᴗ•๑)

    …という感じでこの作品では小説を書くために必要なあんなこと、こんなことがたっくさん紹介されているのです。

    なるほど( ゚∀゚)o彡

    でもこんな調子で一つひとつを追っていくわけにもいかないので、是非この作品を実際に手にしてみてくださいっ!

    ドウゾ(੭*ˊᵕˋ)੭⌒畄

    そう、あなたにはヘソクリという名のお年玉があるはずです!1,760円なんて安いもんじゃあないですかあ。

    ( • ̀Д•́ )キッパリ✧

    えっ?なんですかぁ?し、小説家になんてなるつもりはないってぇ?なるほど。

    ◎ 日本国憲法第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する
    ( *ノ_ _)ノノ╮*_ _)╮ハハー

    そんなあなたにこの作品のもう一つの魅力をお伝えしましょう。

    ♡₍₍ ο꒰ ⸝⸝˃ ᵕ ˂⸝⸝ ꒱ο ₎₎ ゎ‹ゎ‹♡

    はい、それこそが〈十五皿目 タイトルについて〉などに見られるしをんさん自身の小説を例に解説がなされる点です。

    (; ・`д・´)ナン…ダト!?

    しをんさんは自らの作品のタイトルを次の三つのパターンのどれかでつけられているそうなのです。

    ムシメガネ→○、(・・*oどれどれ?

    一、まんまやんけ発想法
    → 『まほろ駅前多田便利軒』(まほろ駅前で便利屋を営む多田さんの話だから)
       『あの家に暮らす四人の女』(古い洋館に住む四人の女性の話だから)

    確かに『まんま』ですね。連載だったからという理由があるようですが確かにわかりやすいです。
    \_(。・∀・)注目

    二、象徴発想法
    → 『風が強く吹いている』(箱根駅伝に関する小説)
    『舟を編む』(辞書づくりに関する小説)

    『作品の内容を象徴する』タイトルだそうです。確かに両作とも読み終わってからタイトルをしみじみと感じましたね。
    \_(・д・)ココ重要!

    三、逆説発想法
    → 『光』(むっちゃドス黒くて、どこにも光なんかない話)
    『愛なき世界』(本当はこの世界には愛があふれてるんじゃないかな、というところに着地する話)

    『愛なき世界』の方は絶対これ『逆説』だと思いましたが、あああ、失敗しちまったー、『光』については、作者のしをんさんが『どこにも光なんかない話』と書いてるわけだから『光』はなかったというのが正解なのですね。ミスリードなレビューを書いちゃいました(汗)。
    \_(*'-'*)ここテストに出ます

    ★4) 『作品にとってぴったりの看板になるよう、いろんな発想を組みあわせてタイトルを考案』する
    …メモメモφ(•ᴗ•๑)

    他にも〈二十一皿目 構想と構成、登場人物について〉では、「むかしのはなし」や「風が強く吹いている」を構想された際に書かれた設定の手書きノートが公開されています。

    //すごッ\(⊙⊙;)/

    また、「風が強く吹いている」に関して、『箱根駅伝は往復十区間から成るので、小説も十章立てにしようと考えました』から始まる実際の小説の構想の流れが細かく説明されてもいるのです!

    ニャンダッテ━━Σค(°ㅅ°ค(°ㅅ°ค(°ㅅ°;)ค━━!!

    プロローグ 出会い  
    一章 登場人物の紹介  
    二章 箱根駅伝を目標に掲げるまでのすったもんだ  
    三章 ひーひー言いながら、みんなでトレーニング  
    四章 記録会に挑戦
    五章 夏合宿
    六章 小休止(予選会という山場を控えて、これまでの総括と、今後の展開への引き)


    へぇ~(´・∀・`)なるほどね~

    こんな風に章立てをした後、『どういうレース展開にしたら、意図したとおりのストーリー運びになるか』を考えていくというその流れ。さらには〈十四皿目 取材方法について〉では、『「箱根駅伝の小説を書きたい!」と思ったのは、小説家として本を一冊出しただけの、デビュー直後のことでした』という「風が強く吹いている」誕生までの取材過程までもが詳細に記されているのです。

    エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

    胸を熱くするあの名作誕生の裏には『オタク気質の粘り腰というのも大事です』というしをんさんの足で稼ぐ綿密な取材の過程があったことがよくわかります。「風が強く吹いている」を読まれた方には、とても感慨深く読めるこの作品。これは絶対読まなきゃね!

