前世は兎

著者 :
  • 集英社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711554

作品紹介・あらすじ

我々の取り繕った世界を、皮を、作者は次々と引っ剝がす。
人間の暗部を見せてくれる。
--こだまさん(作家)絶賛!!
(『夫のちんぽが入らない』『ここは、おしまいの地』)


七年余り雌兎だった記憶を持ち、雄との交尾に開け暮れた一生を送った女。現世でも常に交尾を欲し、数々の奇行に走る。そして前世でつがいだった男と再会するが、その先で遭遇した恐ろしい出来事とは――(前世は兎)。
36歳、教員で休職中の独身女が日々「ヌッセン総合カタログ」を詳細に書き写す訳は、「スティレス」を解消する為だった。同僚が次々と部屋を訪れ、職場復帰を促すのだが――(宗教)。
破滅を迎えた世界で、国のマラソン競技に選抜された姉。労働力として認められないものへの唯一の栄誉だが、自殺や逃亡は許されない。選手村への出発を翌日の向かえた夜、姉がとった行動とは……(ランナー)。ほか、全七話。

現実感覚を揺さぶる快作集!

【著者略歴】
吉村萬壱(よしむら・まんいち)
1961年、愛媛県松山市生まれ。大阪府枚方市育ち。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を経て専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞、2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞、2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞を受賞。著書に『バースト・ゾーン』『ヤイトスエッド』『ボラード病』『虚ろまんてぃっく』『回遊人』など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 訳わからなかったけどおもしろかった!現代の何かを批判しているのかなーと思って読んでた、パルスは原発事故のことかなとか
    後味悪くなくて平和だったのは真空土練機。

  • 世界観が凄い作品。
    でも私の好きな感じではなかった。
    イヤミスに近いのかな?
    独特の雰囲気が好きな人はハマるのかなーと思う。

  • 面白かったです。
    狂った世界に、狂った人たち。
    狂った世界では、狂っている方が正常です。
    「前世は兎」「沼」が好きでした。
    「沼」のラストはそうきたか、と思って良かったです。
    「前世は兎」と、戦争ではないのですが「ランナー」の描写は怖いです。絨毯爆撃も、ビッグレバーも怖い。。「ランナー」のマラソン大会が開催されている理由がよくわかりませんでした。
    「宗教」も意味不明でゾッとしました…萬壱さんワールド、堪能しました。

  • 表題作と最後の「ランナー」は変わらずのクオリティ。特に「前世は兎」の人を繰っていながら笑えない先生独特の毒が心地いい。飲酒よりも読感がドラッキーなのだ。ほかはどうにも手癖で書いてしょうもないからおち付けた感がある。が、それも芸風。

  • 丁寧なことばで繊細な狂気が描かれている
    素晴らしい文章に出逢えて震えた

  • 吉村萬壱先生、謎多き人である。脳をどう絞ればこんな発想が出てくるのか。あるいはなんの労力もなく、当たり前の日常からこんな発想なのか。現在大阪の閉鎖病棟で個展を開かれている。緻密で不気味な鉛筆画や、なかなか気持ちの悪い立体作品を並べておられる様はTwitter等で拝見した。会期中には行けないのが残念。

    おっと、本のレビューだったことを今思い出す。どの作品も奇抜なのは言うまでもない。おそらく好きと嫌いの割合は1:9ぐらい。私は好きだった。以前「虚ろまんてっぃく」も拝読。奇才。本人が普通の人だったらどうしよう。ちょっとひく。(笑)

  • 海外SFを数冊読んだ後に、好きな日本の作家を読んだので、ものすごく、ひじょーーーーーに、読みやすいと思ってしまったんやけど吉村萬壱なんやけどめちゃくちゃ読みやすいよ。
    インフルエンザで篭ってたから二日で読み終わってしまった。面白かった。
    短編集やけど全体的にディストピア感のある世界で、ボラード病とか、表題作なんかは初期の頃の感じを思い出した。
    ヌッセンのやつと、椎間板ヘルニアでうんこ漏らす話が特に面白かったな。わしは首をヘルニアでやったことがあって、しかも夫と同時期にごきっとなって、子どもも小さかったから苦しかったなー。

  • なんだろう…品のないエロっていうか性欲っていうか…
    そういうネタ満載短編集

  • んーあと味は悪い

  • 弱くて愚かで狂ったひとびと。
    狂ってたのはどちらなのか?正解は何なのか?
    自分の感性さえ分からなくなってしまうほど、その術中にはまってしまう。
    作者の世界観にのまれ、するすると読み進め、吐き気がするくらいの自己嫌悪と闘う、そんな作品。

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著者プロフィール

1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。

「2020年 『ひび割れた日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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