真夜中のマリオネット

著者 :
  • 集英社
3.65
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087754605

作品紹介・あらすじ

私が救ったのは、天使か、悪魔か――。

殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。
婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。
そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。

無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。
「彼は『真夜中の解体魔』だ」と――。

涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は綺麗な涙を流しながら訴える。
「僕は罠にかけられただけなんです」と――。

無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……。
涼介は真犯人に操られた哀れな人形(マリオネット)なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。

衝撃のクライマックスに、きっとあなたは絶叫する。
知念実希人が贈る、究極のクライムサスペンス。


【プロフィール】
知念実希人(ちねん・みきと)
1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年には『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーとなる。18年『崩れる脳を抱きしめて』、19年『ひとつむぎの手』、20年『ムゲンのi(上・下)』と本屋大賞に3年連続でノミネートされる。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』『硝子の塔の殺人』など著書多数。

感想・レビュー・書評

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  • 小松秋穂31歳は救急医です。
    石田涼介という中性的な美しい少年がバイクの事故で救急搬送されてきます。
    そこへ、警視庁捜査一課の殺人班の美濃部と深川署の倉敷という二人の刑事がやってきて、涼介こそが世間を騒がせている三人を殺して解体した連続殺人犯『真夜中の解体魔』であるといいます。

    なんと、秋穂のひそかに婚約していた医師の荒巻一輝も『真夜中の解体魔』に殺され婚約指輪をしていた左手の薬指を持ち去られていました。
    秋穂はひそかに涼介を自分の手で毒殺しようとしますが、それに気が付いた涼介が「殺してもいいが自分は犯人ではない」と言い、秋穂も涼介が犯人ではないことを徐々に確信していきます。
    涼介の為と、自分が亡き婚約者への本当の復讐をする為に真犯人を涼介とともに探し出そうとします。
    涼介は秋穂のことを「ママと同じように特別な人だ」と言い出します。
    まず、涼介の恋人の雪絵が殺された時間の涼介のアリバイがみつかりますが、証明できる人物は殺されてしまい…。


    真犯人が見つかりそうになる度に「やっぱりあいつが犯人だ!」と何度も思い、二転三転し、作者の見事な手腕に騙されました。
    最後の結末はなんだか、消化不良をおこしたみたいで、眩暈がするような後味でした。

    • くるたんさん
      まことさん♪

      たしかに二転三転、知念さん、最後まで惹きつけるのうまかったですよね。

      女医の行動もちょっとはちゃめちゃ、それゃないよ〜と言...
      まことさん♪

      たしかに二転三転、知念さん、最後まで惹きつけるのうまかったですよね。

      女医の行動もちょっとはちゃめちゃ、それゃないよ〜と言いたくなりましたよw

      硝子の塔とはガラッと変わった作品でしたね〜^^;
      2022/04/03
    • まことさん
      くるたんさん♪

      「硝子の塔」は全身全霊で書いたってかんじでしたが、この作品は「ちょっと書いちゃいいました~」って感じがしました。
      美...
      くるたんさん♪

      「硝子の塔」は全身全霊で書いたってかんじでしたが、この作品は「ちょっと書いちゃいいました~」って感じがしました。
      美濃部と倉敷のやりとりなんかは、ちょっと興奮したんですけどね!
      女医さんあのあと、一体どうしてるんでしょうね。
      2022/04/03
  • 本当ならば昨日読み終えた「泣くな研修医(中山祐次郎)」のシリーズ第2作を手にとるはずでした。

    でも、本作の発売日だってことに気づいてしまった。

    仕事を終え、本屋へ。

    そして日付を跨いでしまいましたが一気読み。

    やっぱり知念作品は最高です!

    結果的に前作「硝子の塔の殺人」と同じく☆5つの評価ですが、前作は☆7つ位のイメージなので、正確には同じ評価ではないです。

    でも、本作も個人的には☆5つで問題なし。

    連続バラバラ殺人の容疑者は美少年の涼介。

    バイク事故で運ばれた病院で彼を救ったのが、本作の主人公である救急医の秋穂。

    そんな秋穂も最愛の婚約者を殺された被害者の一人。

    自ら命を救った涼介は連続殺人犯、通称「真夜中の解体魔」と呼ばれ警察から追われていた。

    涼介は秋穂に自分は殺人なんてしていない、冤罪だと訴え、徐々に秋穂も涼介を信じるように。

    そして涼介の身柄が警察病院へ移送されることが決まった日の夜に秋穂は涼介を病院から逃し、共に真犯人を追うことを決意する。

    徐々に犯人へ近づく2人。

    そしてついに真犯人を追い詰めたと思ってからのどんでん返し。

    ついに事件は解決し、めでたしめでたし。

    とならないのがやはり知念作品。

    ラストで読者を待ち受けていたのは、更なる大どんでん返し。

    一度に三度くらい楽しめました。

    でも知念先生、そろそろこれぞ知念作品と思える医療ミステリーが読みたいです!