    (Θ´v')bダョネ 。+゚

    ★5) 『「知りたいな〜、楽しいな〜」と感じながら取材を進めていくと、自然といいエピソードを聞けたり、思いがけない場面に出』くわす
    …メモメモφ(•ᴗ•๑)

    …ということで、この作品は小説家を目指すんだ!という方だけでなく、しをんさんの小説を愛する方、そうあなたです!そこのあなた!あなたこそは何をおいてもすぐにでも読むべき作品なのですっ!

    ナンダッテー!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)

    でもね、この作品を読んで、小説家になるぞー!会社辞めるぞー!と思ったそこのあなた!そうあなたです、しをんさんは楽観主義なそんなあなたにこんな風に警告します。

    『小説を書くことのみで生計を立てるのはリスクが高いし、いざというときに案外自由がきかないので、新人賞を受賞したからといってすぐに会社を辞めたりせず、しばらくはほかの収入手段も持っておいたほうがいい』

    なるほどー、そう甘くはないわけですね。

    _| ̄|○ ガクッ

    『私は本が三冊ぐらい出るまで、古本屋さんで働き、寝るまえの二時間ほどと休日に書く、というペースでした』。

    そんな風にご経験を語られるしをんさんは、こんな風にもおっしゃいます。

    『私は今後も小説をはじめとする創作物を楽しく味わい、自分でもぼちぼち書きつづけていければいいなと思っています』。

    (๑o̴̶̷̥᷅﹏o̴̶̷̥᷅๑)ウルウル

    「マナーはいらない 小説の書きかた講座」というこの作品。一年のはじめにこんなにも素晴らしい作品を皆さまにご紹介できて、さてさては充実した気分いっぱいであ〜りますね。はいーっ。

    お餅を、((((*゚ー゚)_Ω お持ちしました♪

    そうだよー、今日はお正月なんだよー。お餅もたくさん食べないとねー。ニキビなんて気にしてる場合じゃないでしょ。それに、読書して、長〜い長〜い、レビューを書いてる場合じゃないよねー。

    ヾ|@⌒_⌒@|ノそうだよ♪

    それにしても、しをんさんの作品って良いよね。キョーレツなエッセイとか、この作品のノリなんかに触れていると「舟を編む」とか、「神去なあなあ日常」とか、「光」とかの大真面目作品群しか読んだことのない方にはビックリだろうね。

    ビクゥッΣ(゚ω゚ノ)ノ

    でもね、この両面がしをんさんの魅力。さてさてが心酔する三浦しをん大先生殿の真の姿なのでごじゃるよー!

    (*ᵕᴗᵕ)⁾⁾ ゥンゥン

    ということで、今年一発目のレビューも流石に長くなってまいりましたので、これにてお開きにしたいと思います。

    ㄜƱ"ᘂ ɭ ɿ (•᷄દ•᷅)

    皆さま、いつもさてさての長〜いレビューをお読みいただき本当にありがとうございます!自分で読み返しても一つのレビューを読むのに10分位かかりますから、皆さまには貴重な時間を割いていただいていることにあらためて御礼申し上げます。

    ありがとうごㄜ"います(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゚

    でも、このさてさてという人間はそもそもきちんと仕事をしているのだろうか???とか、思っちゃいますよねー。一週間に6,000字×3冊で2万字近いレビューを書くなんて、ね?

    (¬、¬) アヤシイ

    で、でも、でもね、でもね、でもね、答えはとっても簡単なのです。今年も言いますねっ!

    ★☆★ さてさてはブクログのレビューに人生を捧げているのです ☆★☆

    §^∠^§ <感動した!

    そう、さてさては、皆さまの笑顔のために今年もレビューを書いて、書いて、書きまくる所存でございまするー!

    ヨシヨシ( *´`)ノ(´˘`*)イイコイイコ♡

    そう。そうだ。そうだよ。そうだよねー。

    ( ∗ᵔ ᵕᵔ) ˶ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾ ヨロシクデス .*°☆

    ということで、皆さまには、これに懲りずに、またのお越しをお待ちしておりま〜す!

    末長いお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

    ゚・* _| ̄|○))今年もよろしく((○| ̄|_*・゚

    ではでは!

