ブルックリンの少女 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087607512

作品紹介・あらすじ

失踪した恋人アンナの行方を追うラファエル。元刑事マルクと調査を進めると、過去の連続少女拉致監禁事件や不審な死亡事故に突き当たり……。仏No.1ベストセラー作家が贈る、息もつかせぬサスペンス長編。

感想・レビュー・書評

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  • ご無沙汰しております。皆様どうお過ごしでしょう、素敵な読書ライフ送れておりますか(*^^*)??
    私事ですがコロナになってしまいダウンしていたのですが体調は回復、しかし外出は出来ないし倦怠感が激しい...。と言うすこぶる時間を持て余す日々を送っているので、久々にゆっくりと本を読むに。

    さて、地道にコツコツ読み進めていたのは本書「ブルックリンの少女」。ミュッソの代表作と言っても過言ではない作品である。彼の作り上げる残酷なのに美しい不思議な世界観を存分に楽しんだ。....のだが、療養中にはあまりオススメできないのは言わずもがなである。
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    小説家であるラファエルは恋人 アンナと婚前旅行を楽しんでいたが過去の詮索により旅先にて大口論、怒ったアンナは先に帰ってしまう。
    焦ったラファエルは急いで後を追うもその後のアンナの消息が不明となる。逃した魚はさぞ大きかろう。
    ラファエルは愛という名の見栄えの良い鎧、もとい執念を着込み、元警察官の友人マルクと共にアンナの行方を追うこ事となる。
    手掛かりを追うにつれ浮上する過去最悪の連続少女拉致監禁魔キーファーの起こした「クレア・カーライル事件」との繋がり。アンナの失踪は思わぬ事態を呼び過去の語られなかった真実を暴き出す事となる。「ブルックリンの少女」の正体と行方は如何に。
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    個人的には友人マルクのハードボイルド過ぎる行動力が好きだ。高速での危険なUターン、蹴破られる扉達、脅される一般市民、etc...これぞこれぞである。ベタだがそれが良い。
    彼らコンビが別行動にてクレア・カーライル事件と関わりを持った人物達と接触していくのだが、ここの心理戦が中々の見物だった。嘘をつく、何故嘘をつくのか、誰に何の得があるというのか、各々の思惑がひしめく人間味溢れる打算...こりゃ大好物だ(´﹃`)

    この連続少女拉致監禁事件での被害者少女達を結ぶブルックリンの少女とラファエル&マルク即席コンビの決着は少し弱いが綺麗に着地する事となる。気になる伏線はしっかり回収されているので不服感は無い、.....少し弱いが(2回目)

    さて、ここまでが本書の8.5割の説明だ。
    残りの1.5割でミュッソの残酷で美しい人間模様を存分に喰らうと良い。彼が表現する苦しみと悲しみ、血の通った登場人物達を是非最後まで見届けていただきたい。囚われた過去と、抗えない現実の中でもがき苦しんだ一人の男の結末に目頭抑えて鼻水垂らしてしまえば良いさ。むふふ
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    読了後の疲労感は強めだがフィクションを忘れるくらい物語に没頭してしまい、遠い世界のどこかにいる本書の登場人物達のその後の幸せを心から願ってしまっていた。
    悲しくも残酷で儚くも美しい物語であった。

    • NORAxxさん
      ジェダイパパ6986さん、こんばんは(*^^*)コメントありがとうございます。
      ジェダイさんもコロナ感染してしまったのですね...倦怠感と共...
      ジェダイパパ6986さん、こんばんは(*^^*)コメントありがとうございます。
      ジェダイさんもコロナ感染してしまったのですね...倦怠感と共存出来るか自身はありませんが前向きに頑張っていこうと思います。お心遣いありがとうございます♪
      2022/09/03
    • みたらし娘さん
      NORAxxさん

      初めまして☆
      いつも いいね ありがとうございます(*´ω`*)
      そして、レビューもいつも楽しみに見させていただいてます...
      NORAxxさん

      初めまして☆
      いつも いいね ありがとうございます(*´ω`*)
      そして、レビューもいつも楽しみに見させていただいてます♪
      コロナだったとのことで、大変でしたね(´・ω・`)
      後遺症ある方も多いようなので、無理せず身体休めてください。
      お大事になさってください。

      【乙霧村の七人】のレビュー拝見して、面白そうなので私も読んでみたいと思います☆

      今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(*_ _)m
      2022/09/04
    • NORAxxさん
      みたらし娘さん、こんにちは(*^^*)こちらこそいつもイイネありがとうございます。コメントまでいただけてとても嬉しいです!!
      でもなんか初め...
      みたらし娘さん、こんにちは(*^^*)こちらこそいつもイイネありがとうございます。コメントまでいただけてとても嬉しいです!!
      でもなんか初めましてな気がしません...照 同じミステリ好き同士、これからも本棚を参考にさせていただきますね♪

      ご心配もありがとうございます!!日を追っても中々倦怠感が取れず、そろそろ嫌気がさしてきました...ゆっくりとした時間は無い物ねだりなんだなぁと身に染みております(´;ω;`)笑

      「乙霧村の七人」ぜひ呼んでみてください。がっつりとしたミステリーではありませんが軽めに楽しんでいただけるかと思います★

      こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いしますm(_ _*)m
      2022/09/04
  • 巻末の訳者あとがきにて「読者各位に、ぜひとも金曜日の夕方から読みはじめるようお勧めする」と書き記されていました。

    それ、最初に言ってよ〜

    フランスで大人気のベストセラー作家、今の日本で例えるなら、きっと東野圭吾さん的な感じかな?

