デンマークの親は子どもを褒めない 世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方 (新書企画室単行本)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087890082

作品紹介・あらすじ

「幸福指数世界一」に何度も認定されたデンマークの幸福の秘訣は子育てにありという切り口から、「PARENT(親)」の頭文字を使い6つのキーワードで解説する子育て本。世界全15か国で刊行決定。

感想・レビュー・書評

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  • 「世界一幸福な国」に1973年からほぼ毎年選ばれているデンマーク。
    ヒュッゲを始め最近話題ですが、北欧の幸せに関する本を読むのはこれで4冊目です。
    なので想像が多少ついてるところもありましたが。

    ありのままに。子供に敬意を払い。
    むやみやたらに褒めず努力を評価し、(タイトルは褒めないとなってますが、本書は必ずしもそう言っているわけではなかったです)
    家族や友人などとの繋がり、温もりがいかに大事か、肌で感じさせる。
    といったところでしょうか。

    子育ては一筋縄ではいかなくて、すでに4歳目前で人間らしいことをポツポツ言うようになり親の私もどう対応すべきか試行錯誤するようになってきたところ。
    こんなの序の口であるわけで
    小学校、中学、高校…と悩みはどんどん大きくなってくんだろうな。
    でもやはり幸福度かなり低い日本は少なからず北欧に学ぶべきことはあるはずで
    子供を尊重して、なにより家族がすべてのベースで1番下の強力なネットであるように。落ちてもそこでキャッチできるように。
    たまに迷った時、こういう本があるということを頭に思い出せるようにしておきたいなと思いました。

  • 父、母だけでなく、全ての人に読んでほしい本。

    周りに子供がいたら、うるさくても、自分に余裕がなくても、落ち着いて接してくれたら、そんな環境に暮らせたらお母さんは安心して子育てができます。

    褒めないって、悪いこと?と疑問を持つ人には新しい価値観を持つことができる、
    褒め殺しに少しでも違和感を持つ人には、その答えがはっきりわかります。

    辛い子育てが、面白いものに変わるきっかけになるかもしれない。

    結局はアドラーに通ずる。自分のものの見方が変われば全て変わる。

  • P63 内的な満足と外的な満足、P64 ありのままに褒める、たすくに注目する、P71 こどもの頭良さを褒めることは、傷つきやすくてもろい硬直マインドセットを与えてしまうかもしれない。「意欲」や「レジリエンス」を育むには、努力やプロセスを褒める。P76 あらゆる感情を網羅した物語を読み聞かせる。P77 プロセスを褒める。P78 努力に注目P85 リフレーミングが上手なことが、折れない心の基礎になる。P120 共感力 P139 自信を示し、他人に信頼を見出すことはじほひょうげんである。信頼することで、心が解放される。P192 天国と地獄についての寓話。P193 他者を助けることを学び、共同作業にいそしみ、チームを育成することを学習する P222 デンマーク流は、thedanishway.com にて、更なる学びを。

  • ・遊べば遊ぶほど自制心が身につく
    ・遊び方のヒント
    →アートで遊ぶ際、手本は見せない。自由に制作させる
    →一人遊びさせる、介入しすぎない
    ・努力や過程を褒める
    ・個人と行動を分けて考える(子どもが悪いのではなく、その行動が悪い)
    ・他人の良い面を見る習慣をつけさせる
    ・共感力を育むには色々なジャンル(アンハッピーエンドな本も)の読み聞かせ、読書
    ・決まり事は全員で決める
    ・子は鏡
    ・問題が起きた際はWin-Winで着地できるように。
    ・反抗も自立心の成長のサイン
    ★ヒュゲ=他人と居心地良く過ごす事
    ★ヒュゲを空間と捉えるとわかりやすい。最大限ヒュゲを良くしようとその場にいるみんなで協力。
    ・文句を言いたくなったら自分に手をかせることはないか考える
    ★ヒュゲでは(私)を持ち込まず(私達)で考える

  • 読みやすく内容も分かりやすく書いてあって実践してみようと思う。

  • <感想>
    北欧は、学力より遊びを重視する傾向があると感じた。環境なのか、人なのか、文化なのか。実際に目で確かめたいお思った。
    <忘れたくない要点>
    育てる側も自分を騙さず素直になる。結果ではなく努力を、過程を褒める。嘘や過剰な褒め方はしない。人と比べないことを教える。"私はこう思う"を伝える。ことばの変換で、ネガティブから脱出する。行動と人を切り離して考える。反抗は自立心の成長サイン。傾聴の姿を子に見せる。ヒュゲ=人とのつながり