    またねっ(*ˊᵕˋ*)੭ ( 。•ᴗ• )੭⁾⁾バイバイ

    • さてさてさん
      まことさん、早速ありがとうございます。
      まことさんがレビューを明日あげられたら、私の方でコメントさせていただけましたら幸いです。私も明日レ...
      まことさん、早速ありがとうございます。
      まことさんがレビューを明日あげられたら、私の方でコメントさせていただけましたら幸いです。私も明日レビュー予定です。時節柄のレビューとなる予定です。
      引き続きよろしくお願いいたします。
      2023/01/02
    • まことさん
      さてさてさん♪

      コメント欄にさてさてさんが、書き込まれるだけより、レビューそのものに、事情を書いた方が、ブラウザ版のみ、ご覧になっている方...
      さてさてさん♪

      コメント欄にさてさてさんが、書き込まれるだけより、レビューそのものに、事情を書いた方が、ブラウザ版のみ、ご覧になっている方もいらっしゃるかと思うので、いいかと思います。
      事情はレビューに説明を入れておくので、さてさてさんの、urlは、さてさてさん自身で、コメント欄に入れていただけば、いいかなと思いました。
      2023/01/02
    • さてさてさん
      まことさん、ありがとうございます。
      承知しました。
      どうぞよろしくお願いいたします。
      まことさん、ありがとうございます。
      承知しました。
      どうぞよろしくお願いいたします。
      2023/01/02
  • 小説指南書第三弾は、三浦しをんさんです。
    「丸めて燃やして海に捨ててください。(不法投棄)」「夜中に書いたラブレターを回し読みされるほどの屈辱」など、随所に爆笑要素があり、電車で吹いちゃいました。
    三浦さんはものすごく本を読んできてるし、ものすごく取材してるし、ものすごくサラブレッドだと思います。その土台もありつつ、自分の思いを文章化することに関して抜群のセンスと才能で制作するタイプの人だと思いました。天才肌。本書の半分くらいから「もう書くことね~」と連発していましたし。
    そんな方がものすごく苦労して書いた数々の作品をこうして何の気なしに読んでこれたのですから、すごく幸せなことだと思わずにはいられません。
    このように、本書は心に刺さる内容ばかりだったのですが、
    「小説に限らず言語を用いる全ての創作物は物語と共通している」
    というフレーズは心に残っています。私も文章を書く時に生かしていきたいと思いました。
    また、スマホやSNSの普及で人々の文章力は向上しているという点も見逃せないポイントでした。

  • いつかは弥生時代を背景とした大河小説を書きたい。そんな野望を持っているが、25年間一つも書けていない(泣)。そんなこんなで、藁をもすがる気持ちで紐解いた。文章教室的な本は幾つか読んだが、「エンタメ小説」指南書は初めて。忖度無し、コレは思いもかけず1番参考になる本だった。

    しをんさんは「推敲に推敲を重ねよう」と言っているので、感想代わりに、最近このブクログ欄で原稿用紙約9枚のレビュー代わりの小説を書いたので、それを推敲してみようと思う(長さ問題があるので、引っかかった部分だけ)。

    「白銀の墟 玄の月(3)十二国記」小野不由美 新潮文庫(20年5月6日)

    を、検索してみてください。これは、小野不由美女史が創り上げた「十二国世界」の、「創世記」を私流に「でっち上げた」お話です。つまりテーマは、大胆無謀にも、私流の「十二国世界観」です。

    〈人称問題について〉
    短編なので、一人称は正しかった。本当は主人公はキャラ立ちさせるべきなんでしょうが、長くなると問題なので、便宜的に中国秦国の官僚で記録官「中書令」の犀子(創作)を語り手にしてしまった。上手くいったと思います。大河小説ならば、三人称単一視点も試してみようかな。

    〈比喩表現について〉
    頭いたい。そもそも、もっと膨らまして9枚→100枚ぐらいには、するべき内容だったと思う。よってするべき比喩はほとんどできていません。でもそんなに長くなったら誰も読んでくれない!!あ、ごめん。この小説は〈小説〉と言ったけどホントは〈プロット〉というべきでした。誰か、これを原案に小説に書いてくれないかな。その前に小野先生に読んでほしいな。因みに三浦しをんさんは、新刊発売直後は感想検索しているみたいです。・・・なんか、「推敲」と言いながら「自己満足」と「言い訳」ばかしだな。

