風の影 上 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605082

作品紹介・あらすじ

1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、ダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で出遭った『風の影』に深く感動する。謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去の探求は、内戦に傷ついた都市の記憶を甦らせるとともに、愛と憎悪に満ちた物語の中で少年の精神を成長させる…。17言語、37カ国で翻訳出版され、世界中の読者から熱い支持を得ている本格的歴史、恋愛、冒険ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 感想は下巻で。

    と、いうことで、感想以外の話。

    スペインの作者さんは初めて読むかもしれない。
    17言語、37か国で翻訳出版されてるそうな。
    上巻では「本格的歴史、恋愛、冒険ミステリー」
    下巻では「本格ミステリーロマン」とある。

    まあ、売るためにいろいろジャンルつけるのは悪くないけど、最近、ミステリーとサスペンスの違いが分からなくなってきた。
    謎があればミステリーでいいのかな?
    ミステリーサスペンス、なんてのもなかったっけ。
    ノワールとクライム、なんてのも区別しづらいよね。
    なんとなくだけどノワール(個人)、クライム(組織)みたいに思ってる。ただの思い込み。

    • 土瓶さん
      ググってみたら
      ノワール(暗黒小説)
      クライム(犯罪小説)
      らしい。

      でもな~。なんとなくノワールって一人称で堕ちていくイメージ...
      ググってみたら
      ノワール(暗黒小説)
      クライム(犯罪小説)
      らしい。

      でもな~。なんとなくノワールって一人称で堕ちていくイメージがある。
      自分の本棚で分けるとすると
      ノワール
       「隣の家の少女」
       「不夜城」シリーズ
       「ゴールデンボーイ」
       「シンプルプラン」
       「掏摸」

      クライム
       「犬の力」
       「テスカトリポカ」
      こんな感じだと思ってる。

      「黄色い家」も読んでみたいな^^
      2023/04/03
    • naonaonao16gさん
      土瓶さん

      こんにちは!

      なにか一人で堕ちていく印象的なノワール作品に出会っていたのかもしれないですね!

      『隣の家の少女』、...
      土瓶さん

      こんにちは!

      なにか一人で堕ちていく印象的なノワール作品に出会っていたのかもしれないですね!

      『隣の家の少女』、以前読んだのにすっかり忘れてしまいました…
      ミステリー系だったような、と思い、わたしもつられてググってしまいました笑

      サスペンス(犯人捜査、推理や謎の解明をするもの)
      ミステリー(推理ものも含むが謎が解明されないもの、不可解な状態のもの)
      だそうです。

      「謎の解明」がネックでした。長く本を読んできて、こんなはっきりとした違いがあるとは知りませんでした笑
      今後本を選ぶ時の参考になりそうです。

      http://jetinoue.jugem.jp/?eid=224
      こちらで見てみたのですが、ホラーとかスリラーの違いも載ってておもしろかったのでお時間ある時に是非見てみてください!

      ちなみに『黄色い家』は、今のところ2023年に触れた作品で一番面白い作品でしたので是非とも読んでいただきたいです。
      土瓶さんが調べてくださった定義を改めて見てみると、『黄色い家』をクライム小説ではなくノワール小説とすることは、作中に出てくる彼ら彼女らの救済なのではないかと捉えると、震えました…!
      2023/04/04
    • 土瓶さん
      naonaonao16gさん、ありがとうございます^^
      たしかに、ホラーとスリラーの違いは気づきませんでした。
      納得、納得(((uдu*...
      naonaonao16gさん、ありがとうございます^^
      たしかに、ホラーとスリラーの違いは気づきませんでした。
      納得、納得(((uдu*)ゥンゥン

      「黄色い家」ますます読みたくなりました。
      図書館予約……170番……。
      (´;ω;`)ウゥゥ
      2023/04/04
  • 比喩表現が多すぎる

    今日の天気を半ページ使って説明されても…
    まぁ1個1個はそこまでクドくないのでなんとか耐えられましたが、とにかく数撃ってきます

    売れ始めた頃のくりーむしちゅー上田か!というね

    比喩表現が延々と続くのは苦手って人は一定数いると思うので、そういう人は手を出さないほうが無難かも

    物語の方は不穏な空気感をまといつつ謎が少しずつ明らかに
    主人公ダニエルの成長と恋の物語はまだまだ波乱がありそうで下巻に向けて高まる期待!