  • ヒュゲ な時間を過ごすこと
    ヒュゲ な時間を過ごす努力をすること
    ヒュゲ な子供時代を過ごすこと
    それがデンマークが世界一幸せな国の
    1つで居続けられる秘訣

    個人を尊重し決めつけない
    考え理解する時間を設ける
    謙虚に尊重し合う

    レジリエンス リフレーミング

  • 本のタイトルを見ると、「え?本当にまったく褒めないの?!」と疑問に思う人がいるかもしれないが、この本はまったく褒めないわけではなく、こどものどういう点を褒め、認めてあげるかについて教えてくれる本。

    PARENTの6つのキーワード
    Play
    →自由遊びが、適応力とレジリエンスを持つ「未来の幸せな大人」を育む。
    自由遊びは子供が必要とする根本的な人生のスキルを数多く育ててくれる。 自由遊びによって育まれる貴重な教訓のごく一部がレジリエンス、協力と交渉のスキルと自制心だ。またストレスに対処する能力も育まれ子供が大人になった時に不安障害に苦しむ確率の低下に繋がる。 遊ぶことで内側の統制の所在の発達を促し自分の能力に自信がつく。 そしてこれが幸福感の強固な基盤となる。

    自由遊びをする子供は不安を軽減するスキルを習得する
    レジリエンスが大人になってからの成功を予測する重要なファクターだと証明済み
    外的統制型の傾向が強い子供は不安感とうつ症状が出やすいことが研究から明らかになっている。
    デンマークの親は、絶対に必要ではない限り手を貸さない。→自分を信じる心を育ませている。
    遊びが問題や目標に柔軟に適応したりアプローチしたりする能力の強化に効果的という研究がある。
    遊ぶヒント
    ・スイッチを切る
    ・環境をととのえる
    ・アートを活用する
    ・こどもに外で探検させる
    ・異なる年齢の子供と遊ぶ
    ・子供の好きに遊ばせ、親の罪悪感を捨てる
    ・親が本気で遊ぶ
    ・一人遊びもさせる
    ・障害物コースを作成する
    ・友達の親を誘う
    ・介入を急ぎすぎない
    ・手を放す

    Authenticity
    →正直な人は自尊心が強い。子供の褒め方を工夫すれば、硬直マインドセットではなく、成長マインドセットが育まれ、切れない子供に育つ。
    ありのままを見ることは自分の感情を信頼する気持ちを育むため子供の心の羅針盤を強固にする。 親自身と子供が正直になることを学べば自尊心が育まれる。 あらゆる感情を抱いて良いことを忘れないで。 また親がどんな褒め方をするかで子供が世の中を見る視点が変わるので注意が必要だ。 中身のない褒め言葉や賢さに焦点を当てすぎた言葉をかけると子供が不安になりリスク回避へと流れやすくなる。 プロセスを褒めるようにすると硬直マインドセットではなく成長マインドセットが育まれる。 すると忍耐強くて自信に満ちレジリエンスの高い人格形成につながる。
    ありのままを見ることができる人は、自分と自分の家族にとって何が正しいのかを、自分の本心と勘で見極めて、本能に従うことを恐れない。
    意欲とレジリエンスを育むためには、努力やプロセスを褒める。そうすることで、子供の意識が、成功するために自分が何をしたか、将来成功するために何をすればよいかに向くようになる。
    ありのままを見るヒント
    ・自分を騙さない
    ・正直に回答する
    ・親の子供時代の例を活用する
    ・誠実さを教える
    ・あらゆる感情を網羅した物語を読み聞かせる
    ・プロセスを褒める
    ・普段の返事に褒め言葉を使わない
    ・努力に注目する。本当のことだけを言う。
    ・人と比べないを子供に教える
    ・わたしには、を加えることで、親とこのそれぞれの見解に光を当てる