    〈セリフについて〉
    主な登場人物は3人で、喋るのは主には2人なのだから、此処で出ている「どの様な人が喋っているのか、誰が喋ってるか」技巧は難しくありません。むしろ気がついて欲しいのは、秦国の丞相である李斯は、最初はお尋ね者盧生を呼び捨てにしていますが、セリフのやり取りの途中、相手の正体に少し気がついてきて敬語を使い始めます(少し自慢)。‥‥だけど、繰り返しますが、構成からいってもホントは100頁半分をかけて李斯と盧生の関係を描くべき作品です。あゝ枚数が!

    〈取材方法について〉
    大変参考になりました(最大限ツテを利用、相手の佇まい・口調に注意)。‥‥でも、ホントは25年間ずっと取材しているようなもの。

    〈高揚感について〉
    しをんさんは、本の1/5ぐらいを使って映画「ハイロー」論を展開していて、ちゃんと高揚感の手本を見せてくれています。本来なら、私も映画を観た上で本書評を書くべきなんでしょうが、アマプラ無料にはなっていなくて断念しました(^^)。「青臭いセリフは小説だからこそ生きてくる」‥‥案外小説を書くには高揚感は必要なことなんだと思いました。

    〈描写と説明について〉
    「(粘りすぎるとくどくなるので)さりげない塩梅の描写を探ってください」という指摘が、繰り返しますがこの小説には適応しませんが、グサッグサッと来ました。「あれ?この納豆、あんまり糸を引かないな」‥‥そうです。25年間も温めていたら、そりゃ発酵を通り越して腐るわな(石になっているかも)。

    〈書く際の姿勢について〉
    「周りのアドバイスなど無用!」友達や同僚から感想を求めない方がいい。・・・迷っていましたが、ホント有り難きお言葉。SNSレビューも気にする必要なし。まぁそうなんだよね。だいたい、自分できちんと推敲出来なかったら、書く資格はない。

    〈文章、書き進めるコツについて〉
    「文章のデッサン力」という瞬発力が身に付いていたら、あとは「マラソンを完走する」持久力です。とのこと。「闇雲に走らない」。どういうコースか知らないままに42.195キロを走るマラソン選手はいない。「あと2キロ先に給水ポイントがある」とわかっていれば踏ん張りがききます。「ここから上り坂が続く」とわかっていれば、息切れせぬように慎重に行こう、とペース配分できます。‥‥心しておきます。

    書いてみて気が付いたけど、しをんさんの本自体が脱線しまくりなのを良いことに、全然「推敲」になってないな。

    • まことさん
      Kuma0405さん♪
      大事なことを、いい忘れていました。
      池上先生が、講師との相性を考慮して、毎月のテキストをえらばれますが、池上先生が、...
      Kuma0405さん♪
      大事なことを、いい忘れていました。
      池上先生が、講師との相性を考慮して、毎月のテキストをえらばれますが、池上先生が、受講生によく言われることに、「講師の先生をおもてなしする気持ちで書きなさい」と言うことがあります。
      ミステリー作家には、ミステリーを、恋愛小説の名手なら、恋愛物をということです。
      Kumaさんの場合は、かなり、特異な分野かと、思いますので、その作品が提出されても、苦とせず、読んでくださる、作家の方の時に提出されるといいかと思います。あと、いきなり、提出するのは、勝手がわからないかと思うので、少しでも、ご興味を持てる作家の時に、一度参加されてみて体験してから、作品を提出された方がいいかと思います。
      2023/01/03
    • kuma0504さん
      まことさん、
      貴重な提案ありがとうございます。
      そうですね。
      現役作家に作品を読んでもらう機会なんて、普通はなかなか持てないのだから、もう少...
      まことさん、
      貴重な提案ありがとうございます。
      そうですね。
      現役作家に作品を読んでもらう機会なんて、普通はなかなか持てないのだから、もう少し慎重に計画したほうが良さそうですね。

      とりあえず、今年の目標にしたいと思います。ありがとうございます。
      2023/01/03
    • まことさん
      kuma0405さん♪

      何かまた、わからないことなどあれば、お気軽にコメントください。
      ご健闘をお祈りします!
      kuma0405さん♪

      何かまた、わからないことなどあれば、お気軽にコメントください。
      ご健闘をお祈りします!
      2023/01/03
  • 「WebマガジンCobalt」の連載「小説を書くためのプチアドバイス」の書籍化。

    おもしろかった!