    読み終えてふとそんな気がし、本作と東野圭吾作品とを比較した部分も含めた☆3つという評価になりました。

    理由の一つは東野圭吾作品の読みやすさは、読み始めて数ページですぐに物語の世界に引き込んでくれる点と、主要登場人物の少なさから、私のような未熟な読者であっても登場人物の相関関係も含め理解しやすいという点があげられると思います。

    海外作品だから仕方がないとはいえ、慣れない地名やカタカナの名前、そして読み終えたからこそ理解出来る部分はあるが、本作の壮大なスケールを埋める為に必要な主要登場人物の多さが重なり、平日の仕事終わりから読み始め、都合3日かかりました。

    著者の作品は初読みでしたが、訳者の巧さも相まって実に疾走感があり、壮大なスケールのサスペンスであったことは紛れもない事実。

    壮大なスケールとは、南フランスから始まった物語は大西洋を越えてアメリカまで飛び、パリとニューヨークという二大都市を行き交い進んでいくからであり、その地理的な距離のみならず、謎を解いていく過程で時間をも凌駕します。

    また、ここまで広がった世界が読み終えるとわかりますが、作品の中では実はたった3日間の出来事でしかないことにも驚かされました。

    結婚を控えた人気小説家のラファエルとその婚約者であるアンナ。

    過去をひた隠しにするアンナに詰め寄ったラファエルに対し、彼女は衝撃的な写真を見せ、その後失踪するところから物語は始まります。

    隣人で元警察官のマルクと共にアンナの行方を追うラファエル。

    国を越え、時間を超えて解き明かされていくアンナの過去。

    そこには過去に起こった猟奇殺人やアメリカ大統領選をも巻き込んだ謎が隠されていました。

    広げるだけ広げた謎解き物語は急速に萎みながら真実へと繋がっていく。

    本作の主人公はラファエルから始まった。

    しかし、読み終えた私にはマルクが主人公の物語であったように思う。

    緻密に仕込まれた謎、謎、謎。

    それぞれが繋がりを見せ始めてから一気に収束していくスピード感は読み応えがありました。



    説明
    内容紹介
    失踪した恋人アンナの行方を追うラファエル。元刑事マルクと調査を進めると、過去の連続少女拉致監禁事件や不審な死亡事故に突き当たり……。仏No.1ベストセラー作家が贈る、息もつかせぬサスペンス長編。


    内容(「BOOK」データベースより)
    人気小説家のラファエルは、婚約者のアンナと南フランスで休暇を楽しんでいた。なぜか過去をひた隠しにするアンナに彼が詰め寄ると、観念した彼女が差し出したのは衝撃的な光景の写真。そして直後にアンナは失踪。友人の元警部、マルクと共にラファエルが調査を進めると、かつて起きた不審な事件や事故が浮上する。彼女の秘められた半生とはいったい…。フランスの大ベストセラーミステリー。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ミュッソ,ギヨーム
    1974年フランスのアンティーブ生まれ。高校卒業後にニューヨークに渡りアイスクリーム売りのアルバイトなどを経験。ニースとモンペリエの大学で経済学と社会学を学んだのち、2003年まで高校教師を務める。04年に発表された『Et apr`es…』が大ヒットし、ベストセラー作家に。フランスでもっとも人気のある小説家の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • タイトルのブルックリンという街は、アメリカの街の名である。
    しかし、物語の始まりは、そこから遠く離れたフランスのアンティーブ。

    婚約者であるアンナが消えた。
    その理由を求めて、シングルファーザーで、作家のラファエルは、友人のマルクの協力を得て奔走(まさに東奔西走)する。
    その行く先々で見つけるアンナの過去、おぞましい事件!
    彼女が犯した罪は、出自は、嘘の理由は。

    本書では「父」の姿が描かれる。
    「母」の姿が描かれることが多い中で、少し珍しいかもしれない。
    様々な「父」のあり方が、事件を複雑化し、一方で物語に深みや救いをもたらしている。