    Reframing
    →ものの見方を変えると、親子ともに人生がいい方向に変わる。
    視点を変えること=リフレーミングは子供の人生についての見方を変える強力な方法だ。 どの視点を選ぶかで感じ方が変わる。 現実的な楽観主義者はネガティブな情報に目を瞑らずに別の情報に意識を向けて自身や子供や人生一般についてなるべく豊かで楽しい未来図を描こうとする。 リフレーミングは世界の感じ方を変えることができる。 そしてそのプロセスが親と子の幸福度を高めてくれる。 リフレーミングのスキルを子供に教えることは親から与えられる最高の贈り物かもしれない。 子供の将来だけでなくその先々の世代の幸せにもつながるからだ。
    現実的な楽観主義者は、ネガティブな情報を不必要として締め出すことはめったにしない。
    ネガティブな面ばかりに注目するのではなく、妥協点を探すことで、不安が軽減され、幸福度が増す。
    デンマーク人の初期設定は現実的な楽観主義者。彼らにとっては当たり前だが、それこそが幸せであり続ける理由
    視点を変えるヒント
    ・ネガティブ思考に気づく
    ・リフレーミングを練習する
    ・決めつける言葉を減らす
    ・レッテルを貼らず、行動を人物から切り離す
    ・我が子の物語を、もっと魅力的に書き換える
    ・促す言葉を使う
    ・ユーモアを使う


    Empathy
    →共感力を理解し、実践し、教えることが、幸せな親子になるための必須条件。
    共感力は人間らしく生きるために欠かせない能力だ。 アメリカ社会では共感力のレベルが落ち込みナルシシズムのレベルが高まっているが人間は本来利己主義よりも共感に傾くように生まれついていることが研究より分かっている。 批判や羞恥心を抑えることで自分と他人の心の痛みへの理解が深まる。 そのことが他人との距離を縮め絆を深めもっと許し合える関係を育み全体的な幸福度が高まる。 子供は共感力の訓練をする中で他人と自分自身を尊重することをまなぶ。 それが本当の意味での幸福感をもたらすのだ。
    人が弱みを見せたがらないのは、人間関係の断絶を恐れるからだ。→ブレネーブラウン
    だがしかし、自分の弱さをさらけ出し、共感力を持つことで、人との距離は縮まる。
    囚人のジレンマの実験では予想に反し、裏切りという利己的な選択よりも協力を選ぶことが多かった。報酬系の情動を司る脳の活動が活発。脳科学的に自分だけの幸せよりも他人の幸せに喜びを感じる。
    デンマークの親は、不愉快な行動は状況に影響を受けただけという味方を子供に促す。
    共感力のヒント
    ・あなた自身の共感力のスタイルを理解する
    ・他人を理解する
    ・感情に気づいて、言葉にする。
    ・読み聞かせと読書
    ・大切な人との関係を改善する
    ・自分の弱さをさらけ出す
    ・共感力を伝染させよう

    No Ultimatums
    →自分の正しさを主張する権力争いをやめて民主型の子育てスタイルにすると、信頼関係とレジリエンスが育まれ、子供がもっと幸せになる。
    主導権争いが進むと親がカッとなり冷静さを失う可能性がある。多くの親は躾の一環として怒鳴ったり体罰を加えたりする。 親がカッカしているのに子供に切れないことを期待するのは無理というもの。独裁支配型の子育てスタイルでは子供と一緒に育まれるべき信頼と親密さの代わりに恐怖を与えている。 これは短期的には効果があったとしても長期的には悪影響が生じる可能性がある。デンマーク人は民主的な子育てスタイルを実践しながら親子の信頼関係と子どものレジリエンスを育んでいる。子供は親に尊重され理解されているように感じ、お返しにルールを理解し尊重することを学ぶ。 子供は強い子精神を育み最終的には幸せで感情の安定した大人に育つ。
    複数の研究から、民主型の子育てスタイルの親を持つ子供は、自主的で、社会から受け入れられ、学業成績が良く、行儀が良い傾向があるとわかっている。また、うつや不安も訴えにくい。
    デンマークの教師は、生徒の一人ひとりをそれぞれのニーズを持った個人としてみなすトレーニングをしている。
    前は膳を生む。冷静は冷静を生む。悪いのは子供ではなく、行動である。
    子供に食事の楽しさや食べ物を大切にする気持ちを教えることが、親から子への素晴らしい贈り物ということ。
    叩かないヒント
    ・行動を子供から切り離して考える
    ・子供に勝とうとしない
    ・子供を責めない
    ・子供は生まれつき善だとみなす
    ・子供に教える
    ・リフレーミングする
    ・子供にしたことは、いつか自分に帰ってくることを忘れない。
    ・パートナーを巻き込む
    ・あなたの体罰をチェックする
    ・子供の年齢を常に考慮する
    ・あらゆる種類の感情を受け入れる
    ・犯行も反応の一種
    ・悪い行動の背景を考える
    ・どんなことで自分がカッとなるかを知る
    ・話を聞く姿勢を子供に見せる


