- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087747171
作品紹介・あらすじ
母親の美加が18歳の時に産んだ子。美加の再婚とともに新しい父親と暮らすが、親として未熟な二人に虐待され死亡。-孝太郎(7歳・小学生)「ふらんだーすの犬」。「男の26は若くて、どうして女の26は若くないんだ」二度も二股かけられた男に呼び出され性懲りもなくまた会ってしまう。-晶菜(26歳・OL)「ごはん」。「私お母さんが大好きなの」いきなり夏子に告白されとまどう。女の19歳は問題が多い。-アオイ(19歳・短大生)「ほおずき」。深夜コンビニにたむろっている若い男たちに注意したことがきっかけで暴行を受け、夫が死んだ。殺された。定年退職した直後に。-静子(58歳・主婦)「浅茅が宿」。夫の仕事がうまく行かなくなったのを契機に夫の実家で暮らし始めたが、大学教授の舅と姑との暮らしは耐えがたいものがあった。-加穂子(37歳・主婦)「金魚」。毎年白菜漬を送ってくる母親が怪我をした。久々に故郷に帰り同窓生に会う。-孝子(57歳・主婦)「白菜」。最新小説集。
感想・レビュー・書評
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なんだ、この方は。
初めて読ませてもらったけど、天才じゃないかな。
日本語の天才。
男でありながら、女目線で書かれたそれぞれの
短編が秀逸である。
筆者自身による解説によって
本自身が引き締まるように思えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集。「ふらんだーすの犬」が印象的。子供が子供をつくり虐待する。加害者はきっとこういう感じなんだろうなあ。どうしてこんなにも的確に他人の心情に近づくことができるのだろうかと感心。家族であることの不思議とか、自分が感じていることがそのまま言葉になっていて驚く。
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2005/12/22
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人の思考の道筋を、一筋一筋追っていくような文章。情緒に流れることがないのに、かえって、人の哀しいところ、情けないところ、醜いところが露わで、私にはもう一度読み返すことができないと思う。
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何が面白いのかわからない。
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橋本治さんの、日常を題材にした短編小説集。
冒頭の2編「ふらんだーすの犬」「ごはん」は傑作。
この2編だけで胸がいっぱいになります。
まず、「ふらんだーすの犬」は祖母の家に預けられていた子供が、実母であるヤンママに引き取られる話。これ、泣けます。
ただ悲しいだけではなく、人間の愚かさをつきつけられるし、社会的弱者の閉塞感みたいなものが、ひしひしと伝わってきます。
もう一方の「ごはん」は、婚活を考えている女性や婚活中の女性に読んでもらいたい作品。
なんで結婚しない男女がこんなに増えるの?ということに対して、橋本治さんなりの答えを出している作品。
やっぱ頭いいな〜と改めて感心させてくれる。
すごいですよ、橋本治! -
短編集。「ふらんだーすの犬」は読んで息が詰まった。本当に苦しくなった。これを最初に持ってくるとは。
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2009.10.12. 内田さんとの対談集から、読んでみたいと思った橋本治さんの小説。冷徹な視線。