    子供とは愛すべき存在だ。
    その小さな体で、人を親にし、生活環境も、考え方も、何もかも変えていく。
    腹の立つことも、苦労させられることも多いけれど、宝物だ。
    その宝が、汚され、目の前で永遠に失われてしまうとしたら。
    私は「父」ではないので、父の思いを推し量ることはできない。
    けれども「親」ではあるので、466頁の4行に心を打たれた。
    核心に触れるので記載はしないが、この言葉だけは書いておきたい。

    「娘の笑い声、活気、声の抑揚が蘇る。」

    いつだって、たった数時間、数日離れただけでも、会いたくなるし、子供達の姿ははっきりと思い出せる。
    「彼」が思い出を抱きしめて、せめてその思い出が「彼」を救ってくれることを切に願う。

  • ラファエルは婚約者のアンナと諍いを起こしその後アンナが行方不明に。そこからどんどん広がりを見せて行く。アンナはなぜいなくなりどこへ行ったのか。調べる過程で見えてくる過去。そしてその過去に関わった人たちの起こした数々のこと。広がりすぎかもと思うほどの展開が思わぬところで交わったり繋がったりする。人の過去を知ること、受け入れること。本当のこととこれからのこと。さまざまな角度からこの物語が見れてそして知らせてくれる。どこかで読んだような展開だと油断していたら全く違う方向へ行き知らなかった作品になる。たくさんの面白みが詰まった作品。

  • 【全ての真実を言わないのは嘘と同じだ】

    濃密で壮大な物語は
    婚約者の失踪から始まる

    衝撃的な写真を残して消えた婚約者
    小説家は元刑事の友人と行方を追うが
    かつての不審な事件や事故が浮上

    婚約者は一体誰でどこへ消えたのか

    最後の真実が明らかになった時
    悲しい涙が頬を伝う

  • パリのアパルトマン、作家の秘められた人生に続きこちらも読了。面白かった!
    最後の最後まで読めない展開、スピード感は共通する面白さだが…内容は全く違うのでそれぞれ楽しめる。

    今作は主人公の息子、テオの可愛さに癒された♡次回作も楽しみ‼︎

  • ギヨーム・ミュッソ『ブルックリンの少女』集英社文庫。

    フランス人ベストセラー作家が描くサスペンス。行き付けの本屋の企画コーナーに山積みされていたので思わず購入。果たして鬼と出るか蛇と出るか……

    期待した程の面白さでなはかった。出版社の仕掛けによる本屋の企画なのだろうか。解っているのだが、この手の販売方法によく騙される自分がほとほと嫌になる。

    余りのテンポの悪い展開に、帯に書かれているような『最後の最後までまったく予期していなかったどんでん返しに読者は意表を突かれる。』ということもなかったし、『すべての予想は裏切られる……』こともなかった。

    人気小説家のラファエルは元刑事のマルクと共に突然失踪した婚約者・アンナの行方を追うが……異状なアンナの過去とは……

  • ミュッソはフランスに住んでいた時から有名人気作家なのは分かっていたけど、なんとなく惹かれず読んでいなかった。
    一時帰国中にブックオフでよいお値段で見つけて購入。

    婚前旅行中のカップルの口論からスタートするミステリー
    そんなありふれた?切り口からどう面白く展開していくのかと不安にすらなったが、さすがフランスの人気作家、予想もしないことが次々に明らかになる。
    最後のどんでん返しにはやられました。

    色んな事がいろんなところでいろんな人の間で起こっていくので、登場人物を把握するのが結構大変 (最初に人物一覧がある、カバーの内側にもあるが、読むときカバー外しちゃってたので読了してカバーを付けるまで気づかなかった(笑))

    途中まではだらだら細切れに読んでしまったが、最後は割と一気読み。
    訳がとても自然で良かった。

    NYC、私は少し苦手なのだけど、筆者は結構好きなのかな~?

  • 初のギョーム・ミュッソ。
    久しぶりのフランスミステリ(ポールアルテ以来か?)。

    3人の焼死体が映った写真を見せて姿を消した婚約者アンナ、婚約者の過去が気になって問い詰めた挙句姿を消されたラファエル、なぜか捜査を手伝ってくれるいい人なマルク(笑)。

    どんでん返しに重きを置かれているため、いわゆるフェアなミステリではない。そうだったのか!と驚くことを味わう小説。個人的には、冒頭の一人称とその後の一人称が違うから、仕掛けだと思ったらなんでもなかった点が驚いたけど!

    諸悪の根源が野放しになってることに不満はあるが、最後の最後まで気が抜けないストーリーで満足。

  • 一つの謎を解くと
    また別の疑問が湧いてきて
    次々に展開が変わっていって
    一気に読み進めることができた

    行動の裏には必ず理由があって
    それは過去の経験に繋がっとる
    誰かの過去を知ろうと思ったら
    それなりの覚悟と労力がいるなと思った

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著者プロフィール

1974年フランス生まれ。2004年に発表した『Et,Apr’es・・・』が驚異的な売り上げを記録し、一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たす。

「2017年 『あなた、そこにいてくれますか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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