    Togetherness and Hygge
    →幸せに生きるためには、仲間と強いつながりを持つことが、何よりも大切な鍵。ヒュッゲな環境づくりが、親から子へ送る最強のプレゼント。
    仲間と心地よく繋がることが人間の幸福度を左右する最大の指標であり親密な人間関係を育む方法だ。ヒュッゲつまり居心地の良い過ごし方によって家族の集まりをさらに楽しく思い出深い体験として子供に与えることができる。私を持ち込まずに私たちに意識を向ければ家族の集まりで勃発しがちな不必要な人生ドラマやネガティブな言動が排除できる。幸福な家族と強力な社会的サポートが幸せな子どもを育てる。
    ヒュッゲは美徳であり自尊心であり心のあり方。文化的基盤の一部
    他者との繋がりを感じることが人生に意義と目的を与える。
    出勤の概念には本質的には全体の利益のために自分を理由におけるということだ自分の問題は玄関に置いて出掛け個人的な欲求や欲望を犠牲にすることでグループの津田がより楽しいものにする。
    他者を助けることで自分も助かる謙虚なスター
    仲間と心地よく繋がるヒント
    ・ヒュッゲの誓いを守る
    ・みんなで今の瞬間に集中する
    ・フレーミングの下準備をする
    ・一緒に楽しむ
    ・居心地のよい空間を作る
    ・文句は一時休止
    ・ストレスを感じたらリフレーミングをする
    ・シンプルを保つ
    ・親が今に集中し子供にも今に集中するように促す
    ・つながる
    ・遊びを促す
    ・チーム育成を促す
    ・信頼して打ち明ける
    ・ママ友のグループを立ち上げる
    ・家族がチームであることを子供に教える
    ・家族のつながりを日常的に祝福する
    ・歌う

    ヒュッゲの誓い
    私たちは日曜日のディナータイムをヒュッゲに過ごすことで同意しました。全員が安心できガードを固める必要のない居心地のよい雰囲気を作り出すために一人一人がチームとして助け合うことをここに約束いたします。私たちは以下の努力をすることに賛成します
    電話と iPad の電源を切る。不必要に文句を言わない。 自分の騒動を持ち込まない。 室内で集うならキャンドルに火を灯す。 一人に仕事が集中しないように手伝える方法を探す。 食事と飲み物を楽しむように意識的に努力する。 参加者が過去に体験した元気がもらえる面白くて楽しい思い出話をなんどでも語る。 政治の話など論争を呼ぶ話題は持ち出さない。 自慢話はほどほどに、自慢は不和を呼ぶ可能性がある。張り合わない。 他人の悪口を言ったり否定的な内容に意識を向けたりしない。 全員が参加できるゲームで遊ぶ。私たちを愛してくれる身近な人々に感謝するように意識的に努力する。

    自由遊びと共感力とソーシャルスキルを重視するという考え方

    レジリエンスをもつ情緒が安定した幸せな子供が幸せな大人に成長し、また同じ子育てスタイルで子供を育てる。そんなサイクルが何十年と続いている。

    限界ギリギリのときに無意識に撮ってしまう行動が自分の初期設定

    子育ては愛することと同じく行動

  • タイトルの「褒めない」というのは誤解を生む表現だと思いますが、成長マインドセットを育むために「結果」ではなく「プロセス」を褒める、といった内容でした。

    デンマークの人々は、「リフレーミングが上手くレジリエンスが高い」「個人としてよりもチームとしての成果を重んじる傾向が共通してある(筆者のいる米国では個人の成果を重んじる傾向がある)」という話、興味深かったです。

  • 「何をさておいても、親は冷静さを保ち、自制心を失うべきではないと思っています。だって、自分が自制心を保てないのに、子どもにそれを期待することができますか?不公平ですよね」
    「本当に重要?」

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