本当はちがうんだ日記

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747669

感想・レビュー・書評

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  • ★その日から私の本番が始まった。(p.205)

    図書館で『にょっ記』を読んで興味ひかれていた著者です。/自分と世間のズレのようなものを書いてはります。/なんかふしぎにこわい気もしますが僕のなかにも似たようなパーツがあるような気もします。/どのページを見ても「名言」を拾えます。/まあ、なんというか、う~ん、すごいひとです。

    ■簡単なメモ

    「エスプレッソ」苦くて飲めないのに素敵だから好きとか。とあるテレビ番組によるとエスプレッソは砂糖を大量投入しコーヒー味の砂糖をジョリジョリ味わうスイーツなのだとか。知らんけど。《実は、今ここにいる私は「私のリハーサル」なのである。》p.9

    「愛の暴走族」とあるアンソロジーで読んで「怖っ!」と思いました。この本を手に取った直接の理由です。《彼らはベツモノになってしまった。》p.18

    「硝子人間の頃」《何かに感動するひとは鈍感なんじゃないか、と今の私は思う。》p.124。ああ、それはそうかも。

    「みえないスタンプ」たぶんそれはあるでしょう。

    「いっかげん」たしかにいっかげんはこわいです。

    「ロマン文庫の皮剥き」え、富士見ロマン文庫って金子國義さんのカバー絵やったの? 守備範囲外やったからまったく知らへんかった。惜しいことした・・・とはいえやっぱ買うことはなかったやろなあ。

    「止まっている」自分のなかで「止まっている」もの。考えてみるといろいろ出てきそうです。でもジャニーズが江木俊夫で止まってるってのは早すぎへん?

    「知らないこと」まあ、いくつになっても知らんことは出てきて不意に恥かくことありますね。死ぬまで知らへんかった方がよかったかもと。

    「この世の大穴」誰もがが最後に吸い込まれる大穴。そこはすべてを許し穏やかで・・・って考えるとたしかにちょっと残念かも?

  • エッセイは死ぬほど面白いんだけど、本人とお酒を飲んでもあんまし面白くないような気がする(´Д` ;)

  • 牛乳パック 爪でかりかり開ける人
    こんなところにいた
    ワタシと同じ人

  • あ、もう、今が将来なんじゃん。

    ちょっとニヤける淡々としたエッセイ。
    だと思って読んでたんです。
    突然核心を付いてくる言葉に出会って目眩がする。
    人生のリハーサルと本番。
    本番しかないのにね。

  • 軽い口調で語られる深い世界。くすっと笑ったりわかるわかると頷いたり。

  • 今はまだ人生の本番前。

    穂村弘は繊細に生まれすぎたのかもしれない。世界についていけなくて戸惑う日々をユーモラスに描いたエッセイ。そのズレがきっと歌になる。定型の処理が出来なかったり、あだ名に守られていなかったり、素敵側へ行けなかったり、みえないスタンプがたまったり、いっかげんある人が怖かったり。自分にもうっすら覚えがあるような、自意識過剰の日々。いつか始まるはずの人生の本番は、いつまで待っても始まらなくて。「本当はちがう」と言ってられない、とっくに始まっている日々に気付いて、格闘する日々。

  • 彼は拾う天才だなー
    わたしはなんて多くのものを取りこぼしながら生きているんだろう。
    ねぇねぇ見て。って。無邪気にやる人よりも、無邪気に見えることを知っててやる人の方がわたし好きなんだよなー。
    姑息なことを上手に、でも手の内を明かしながらやるのって、大人の無邪気だとは思いませんか。

    「この世」の大穴、が凄すぎて思わずタイトルをボールペンで囲ってしまった。
    心の豊かさは、すぽんと収まってしまった行き着く先なのか。
    疑いもしなかった。でも、収まらなかった人から目が離せないのはわたしもそうだ。
    大穴でぬくぬくしながらそこから外れた人を興味深く見ていた。
    いつも観察者でいたい己は 、美しくはないな、と思った。

  • 確か朝日新聞の書評で、三浦しおんが紹介していたはず。「三四郎はそれから門を出た」という面白いタイトルだった(はず)。このタイトルだと漱石の作品ばかりだけど、実際はそうじゃなかった。そして『本当は~』読んでみたら結構楽しく(ときどきおもしろかなしく)読めた。書評って面白いなあと感じた体験だった。(05.7.24)

  • 途中で何度声出して笑ったか。。ホロリとするお話もあり。ダメっぷりが、ダメだけど、面白い。図書館で借りた。

  • こんなはずじゃなかったと思う事は日々たくさんあるけれど、
    「今はまだ人生のリハーサルだ。本番じゃない。」という発想はなかった。
    さすが穂村さん。だけど「今が将来」という現実。こわいこわい。

    相変わらず色んなことを怖がり、変なことにこだわる穂村さんのエッセイ。
    他の人から見たらダメ人間かもしれないけど
    この感受性は大事にしたいなと読み終わった後に思った。

    文庫版より単行本の方が表紙のイラストが
    本の雰囲気に合っていてかわいい。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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