    まず、単純にエッセイとして楽しい。
    ユーモアのある言いまわしに、ハウツー本(?)らしからぬ脱線の数々。
    何度も笑ってしまう。

    次に、三浦しをんファンとして興味深い。
    ご自分の作品を使って解説されることがあり、その裏話に興味津々。
    実際の作品の構成メモや設定メモなど、貴重。

    そしてもちろん、小説の書きかたとしても勉強になる。
    応募要項の書式指定を守ろう、という基本中の基本から、比喩、セリフ、時制、タイトル、取材方法、構想と構成など、深い内容まで網羅。

    良くない例として挙げられる内容が、「あるある、そういう作品!」と共感することしきり。
    これらの注意点を守るだけで、だいぶ読みやすい作品ができるのではないか、と思う。

  • 「コバルト短編小説新人賞」に応募する人を読者と想定した三浦しをん流の小説の書き方講座。短編講座だけど長編にも繋がる普遍的なテクニックが惜しみなく語られていて、小説に限らず何らかの文章を書く際には色々為になる。情景描写は本格ミステリに学べとか日々の出来事を何でも文章に起こすとか成程成程。始めは比較的真面目なのに途中からハイローにドハマリして愛がダダ漏れし出してからは何時ものエッセイ風味になってきてにやり。例えでちょこちょこ自著の裏話が出たり、勢いのまま書く前にしっかり図面(構想や構成)を引くのが大事だと語る回に「むかしのはなし」「風が強く吹いている」の構成メモが出たりファンにはお得な一冊。最新刊早よ読まんとな。(それ以外はほぼ読破済)

  • ◆技法も価値観も惜しみなく[評]重里徹也(聖徳大教授・文芸評論家)
    マナーはいらない 小説の書きかた講座 三浦しをん著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/72554?rct=book

    『マナーはいらない 小説の書きかた講座』として、ついに単行本化……!|集英社Webマガジンコバルト文庫
    https://cobalt.shueisha.co.jp/contents/manner-miurashion/

    マナーはいらない 小説の書きかた講座/三浦 しをん | 集英社の本 公式
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-790015-6

  •  三浦さんが『WebマガジンCobalt』で連載していた『小説を書くためのプチアドバイス』を、単行本にまとめたもの。
     全24章、コース料理に例えています。マナーはいらないというのは、「小説を書くのは自由な行いだから、細かい作法とか気にしなくてオッケーだぜ!」という三浦さんの思いのこもったタイトルだそうです。
     ただ全くの自由かというと、そうではなくて「ここを踏まえると、もっと自由に文章で表現できるようになるかもだぜ!」という、三浦さんならではの、小説家の視点からのアドバイスが満載です。
     個人的には、小説の視点、一人称、三人称単一視点、三人称多視点(いわゆる神の視点)の文章が、とても興味深かったです。
     そこそこ本を読んでいると思っているのですが、のり出すと小説のなかにのめり込んでしまう読み方なので、小説を書く側が視点にも気を配って書いていたのかーーー、って目から鱗が落ちた気分です。

     この本のなかでも、三浦さんが映画『HiGH&LOW』シリーズにはまっていく様を拝見し、人が沼にはまっていくのを見るのは(他人事だけに)とても楽しいものだなあと勝手ながら生暖かい目で三浦さんを応援しています。
     それとともに、そこから、小説の技法、比喩表現とか時制とかの話に導いていけるのはすごいなあと思います。

     小説のための取材をする、タイトルを決める、といったことに、それまでの三浦さんの小説が例に出てくるのもとても良きです。
     『風が強く吹いている』のときは~、『あの家に暮らす四人の女』のときは~、などと三浦さんの小説ができるまでを子細に知ることができるのですよ!どーですかお客さん!