    この声が届きますように。

    まぁ、医療ミステリーでなくても新刊が出れば発売日に買っちゃいますが^^;



    説明
    私が救ったのは、天使か、悪魔か――。

    殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。
    婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。
    そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。

    無事、命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。
    「彼は『真夜中の解体魔』だ」と――。

    涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は綺麗な涙を流しながら訴える。
    「僕は罠にかけられただけなんです」と――。

    無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……。
    涼介は真犯人に操られた哀れな人形(マリオネット)なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。

    衝撃のクライマックスに、きっとあなたは絶叫する。
    知念実希人が贈る、究極のクライムサスペンス。


    【プロフィール】
    知念実希人(ちねん・みきと)
    1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年には『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーとなる。18年『崩れる脳を抱きしめて』、19年『ひとつむぎの手』、20年『ムゲンのi(上・下)』と本屋大賞に3年連続でノミネートされる。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』『硝子の塔の殺人』など著書多数。

  • そりゃないよ、の一冊。

    知念さんはつくづく時間を奪うのが巧い。

    今作も緊迫感いっぱいで始まる展開から時間を奪われ一気読み。

    真夜中に死体を解体する殺人鬼、その名も真夜中の解体魔。

    主人公の女医の婚約者もその魔の餌食になった。

    そこに現れた美少年。
    彼は何者?

    一体自分は誰のために何のために…と迷い翻弄されていく女医に共に翻弄されるほど。

    そしてこの美少年の言葉がサブイボたつレベルだわと思いながらも楽しみに迎えた終盤の緊迫感いっぱい、心拍数上がる展開。

    糸を引く操り魔は一体誰⁇からの一気に押し寄せる疲労感。 
    そりゃないよ…。

    • まことさん
      くるたんさん。おはようございます♪

      ちょうど図書館で順番がきていたので、くるたんさんのレビュー熟読してしまいました。
      「そりゃないよ...
      くるたんさん。おはようございます♪

      ちょうど図書館で順番がきていたので、くるたんさんのレビュー熟読してしまいました。
      「そりゃないよ」って一体どういう意味????
      面白くないのだろうか?と思ってしまいましたが、確かに「そりゃないよ」な結末でした。疲労感ありましたね(^^;
      2022/04/03
    • くるたんさん
      まことさん♪おはようございます♪

      読んだ方だけがわかるネタバレギリギリのレビューですよねw

      ほんと、ここまで来たと思ったら…
      まことさん♪おはようございます♪

      読んだ方だけがわかるネタバレギリギリのレビューですよねw

      ほんと、ここまで来たと思ったら…
      2022/04/03
  • 別読書サイトで当選した知念さんのプルーフ本。既読者が全然いないけど読みたい人が1000人超えとは恐悦至極。最高に面白かった。救急医の秋穂の前に現れた中学生の涼介。しかし、涼介が自分の最愛の彼を殺害した解体魔の可能性がある。涼介を追う警察、涼介が殺人鬼なのか分からず困惑する秋穂。徐々に涼介の過去が明らかになってくる。最後の秋穂と殺人鬼との闘い、手に汗を握る攻防。久しぶりにバイオレンスを実感。でもそれだけでは終わらない心の揺れ動き、正義、信頼、多くの情動が誘発された。これからも知念さんの医療サスペンスを読みたくなった。⑤

  • 誰かに後を追われているような緊張感を持って読み進めることができました。残り数ページしかないのに、きちんと話は終わるのだろうかというくらい、結論は最後の最後。

    涼介とやらの顔を見てみたいです。実際にそんな人がいるだろうかと笑ってしまいました。

    2時間ドラマを観ているようでした。
    2022,1/20-23

  • 婚約者を殺された救急医の秋穂のところへ運び込まれたのは、重傷の美少年・涼介だった。

    命を救った彼は、殺人鬼の「真夜中の解体魔」だと刑事が告げる。

    秋穂の婚約者もその殺人鬼に殺されていた。
    真実なら自分の手で、殺してしまいたいと思いながら亮介の無実を訴える姿を見て、確証を得るべく真犯人を探しだす…。

    涼介の過去が明らかになるにつれ、秋穂の心情が揺れ動き、もはや真犯人は他にいると思えてくるあたりは、単純すぎる気がした。

    そして、犯人がわかったときの騒動も何となく大袈裟で、興醒めした。
    それが、わかるのはラストで語る涼介の言葉の意味だ。


  • 取り敢えずイッキ読みです。

    最後の最後でドンデン返しが有るのですが、ワクワク感も無かったです。

    「真夜中のマリオネット」操っていたのはアナタだったのね。

  • 【硝子の塔の殺人】がハマりすぎて買ってみたけど、期待しすぎたかな
    でもどちらも全然違うテイストのミステリーだから普通に面白くて一気読み。

    コイツかコイツが犯人だろうの疑いはある意味パーフェクトで当たってたけど、エピローグで動機というかなんというか?後味悪!

    色々感想書きたいけど、気になってる人には何も知らないまま読んでほしい

    面白かった✩


  • 誰が犯人で誰が操り人形なのか、
    二転三転しながら明らかにされる情報に
    真っ黒な疑惑は次第にグレーへ変わり、
    塗り替えられて刻々と移ろう。

    絶望の淵からようやく一歩踏み出した、
    主人公が掴んだと思った真相は正しかったのか。

    ラスト一行まで惑わされ続けました。

    ーーーーー
    芸術品のような美しい容貌。
    持てる武器を最大限に活かして生きる少年。
    彼は悪魔か天使か。

    翻弄され、狂わされて辿り着いたのは
    天国か地獄か。

  • 初めに明らかに犯人ではないかと疑いながらも真犯人を探し始める秋穂。
    怪しいと思っていた刑事はアリバイも有り、犯人ではなかった。そこに相棒の刑事倉敷が石田涼介を殺しにやってくる。倉敷が真夜中の解体魔で最後は死んで事件は解決したように思われた。
    しかし、実際は石田涼介が相手の大切な人を殺して
    マリオネットのように操っていた。

    やはり真夜中の解体魔は石田涼介だった。
    最後に結果が戻ってくるのが驚かされた

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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