メス化する自然 環境ホルモン汚染の恐怖

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087732825

作品紹介・あらすじ

「内分泌かく乱物質」またの名を"環境ホルモン"。現在私たちが日常的に接しているありふれた化学物質の多くが疑われ始めている。環境中に存在して生体に偽のホルモンとして作用するものは、わかっているだけで70種類。すでに世界には8万種類を超える合成化学物質が氾濫している。90年代になって急浮上したこのショッキングな事実を、ベテラン・ジャーナリストの眼でていねいに検証した衝撃のサイエンス・ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 環境ホルモン(内分泌攪乱物質)がブーム(?)になっていた当時、
    記者でもあるキャドバリー氏が、世界中の学者達から情報を集めて一般の人々に伝える為に記した一冊。
    最近、下火ですが、ブームが去ったと言うことなのでしょうか、それとも被害が縮小したと言うことなのでしょうか。
    どうも前者のような気がして怖いです。

    環境ホルモンの専門書、解説書は多々あるけれど、化学式から入るようなものは読めませんですよ。(=v=;)

    この本は、人間達が、自身で作り出した物質に対して

    "なにか、おかしいな"

    と疑問を持ち出してから、確信をもつまでの物語を、時系列でドキュメント風に紹介してくれます。

    この本が売れていた頃に同時に並んでいた「奪われし未来」とは、
    文体は大きく違いますが、内容は似ているので、どちらかを読めばいいかも。

  • ☆プラスチックの食器はつかうな。電子レンジでは、ラップやプラスチックトレイを使うな。ということ?

  • "人間が作り出してきた化学物質が、自然界に何らかの理由であふれだし、植物や哺乳動物がそれにさらされる。その中の一部の化学物質が生き物の成長期に必要なホルモンの働きを阻害する。成長する過程で雄として生まれてきた生き物が本来とりこむ時期に必要な量のホルモンを得られないことにより、性器に異常があったり、精子の数が減ったり、がんの発生率が高まったりするようだ。
    全ての工程が科学の目で検証されているわけではないが、何らかの影響があり、現在もその影響にさらされているようだ。
    本書は、世界中にいる科学者が、それぞれのテーマで研究を進める中、偶然にも似た研究をしている論文に出合うことで、飛躍的に調査が進んだり、科学者通しの交流から新たな研究が始まる様子がわかりやすく書かれている。難しい化学物質の名前は覚えきれないが、小説を読むような楽しさにあふれている。科学者の世界で語られていることを読みやすく紹介している名著。"

  • メス化する自然 デボラキャドバリー 集英社

    この本は一貫して生命の雌化や両性具有を引き起こしている
    「人類の生殖健康に悪影響を及ぼす環境ホルモンの脅威」を訴えている
    具体的にはDDTや枯葉剤の農薬に洗剤などの薬品であり
    PVCなどのプラスティックであり
    ピルなどのホルモン剤である
    生殖健康つまり人間を含む地球のすべての生命が
    すこやかに性と生殖を営む能力は今後の社会の重要なキーワードとなる
    と訳者の後書きにある
    このことは沈黙の春から表面化した生命存続に関わる大問題であり
    いやが上にも企業を中心とする利権に関する支配層にも正確に理解されて
    一般市民に広く浸透して行かなければ
    こうした所有欲と利権獲得による乱開発という人類の愚行によって
    生命のすべてを死に追いやることになるだろうとこの本は警告している

    まずは日本名「静止画減っていく」の映像による環境ホルモン問題を
    取り上げたドキュメント番組でエミー賞を取り
    その後デンマーク・イギリス・ワシントン・ボストン・ノースカロライナに
    フロリダと同時多発的に発見された多くの事実がレポートされた
    発見する喜びや発表を拒否された悔しさや患者との交流で生まれた感動など
    研究者の人間としての臨場感を伝えている
    その後も引き続き取材を重ねて本書となった
    男の赤ん坊に性食器の異常が目立ち50年間で精子の数が半減したと
    欧米で報告された
    同時期に乳ガンと前立腺ガンが増える一方で
    野生動物にメス化現象や性転換に両性具有を起こしている多くの種が見つかる
    それは実験の結果エストロゲンという女性ホルモンを暴露による変化である
    その後合成科学物質に弱いエストロゲン作用が見られて
    メスのホルモン類似作用が発見される
    飲食によって浴びるケースも有るが自然界のエストロゲンは
    数時間働いた後排泄されるが偽物のホルモン類似科学物質は脂肪に蓄積して
    何年も残留することがある
    実験では産まれたてのマウスにエストロゲンを投与すると
    膣ガンや子宮ガンができることを発見した
    人の場合に換算すると妊娠中のエストロゲン暴露で
    適齢期になると性器における癌になる危険性が認められた
    また自然界の魚類・爬虫類・鳥類・哺乳類に生殖異常が観察されている
    ニジマスの卵黄蛋白を測定する方法を開発し
    雄の血液中に雌しかつくらない卵黄蛋白を見つけた
    ニジマスの肝臓に環境ホルモンを加えると卵黄蛋白ができ
    環境ホルモンの検出に使えることを見つけた

    ニホンでは1998年に10年前には見つからなかった川の汚染見つかった
    農薬と違って熱を加えなくれば拡散するはずのない合成樹脂の原材料が
    水中で発見された
    界面活性剤の代謝産物も検出された

    これらは放射能に劣らず長期的なダメージを起こすものであり
    ひじょうにきけんであ同時に社会的な価値観と反比例する問題であることが
    早期解決を阻む原因であることも原発と似ている状況にある

  • 読んだのはずいぶん前、環境問題に興味を持ったころ。

  • 1073夜

  • 昔、図書館で手にとって思ったこと

    ”メス化する自然の中で、オス化しようとする自分”

    眉をひそめて、本棚に戻した記憶がありまする。

  • 読みたい本

  • 本の内容は題名が表している。今、自然(人間も含めて)がメス化している。女性ホルモンと同じ作用をする化学物質がラップ、ポリカーボネート、プラスチックなどから溶け出しているからだ。私たちはこれをもう避けることはできない。

  • 環境ホルモンの脅威を記した書。

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著者プロフィール

翻訳家。青山学院大学文学部卒業。ロント?ン大学アシ?ア・アフリカ研究院を経て、ロント?ン大学経済学院大学院て?国際政治学を専攻。訳書に『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』なと?。

「2020年 『Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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