    あと土瓶さんと同じタイミングで読んだのがなんか恥ずかしい

    • ひまわりめろんさん
      今に始まったことではないw
      今に始まったことではないw
      2023/04/03
    • 土瓶さん
      あっ! (〃▽〃)ポッ
      げっ! (--〆)
      評価は残念ながらひまわりめろんさんの方が正しいよ。正しいってなに? 一般的か。
      世界中で...
      あっ! (〃▽〃)ポッ
      げっ! (--〆)
      評価は残念ながらひまわりめろんさんの方が正しいよ。正しいってなに? 一般的か。
      世界中で売れとるし、このシリーズ3部作だか4部作まで続いたらしいから。
      2023/04/03
    • ひまわりめろんさん
      そうです正統派カリスマレビュアーです
      だっふんだ
      そうです正統派カリスマレビュアーです
      だっふんだ
      2023/04/04
  • 謎の作家フリアン・カラックスのことを調べながら、主人公の毎日はそればかりではなく、恋をしたりして少しずつ成長していく。
    上巻では、作家の過去にまだやっと足を踏み入れたぐらいだろうか。
    なんだか深い因縁があるように思えるし、気になって仕方がない。

  • 舞台は、政治的混乱の収まらない1945年のスペインはバルセロナ。古本屋を営む父親に連れられて「忘れられた本の墓場」を訪れた主人公、ダニエル少年は、フリアン・カラックスの小説「風の影」と出会う。「風の影」を夢中になって読み耽ったダニエルは、他の作品も読みたいと思ったが、カラックスは無名の作家で、その作品はほとんど売れず、しかも謎の人物に買い取られては焼却されてしまっているのだという。

    ダニエル少年の青春の苦い経験と、カラックスの過去に隠された謎が織り成す極上のミステリー。下巻が楽しみ。

  • 2006年時点で37か国語で翻訳出版された本作品は、特にヨーロッパ各国で話題になり500万部を超えるベストセラー作品。
    実は本書を読み始めて100頁くらいで退屈すぎて一度読むのをやめました。
    この本が、なぜこれほど絶賛されているのかわからないまま。
    そこで、訳者のあとがきを読み、いくつかの書評に目を通すうちに、下巻のヌリアの手記あたりから本書の種明かしが始まることを知り、とりあえずそこだけ読んで、それでも面白くなければ作品との相性が悪いんだろうと諦めることにしようと・・そして結局全編を、後ろから読むことになりました。
    上巻で躓きそうになった私のような読者は、我慢して下巻まで読破してほしいことを切に願います。

    小説では2種類の人間が出てきます、誰かのために尽くそうとする多くの善人と、誰かの足を引っ張ろうとする極悪人。
    そして、一人の巨悪の前では、多くの善人の無力な様がスペイン内戦という時代背景を絡めながら展開されますが、なんといっても本書の魅力はよく考え抜かれた構想です。この着想を37歳の作家が成しえたという点でも驚きです。

    翻訳者について、書評では賛否両論が散見され、確かに所々言葉としておかしな箇所がありましたが、全体的にはそれほど悪くない読みやすい日本語訳だったと思います。

  •  物語の中に物語がある、これは見事な仕掛けが施されたマトリョーシカのような小説です。

     小説の中にこの小説と同じ「風の影」というタイトルの本を書いたフリアン・カラックスという男が登場します。そしてその本の登場人物であるライン・クーベルトを名乗る顔のない不気味な男が、本の中から抜け出したように夜の街をさまよい、その本を探し当ててはことごとく焼いてしまおうとするのです。

