プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! ~涙と笑いの球界興亡クロニクル~

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087807226

作品紹介・あらすじ

12球団全部のファンクラブに10年間入会し続けた男の、涙あり、笑いあり、怒りありの超絶レポート。特典とサービスをめぐる歓喜と落胆のウラに、今世紀の日本プロ野球の裏歴史が見えてくる!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルそのままに、プロ野球12球団×10年分のファンクラブ特典や毎年の評価をまとめた一冊。
    10年間でかかった会費総額、¥629,000。
    会員特典のレプリカユニフォーム、70着以上。
    ファンクラブというものは球団の考え方やファンに対する姿勢を如実に反映していて、他球団のいいものを取り入れることもあれば(パクリではなく・笑)、ひたすら独自路線を突き進むチームもある。
    思わず「へえ~」とうなってしまったのは、2007年に西武ライオンズの松坂大輔選手がポスティングシステムでメジャーに移籍し、それで得た金額の一部を西武がファンに還元するということで一気に特典が豪華になり、それが他球団にも徐々に影響を及ぼしていったということ。
    「さすがに豪華な巨人」「常に新サービスを模索するロッテ」などチームカラーあり、レディース会員獲得やアパレルブランドとのコラボなどの新機軸ありと、あらゆる側面からプロ野球界のここ10年がわかって楽しめた。
    Jリーグをはじめ、あらゆるスポーツのファンサービスに関わる人には必読の本だと思う。

  • 図書館より。さらっと。
    10年も入会するなんてスゴい。
    そんな私も10年近く某バントのファンクラブに入会しているが(笑)
    好きだからこそ入会しているファンに対して誠実であって欲しいな。

  • 8年前の本ですが、各球団のファンクラブ特典の変遷がよくわかって面白かったです。

  • 漠然と、ファンクラブに大きな差異なんてないのでは、と思っていたら大違い。価格も特典も全然違うんだってことを知れました。
    会費自体も数千円台が多く、ほぼほぼ選択制の特典1つでペイできそう。レプリカユニフォームは使いどころが難しいけれど、トートバックなら使いでもあるんじゃなかろうか。

  • 昨日紹介しました「ヘンな本大全 愛すべき
    奇書150」に取り上げられていた本です。

    ちょっと古いですが、期間は2005年から
    10年間です。

    2005年といえば球界再編があり、楽天が
    誕生した年です。

    つまりここから本当の意味で「ファンのた
    めのプロ野球」という意識が芽生えたと言
    っていいと思います。

    やはりファンクラブの中身の充実は、パリ
    ーグが先行しています。しかしセリーグも
    負けずにファンという裾野を広げるために
    努力をしているのが見て取れます。

    その中で特筆すべきは現DeNAベイスター
    ズのファンクラブです。

    何とDeNAには「ファンクラブ」と「友の
    会」という2つのファンの為の組織が存在
    していたというのです。

    「ファンクラブ」はグッズ系。「友の会」
    は試合観戦を特典としていて、運営母体も
    違ったそうな・・・。

    DeNAが母体となって2013年にようやく
    一つのファンクラブに一本化できたとそう
    です。それからのファン層の拡がりはご存
    知の通りですが、このファンクラブ一本化
    とは無縁ではないと思います。

    あなたの好きな球団は、どれだけファンを
    大切にしているかが分かる一冊です。

  • 図鑑的に眺めて楽しむ本。
    ベイスターズの親会社が、TBSからDeNAに変わってファングッズが充実したというのは、何となく分かる気がする(笑)

  • 2017/11/21

  • 読み終わってなんか感動。すべての球団のファンクラブに10年間入り続けた酒場の思いつきを実際にやっちゃった記録。バカバカしいやら微笑ましいやら。だけど球界再編問題の後のプロ野球界の動きを見事に映し出しています。テレビ中継に中心があったプロ野球がライブとしての球場にシフトしていること。それがひとつひとつの球団のファンサービスの積み上げによって生まれていること。その流れが炸裂したのが広島と札幌で盛り上がった2016年の日本シリーズだったのでは。ファンクラブの特典という木の葉を丁寧にチェックして行ったら大きな森の変遷が見えて来た感じ。ヤクルトファンだった著者がこの蛮行を通じてプロ野球全体を考えるようになったことを坂本龍馬やチェ・ゲバラだった少年がマザー・テレサやガンジーの境地に達したと自ら比喩しています。苦笑と共に納得も感じました。日本にはどれだけ野球マザー・テレサがいるのか?2月1日キャンプインの前夜読了。

  • 最後にファンクラブ入ってたのなんて小学生の時のロッテだしい。ファンクラブ景品から球団経営・企画、チームの状態、ひいては球界の趨勢も見えてくるよね、というもので、たしかにメッセンジャーバックが一気に増えたとかトレンドもあるんだなーとは思いますが、ベイスや楽天除いてそんな毎年変わるもんでなし、最近の本らしく読みやすさはありますが途中から飽きてくる…ファン向けにはライトに楽しんでもらいつつ、その実はこの業界に携わっている人向けなんじゃないかしら。

  • 事の起こりは2004年。
    小学生の頃から筋金入りの燕ファンだった筆者はスワローズのファンクラブ特典のショボさに愕然とする。そしてふと思った。「他の球団はどうなんだろう?各球団がファンをどれぐらい大切にしているのか、ファンクラブにこそ現れるはず!」と。そして筆者は翌2005年から12球団全てのファンクラブに入り、球団分析を開始する。
    その結果やいかに?
    本書はそんな10年間の軌跡をまとめた1冊です。

    私は特に贔屓の球団はないし、プロ野球はテレビですらほとんど見ないような人間です。でもこの本はとても面白かった。「自分ではやらないようなことを追体験できる」という読書の楽しみを存分に味わえる本でした。
    中日にはファンクラブのマスコットキャラクターがいるとか、カープのファンサービスはいつも他球団とは一線を画しているとか、ここ数年はそごう・西武の外商部が他球団(阪神、オリックスなど)のファンクラブグッズを作っているとか知らないことがいっぱいで、最初から最後まで楽しく読めました。

    本書の終わりの方に載せられている「ファンクラブ通信簿」の「このチームのファンクラブを一言で言うと?」のコメントがどれもかなり秀逸。ちなみに阪神は「せっかちでテキパキ、有能なサラリーマン」、巨人は「のび太が逆立ちしてもかなわない出木杉くん」だそうです。

    ぜひ次の10年もまとめて本にしてほしい笑

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著者プロフィール

1970年5月13日東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクションライターに。05年より中野ブロードウェイに在住。『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』(白夜書房)、『私がアイドルだった頃』(草思社)、『ギャルと僕らの20年史 女子高生雑誌「Cawaii!」の誕生と終焉』(亜紀書房)、『いつも気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『生と性が交錯する街 新宿二丁目』(角川新書)他、著書多数。

「2022年 『中野ブロードウェイ物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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