     個人的に『風強』(と三浦さんも略しているので、そうさせてもらう)については、「構想と構成」の章に詳しく書かれているのです。
     三浦さんご自身手書きの設定も載っていて、天にも昇る気持ち。
     『風強』が好きすぎてたまらない某(それがし)には、多量の燃料が投下されてます。尊いが過ぎます。

     小説、文章を書かれる方にはとてもよい教科書になるんじゃないかなと思います。
     また、某のようなただの読書好きにも、あっ、こんな風にして小説って書かれるのね、やっぱり作家さんってすげーなー、的な感慨深い気持ちにもなれます。
     小説の書き方の本でもありながら、エッセイ的な読み方もできて、一冊で二度美味しい本だなと思うわけです。

  • 文章が書けなくなって、さて何ヶ月たっただろう。本もパタリと読まなくなった。1日1冊ノリで読んで、ブクログの更新も読んだら速攻だったのに。SS書くなんて、思いもしなくなった。商業執筆も契約満了で、もう全く書いていない。ただベッドで一人病を飼い慣らして仰臥している。ソシャゲを遊んで息をしているだけの毎日だ。この本は、まだ小説に手を染めて、ゲームライターとしてシナリオ書いてみたいと、ライター選抜試験を落ちた後、真面目に思っていた頃に予約した本だった。研鑽が要ると思ったから、だし。親しみやすい語り口に惹かれたからでもあった。

    結論から言おう。一番に感じたことは、

    『三浦しをんって作家さんは、文章が上手いなあ。』『面白いし読ませるなあ。』

    これに尽きる。ここ数ヶ月、本も読まなくなった。映画も観なくなった、コミックも同様に読んでいない。他人と話すのも激減している。病の療養のためもある、あるが、本当の理由はおそらく、どこかが欠け落ちたせいだ。そういう時に読み続けて持ち直し、日々なにかの文字を書いていた者が、そうしなくなったのだ。異常である。

    いい加減図書館に返却しようと思い、明日返すのだが、その前にふと、読んでおこうかと思い立った。一冊読み通す自信はなかったのに。一日で読み切ってしまった。書籍としては、相当習作を書き、コバルトやネット小説の新人賞など、応募経験のある執筆愛好家をターゲットに書かれ、口語体の面白いエッセイとしても、執筆指南としても良く出来ていて、流石である、何がすごいって、『一行でも書いてみようか。失敗してみようか。』と思わせることである。難しい言葉を使わず、作品の骨子作りを示している。躓きそうな悩みを、ひとつのチャプターで1テーマずつ取り上げている。やってみないと身につかないことだと、早々に気付かされるため、このような思いを抱くのだ。

    ヒット作家である三浦さんは、決して売れっ子作家でございと言う顔はしない。アマチュアの賞応募者の延長に、同好の士で先行している者として、率直に話してくれる。アマチュア小説家の方々の努力やお作を、ご自身のお作同様、とても尊敬して尊重なさっている。実際賞の応募に漕ぎ着けて、選評をもらっている方々というのは、それだけですごい。頭が下がる。いっぱい読んでいっぱい書いて、いつも何かを思いついていられること。それを書いてみること。それしか作品完成への道はないようだ。

    書かないという選択も、別に悪くない。書けない、評価されない。そういう自分に対するつらい気持ちに傷つかないようにとも、配慮ある言葉も添えてある。いくら同好の士と言っても、それでも三浦さんの行動は、才能ある人で、やっぱすごいとため息は出る。だけど、この本すごく面白くて、つい巻き込まれてしまうから、私のように筆がべっきり折れていても、読んでみていいと思う。だってほら、この感想だって、おかげで何ヶ月ぶりに書けた。奔放に書いていた頃が懐かしい。下手なりに楽しかった頃が懐かしい。小説も文章も、もう書かないだろうけれど、レビューのひとつくらいは、散らし書きできた。すごいことだ。

  • 三浦しをんさんによる小説の書き方講座(しをんさんのテンション高めな近況やオタ活の様子も知れるエッセイとしての側面もあり)。
    これから小説を書こうとする人だけでなく、読むうえでも参考になるというか、こういうコツやテクニックのようなものを知ってからだとより深みのある読書ができそうな気がする。

