エブリシング・バブルの崩壊

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087861358

作品紹介・あらすじ

コロナ禍で空前の金融緩和が行われて3年。インフレ懸念、利上げの必要性を叫ばれてきたが、いよいよ2022年は、FRB(米国の連邦準備理事会)の方針大転換で、3月から利上げが始まり、世界経済のフェーズが変わる。
米国のインフレ率は、2022年1月で前年比8.6%に達し、食料や生活用品が値上げされているばかりか、賃金も上昇している。
しかし日本では、思うように賃金が上がらず、物価の上昇だけが先行する不況下のインフレ、すなわちスタグフレーションが懸念されている。
また米国が撤兵したアフガニスタンの混乱や、ウクライナへのロシア侵攻の懸念など、地政学リスクが増大することによって、原油や天然ガス、小麦などのコモディティ価格が上昇し、ますます世界のインフレに拍車をかける状況となった。
一方、世界経済の牽引車だった中国は、恒大集団の実質的な破綻など不動産バブルの崩壊がささやかれ、景気の後退が懸念されている。
こうした様々な世界経済のほころびが明らかになった2022年、上昇しすぎた世界の株式市場や不動産市場はどうなるのか?
今後の世界経済はどのように展開していくのか?
すべてがバブルと思われるほど価格が上昇したいま(2022年春)、リーマンショック以上の世界経済の崩壊(!)が近づいていることを、著者は深く懸念している。
さらにサイバーセキュリチィーへの懸念や暗号通貨の広がりなど、グローバル化、デジタル化した世界経済ならではの、新しい問題についても警鐘を鳴らしている。
著者は、こんなときだからこそ、日本に世界の資金が集まるチャンスとも言う。
投資をする人も、そうでない人も、世界経済の大転換期に入った今、是非読んでおきたい一冊である。

( 目 次 )
第1章 エブリシング・バブルはFRB緩和バブル
第2章 キャリーバブルとキャリークラッシュ
第3章 難儀きわまるインフレがやってきた
第4章 日本経済の今後を考える
第5章 中国で全開する習近平ワールド
第6章 ウクライナ、アフガニスタンなどの地政学リスクの変化
第7章 世界標準に比して無防備に近いサイバーセキュリティー
第8章 暗号通貨の正体

[著者] Emin・Yurumazu (エミン・ユルマズ)
トルコ・イスタンブール出身。16歳で国際生物学オリンピックの世界チャンピオンに。1997年に日本に留学。
一年後に東京大学理科一類に合格、2004年に東京大学工学部を卒業。2006年に同大学新領域創成科学研究科を修了し、生命科学修士を取得。
2006年野村證券に入社。投資銀行部門、機関投資家営業部門に携わった後、2016年に複眼経済塾の取締役・塾頭に就任。

感想・レビュー・書評

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  • トピックのひとつひとつはおもしろいけど、マクロ経済の大局観としてはもう少し言及されていたらよかったと思う。今の経済が複雑すぎるのと、全部の要因を洗いざらいにするのは無理があるにしても。
    結局日本株に投資する理由もふんわりしてたかな...
    今のアメリカ経済がバブルにあるのは間違いないと思うけど、日本経済指数が右肩上がりに牽引する材料がないと思う。中国の資産待避や、米国バブルが弾けて、日本のバリュー株が注目されたとしても、それこそ実体が伴わないバブルと言えるんでは?

    地政学の話とか、暗号資産にしてももう少しそれが与える影響とリスクヘッジについて書いてくれるとありがたかった。(そういう本だと思ってた)

    出版された当時に読んだらためになったかもしれないけど経済観としてはちょっと古いので答え合わせみたいな感じで読むくらいがいいかな。
    エミンユルマズのエッセイとしてみたいな読み方だと普通におもしろい本です笑
    もう一冊くらい著作読んでみようと思います。

  • 比較的ちゃんとした新書という感じ。著者のエミン・ユルマズさんはXで有名な方だが、やはり優秀なようで現在の米国経済状況の分析は割としっかりしているように感じた。
    しかし、この手の書籍はスピードが大切なので仕方ないのだが、そこから結論までが少々雑。
    結局この本によればバブルが崩壊しているはずの現在も特にバブルは崩壊していない。
    書いてあること全部鵜呑みにするべきではなく、今の経済状況を知る一助として、話半分に適当に読むのが良いかもしれない。

  • 2022年から続く株価暴落についていち早く警鐘を鳴らしていた著者の言っていたことが今になって裏づけられていく。著者はなぜ早く今の現状になりうることに気づけたのか、それを紐解いていける。歴史は繰り返す。その教訓をあらためて学べる

  • 東2法経図・6F開架:KW/2022//K

  • xで知りました。バブルはこれからかな。
    情報は早く展開するので、アンテナをたてておかないとダメですね。

  • 強い断定口調が多く、ともすれば陰謀論に近い。
    データと統計に沿って結論を出すのではなく、一つの事象から決めつけているものが多い。
    読み物としては面白いが、これを信じて投資なりすると痛い目見そうですね。

  • 刊行から日が経っているが、面白く読めた。
    余った金が実態のないものに投機され、リスクは全てFRBに負ってもらう。
    やったもん勝ちの虚飾の数字が踊っている。

    読了時点での2023年10月時点では、S&P500もnasdaq100もジリジリと下げてはいるものの、バブルが弾けているとまでは言えない。
    他に金の行き場がないのかも知れない。

    バブルが弾けた際に、実態の伴った日本株に金が集まることも確かに考えられるが、今のところ、株価は上昇しているものの、ドルに換算すると、横ばいとも言える。

    とはいえ、学ぶことの多い本であり、著者が出演するYouTubeの番組も話が理解しやすくなる。

    まぁ、結局のところ、金の行き場は米国にしかないのかもしれない。

  • 半導体製造機のシェアは高いのに世界最高の半導体の量産ができないのは悲しい。
    これから戦争が始まるのは好ましくないが、日本経済は復興してほしい。

  • 経済の本とかあまり読まないので、シンプルに勉強にりました。

  • いつからバブルだったのか。
    2023年にこの2022年はじめの推測を読むと興味深い。
    今読む意味がある。
    ずっと続いてきて弾けたその先に戦争の可能性があるのが1番懸念だ。
    単純にマネーの流入先がなくなって結果日本となりそう。

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著者プロフィール

エコノミスト、グローバルストラテジスト。複眼経済塾取締役・塾頭。トルコ・イスタンブール出身。16歳で国際生物学オリンピックの世界チャンピオンに。1997年に日本に留学。日本語能力試験一級を受けて、1年後に東京大学理科一類に合格。その後、同大学院で生命工学修士を取得。2006年野村證券入社、投資銀行部門、機関投資家営業部門に携わった後、16年に複眼経済塾の取締役・塾頭に就任。
著書に『大インフレ時代!日本株が強い』(ビジネス社)、『日本経済復活への新シナリオ 』(KADOKAWA)、『コロナ後の世界経済』『エブリシング・バブルの崩壊』(以上、集英社)など多数。

「2023年 『世界インフレ時代の経済指標』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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