     フリアン・カラックスの謎にとりつかれた主人公ダニエルがこれを解き明かそうとするうちに、次第にダニエルの人生はフリアンの人生と重なり合っていきます。まるでペネロペを愛したフリアンの運命をなぞるかのように、ダニエルはベアトリスに引き寄せられていきます。

     この小説はミステリーだと紹介されていますが、単なる娯楽小説に留まってはいません。意味深い言葉で人生の中にある愛憎劇や悲劇を描いています。上巻では、登場人物たちは欲望や憎悪や嫉妬に駆られ、あるいは絶望の前で人生の意味を見失いかけています。誰もが不幸を抱えているようで、読み進めることを辛く感じるほどです。それは内戦を迎えたスペインの暗い時代のせいなのか、それとも人間の本質なのか……。

     しかも、それらの全ては、下巻のクライマックスに向かう助走に過ぎないのです。

  • 「本を読む者にとって、生まれてはじめてほんとうに心にとどいた本ほど、深い痕跡を残すものはない。はじめて心にうかんだあの映像、忘れた過去においてきたと思っていたあのことばのよいんは、永遠にぼくらのうちに生き、心の奥深くに「城」を彫りきざむ。そしてーその先の人生で何冊本を読もうが、どれだけ広い世界を発見しようが、どれほど多くを学び、また、どれほど多くを忘れようが関係なくーぼくたちは、かならずそこに帰って行くのだ。」
    「この無限にひろがる墓場のなかで、ぼくがまったくの偶然から、一冊の知らない本の内側にすべてをつつみこむほどの宇宙を発見したとしても、いっぽうでは、数えきれないほどの書物が、誰に開拓されることもなく永遠に忘れ去られていく。放置された何千万というページ、宇宙や持ち主を失った無数の魂に、ぼくはかこまれているような気がした。そんな本のぺーじたちが、暗黒の大洋に沈んでいくあいだに、この壁のむこうに息づく世界は、日々「記憶」を失っているのだ。自分でも気づかないうちに、しかも忘れれば忘れるほどよけいに賢くなったかのように感じながら。」

    スペイン発の本が売れるってすごいんじゃないか、と思って購入。
    少し不思議で次々に現れる謎は読者をあきさせない。
    バルセロナに行ってみたくなる一冊。あと、スペイン内戦時のこととかも知っているとより楽しいと思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「次々に現れる謎は読者をあきさせない。」
      本に纏わる話だと聞いて読み始めたら、面白過ぎて途中で止められなかった!
      しかし続編の「天使のゲーム...
      「次々に現れる謎は読者をあきさせない。」
      本に纏わる話だと聞いて読み始めたら、面白過ぎて途中で止められなかった!
      しかし続編の「天使のゲーム」は積んである、早く読まなきゃ。。。
      2013/05/21
  • お父さんに連れて行かれた、忘れられた本の墓場で出会う一冊の本から始まる、少年ダニエルの物語。読み始めてしばらくは、表現が難しいところとかがあってあまり世界に入り込めず休憩した時もあったけど、読んでいくうちに、ダニエルの父、フェルミンが私にも愛情を注いでくれているような気持ちになる。物語に出てくる登場人物たちに会いたくてページを進めていった感じ。ダニエルのお父さん、素敵。。。こんなふうに人を愛したい。ダニエルがふフリアンを古い友人と思うように、登場人物たちが私の長い友達、大好きな人たちに感じる。質素だけど、美しくて、愛でいっぱいの人たちに会いたくて本を開くような、不思議。上巻でのフェルナンドの説明から、誰が誰だかわからなくなってメモを取りながら読書。下巻へ一気にクライマックス。

  • さまざまなことが重なり二冊の読了まで2ヶ月かかってしまいました。
    下巻にて。

  • 感想は下巻に

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