    **
    「モヤモヤした雰囲気」はあくまでも、「短編を読み終えた読者の胸に残したいもの」なのだと考えてください。結果として作品から醸しだされる雰囲気、イメージなのです。書く際に、作者がそのイメージにひたりすぎたり、引きずられすぎたりしてはいけません。
     綿あめを想像してみましょう。ふわふわしています。しかし、綿あめを構成するものがふわふわしているでしょうか? 否! 綿あめは、割り箸、ざらめ、鉄鍋みたいな機械、屋台のおじさんからできています。材料(?)はちっともふわふわしていないのです。でも、できあがりはふわふわ。
    **
    小説の場合も同様で、「目に映ったものや感じた気持ちを、ふだんから脳内で言語化する」のは、たとえるならデッサン力を高める訓練です。これを繰り返していると、いざ小説を書くとなったときに、情景や心情を文章で表現しやすくなります。
    **
    小説における描写とは、「事細かに説明すること」ではありません。読者の想像力をよりかきたてるための、「材料」なのです。小説において、「写真や映像のように、細部まで忠実に文章でスケッチする」のは、実は描写ではない、と私は思います。「文章を通して読者の想像力が刺激され、写真や映像のように人物や場面が脳内に浮かんでくる」のが、うまい描写なのです。
     「読む」というのは、積極性を求められる行為です。読者は積極的に、小説の文章からなにかを汲み取ろう、感じ取ろうとしつつ、読んでくれているのです。そういう読者の想像力を信頼し、委ねる気持ちを持ちましょう。
    **
    あと、地の文。これも好みの問題になってきますが、私は地の文がどんどん高まっちゃって、ついに「謳いあげる」みたいになるところのある小説が、けっこう好きです。けっこうというか、かなり好きです。なぜならその瞬間、作者および登場人物の熱量に煽られて、自分も作品のなかに融けこむような陶酔の感覚を味わえるから。

  • 三浦しをんのファンが読めば楽しい本なのだと思う。
    「講座」というより日常雑記エッセイとして読めるし、彼女の作品の舞台裏が垣間見える本だから。

    ただ、とくにファンではなく、「人気作家による小説の書き方講座だから」という理由で読んだ人にとっては、思いっきり肩透かしの内容だろう。

    ペチャクチャおしゃべりするような軽~い文章で書かれていて、随所におちゃらけが入る。生真面目な読者なら、「読者を馬鹿にしてる!」と怒り出すかもしれない。

    なにしろ、まだ序盤の55ページに、企画自体を全否定するような言葉が出てくるのだ。

    《は~、もうアドバイスできることなんてないよ! そもそも私、あんまり論理的に考えず、自分の書きたいように小説書いちゃってるしなあ》

    しかも、この手の言葉がその後もくり返される。

    かと思えば、著者が好きだという「三代目 J Soul Brothers」とか、映画『HiGH&LOW』シリーズについて長々と熱く語る箇所が頻出するなど、しばしば脱線する。

    たとえば、第18回の冒頭はこんな感じ。

    《おいらもうわくわくが止まらねえだ! もうすぐ三代目 J Soul Brothersのドームツアーがはじまるから、小説のことを考えてる場合じゃねえだ!》

    おいおい。これは「小説のことを考え」るための本ではなかったのか(笑)。読んでいてアホくさくなってくる。

    《この本、途中から「我、EXILE一族にいかにしてはまりしか」のレポートみたいになっちゃってるけど、いいんだろうか。》

    よくねーよw

    そのように脱線が多すぎる本だが、それでも全体の1割くらいに、ハッとするような名アドバイスがある。その点はさすが第一線の売れっ子作家だ。

    私が「なるほど」と膝を打った点を一つ挙げよう。

    著者が選考委員を務めていた時期の「コバルト短編小説新人賞」で、一度だけ「お題」を設定したことがあったという。そのときのお題は「しまもよう」というもの。

    すると、応募者の大半は縞模様の服を登場させたり、「縞模様」という言葉を作中に入れたりしてきたという。「しまもよう」とひらがなにしてあるのだから「島模様」(「島の人間模様」)などと解釈してもいいのに、そうした人はいなかった、と……。
    生真面目すぎるし発想にひねりがない、と著者は言うのだ。

    一方、著者も参加した文芸誌の「クリスマス」特集号では、作家たちが誰一人として「恋人同士の幸せなクリスマス」を描かず、それぞれがひねりの効いたクリスマス小説を書いてきたという。
    プロ作家を目指すなら、それくらい斜め上の発想を心がけないといけない、と言うのだ。なるほどなるほど。

    そういう面白いアドバイスもあるので、愚書とまでは言わない。
    ただ、途中の脱線はひどいし、三浦しをんのファン以外にはあまりオススメできない。

全145件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×